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立花隆も評価を変える政治家。まさに毀誉褒貶。終戦を知る角栄は韓国での工事を受注。韓国に手付き金を取りに行き、それが将来の金脈につながる。米国支配の石油市場に新たなルートを求めたことで、潰される。勉強会の開催で派閥を壊され、その後、20日連続でボトルをあけ倒れた。娘の教育と
家庭内のゴタゴタ。当時の政治化が豪傑ぞろいの中、角栄は二人の愛人の存在を隠し続けられず。
TV化を真紀子に断られた作品
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小沢一郎氏は「小」角栄でしかない
彼の選挙対策、政治スタイル、資金集めのすべてが角栄流の模倣であり
裏の調整と談合ですべてが決まるやり方である
未だにわが国では、このやり方が有効で効果的なのだ
政治の世界は一向に変化していないと言ってもいいのではないか
角栄氏は戦後日本が生んだ唯一の英雄だったのかも知れない
小卒の土建屋が最高権力の座に上り詰めたのだ
「今太閤」と呼ばれ、そのやり方は同じように卑賤から身を起こした豊臣秀吉に似ている
しかし、その最後は信長を彷彿とさせる
読了後、花火を見た後のように呆然とため息をついてしまった
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角栄…油っこいなあ!
善も悪も全て飲み込んでブルドーザーのように突き進んでゆくバイタリティは異常なほど。戦後・高度経済成長期、この時代に必要とされた人物だったのでしょう。
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★2010年90冊目読了『異形の将軍 田中角栄の生涯 上』津本陽著 評価B+
列島改造論で日本の高度成長期を一気に加速した宰相田中角栄の生涯を追った作品。最後にはロッキード事件をきっかけに、毀誉褒貶の激しい政界からの引退に追い込まれていった彼の生い立ちから彼の人となり、考え方をドキュメンタリーに描いている。いまだに、彼の魅力を語る人も多く、なぜ彼がそれ程の評価を得ているのかが不思議で読むことにしました。
彼は、学歴を持たないことを逆にバネにして、一気に政界のドンへと駆け上っていった魅力の一端が垣間見ることができます。やはり、高学歴の政治家にはない人間的な熱さ、心遣いがあったことと、人並み外れた努力家であり、抜群の記憶力と洞察力で、世の中の先を見通していたことがよく分かる。今の政治家にはない人としての賢さと大きさが読んでいてよく分かります。
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16年前の1993年12月16日に悪徳政治家:田中角栄は75歳で没。
まったく正反対に、高学歴ではない人が首相にまでのし上がった、そのサクセスストーリーをクローズアップして傑出した人物だったという評価もありますが、少し冷静に考えてみると、利権政治や派閥政治を強引に強力に推し進めたり、環境・人間性破壊をあたかも進歩や美徳のようにして日本を壊滅状態にした張本人であったのですが。
その著書『日本列島改造論』(1972年)を、科学的合理主義としての未来学と同列に捉えた信じられない時代があったとしても、薔薇色の快適未来社会を描いて国民を騙して、モータリーゼーションや工業化を金科玉条のごとく推進して地方の過疎化・植民地化をよけいに早め、金権政治を当たり前にやり、成功して金儲けすることが善で正しいという風な、今にいたる金銭至上主義というか拝金主義の価値観をはびこらせたとんでもない犯罪的な極悪人です。
ただ恐ろしいのは、彼が際立った真正の悪党かというと、そうではなく、根はどこにでもいるそこいら辺の人情深いおっちゃんで、だからつまり私たちも、うかうかして欲望のままに権力志向丸出しで強欲に生きていると、いつ彼の二の舞になるか解らないところに、この狂信的情熱の怖さがあります。
彼を反面教師として、自らの戒めとして読み取る行為が必要だと思います。
この感想へのコメント
1.サラミ御殿あるじ (2009/12/21)
これほど功より罪のほうが大きかったことが知れ渡っているのに未だに偉大な政治家と思っている(主に)男性が多いのが不思議です。
ワタクシ上巻のみで挫折し。
ゴシップ寄りの『決定版私の田中角栄日記』佐藤昭子著に逃げてしまいました。
2.薔薇★魑魅魍魎 (2009/12/23)
まぁ、このぅ、なんといいましょうか、日本人は立身出世譚が大好きな民族でありましてぇ、世間を騒がした悪い奴でも、貧乏からのし上がって首相にまでなった男を、お涙ちょうだい式に苦労したんだ角栄さんみたいに褒め称えるという卑しき美風が現存するんですわ、情けないことに。
