電子書籍
円熟の技
2018/11/17 17:52
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投稿者:サン - この投稿者のレビュー一覧を見る
やー、疲れた!
読者をこれだけ疲労困憊させるとは
さすが。
とにかく、人物がみんな嫌い(笑)
いちいちつっかかるヒロインも好きになれないし。
一歩間違えれば、子供に変に執着する変態女だし。
こんなにイライラしながらミステリ読むの、
久しぶりだった。
それだけ引き込む力がある作品だった。
が、一点、弱かったのが真犯人の描写。
ここだけ、どうしても説得力なかったし、
キャラ作りがなんか使い古された感が。
意外性もなく後味の悪さだけが残った。
あ、これが嫌ミスかー。
紙の本
根底に流れるのは愛
2017/01/20 00:29
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投稿者:夏みかん - この投稿者のレビュー一覧を見る
女性を殺した罪で服役した元刑事。少女監禁犯を拷問して射殺したと訴えられる刑事のエリザベス。そして殺された女性の息子、監禁事件の被害者、エリザベスの両親、同僚・・・
複雑に絡み合った糸が少しずつほどけ、驚愕の事実が明らかになっていく。
元刑事の受けた仕打ちがあまりにもひどく、正直言って読み進めるのが辛かった。また、前半はエリザベスがなぜ殺された女性の息子や監禁被害者にそこまで執着するのかわからず、まどろっこしい感じがしたが、後半になると物語が一気に加速する。
暴力的なシーン、殺人事件など血生臭い話なのだが、読み終えてみると、根底にあるのは愛なのだとわかる。それが歪んでいたり、自分本位だったりはするのだが。
全体的に詰めが甘い気はするが、読ませる作品であることは確かなので星4つ。
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量、質とも読みでのあるミステリ。
ジョン・ハートは全部読んでいないから不確かだけれど、必ずティーンエイジャーに重要な役回りをさせているんじゃないかな。
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五年ぶりの長編だが、ジョン・ハートの作品だという先入観がなかったら飛ばし読みで終わっていたかも。評価は甘め。
刑事が絡んでいるふたつの殺人事件という特異な設定でスタートする。この事件を軸に進んでいくのだが、のろのろの蛇行運転で徐々に暗さが増してくる。登場人物に共感できない点と、破綻していくストーリーに閉口したが、それでも読めてしまうのがこの作者のスゴさなのだろう。既読作品でも同じようなことを感じてたので、これはもう相性ですな。
原題は『贖罪の道』。被害者であり加害者でもある人物たちが背負う罪。そこから逃れられずに、赦しを乞うことも与えることもできずに苦悩する姿が痛々しい。それぞれが隠し続ける真実というスタイルはこの作家ではよくあるが、今回の真実はかなりヘヴィー。そこに思い込みやら独りよがりの心理が絡んでくるから、頑なに口を閉じたまま状況はどんどん悪化する。
終盤は怒涛の展開。そこからラストまで一気に流れるが、中途半端な感は否めない。一番感じたのは、主役の男女の互いに対する想い。この気持ちに沿って行動しているのに、そこの結びつきがイマイチ理解できないのでストーリーに入り込めなかった。真犯人の動機も無理があるし、この結末もいかがなものか。これだけ厚く詰め込んだ物語のラストとしては違和感ありあり。ホントにこれでいいのか? でも、どんなラストだったらしっくりくるのかと自問したら何も思いつかなかったので、これでいいのでしょう。 今は疲労感が半端ないので、今後のリピートについてはそのうち考えよう。
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「川は静かに流れ」「ラスト・チャイルド」を読んで、この作家は好きだ!と胸をときめかせ、「アイアン・ハウス」であれ?となったけど、五年ぶりの新作、気を取り直して読もう!と読んだのだけど。