そして、その薫陶を受けた小沢一郎が、命日に必ず墓参するという風に、まだまだ継続する忌まわしき悪の伝家の宝刀であるのです。
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タイトルの通り「田中角栄の生涯」が、時系列に綴られている。本書上巻では、角栄の幼少期を取り巻く環境、なぜ上京することになったのか、土建業で身を立てることになったのか、出兵から戻りどのような方法で自分の会社を大きくしていったのか、国際興業の小佐野賢治との出会い、そしてどうのようにして政界入りし、越山会を作り上げていったのか、「越山会の女王」ともいわれた秘書:佐藤昭子との出会い等々が綴られている。
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日本で政治家と呼べるのは角栄だけみたいなのを見たので読んでみた。
出来る人だったのだろうということは分かる。
しかし、上では金の話だけが書いてあって件の列島云々とかは一切なし。
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田中角栄ほど、日本的な政治家らしい人はいない。
『金権政治家』というレッテルも貼られている。
貧しい農村の競馬馬にかける父親とひたすら健気にはたらく母親。
今回読んで見て、小学校卒という話であったが、
建築に関して、独学的に勉強する姿が浮き彫りとなった。
抜群の記憶力、仕事に対する集中力があったが、
また、以外と諦めの早いオトコでもある。
次々にチャンスをものにする人懐っこさ。
ひとくくりで、その姿を明らかにすることは、困難なオトコである。
信長的であるが、残忍ではない。
秀吉的な感じが強い。
それに、現場の苦情を基礎に、政策化する能力がある。
清濁 あわせ呑む という感じではなく、
泥水を気にせず呑む という大胆なところがあるねぇ。
十代は、『大仕事を遂げて死なまじ、熱情の若き日はまたと来せはじ』
二十代は、『末ついに、海となるべき山水も、しばし木の葉の下をくぐるなり』
三十代は、『岩もあり木の根もあれど、さらさらと、たださらさらと水の流るる。』
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田中角栄の生き方とりわけ若いころの話がしっかりと書いてある。
時代の最先端(土木)をやっていたことが大きかったのかと思った
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2013.1記。
新潟の寒村に生まれ、裸一貫で上京した田中角栄の伝記的小説。日雇いから始め、その類まれな頭脳、愛嬌、先見性を武器に、小さな工事会社の社長として、やがては代議士として、ついには佐藤栄作の後継を巡る「三角大福中」の権力争いを経て首相にまで上り詰める。
それにしても、角栄の猛勉強ぶり、やるといったらやる人間性にはやはり圧倒される。通産大臣として米国との繊維交渉で歴代の誰よりも本気で相手と渡り合って役人を心酔させ、首相としては、日中国交回復を実現。その原点には、16歳で上京する角栄に向けた母フメの言葉があるようだ。「大酒は飲むな。できもしねえ大きなことはいうな」「人は休まねば体をいためる。だども休んでからはたらくか、はたらいてから休むかとなれば、はたらいてから休むようにしろ」(上巻P.74)
今の感覚で言えば、公共工事の情報をもとに先回りして土地を買い叩くなど角栄の「金権」は到底許されるものではない。が、代議士が足を運んだこともない山間の村に一人演説に来た若き日の角栄を信じ、「都会の人間たちに一本の無雪道路が人の生命を救うありがたさが分かるか」と、ロッキード事件後も票を投じ続けた人々のことを軽々に笑うこともできない。
学生時代、ゼミの研修で新潟県浦佐の農村を訪れたことがある。90歳の老翁が、既に盲目となった瞼を閉じながら「角栄先生の掘ったトンネル」について限りない敬愛を込めて語っていた姿を思い出す。それが村にバスを走らせ、商業作物の出荷で現金が入るようになり、そしてスキー客がやってきた。
角栄の功罪を問い直すことは、現在の日本が抱えている多くの問題について考えることだ、というのはよく言われることだが、おそらく多くの面において真実なのだろう。
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私が小学校低学年の時にロッキード事件がニュースでながれていました。ダミ声で右手をあげるおじさんというイメージしかなく、この本を読むまで新潟の土建屋のオヤジが政治家になって金で総理大臣まで登り詰めたんだろうなという認識でした。貧困の少年時代から裸一貫で上京して血のにじむような努力をしてのしあがっていくストーリーに引き込まれます。今、日本に必要なのは田中角榮のようなリーダーではないでしょうか。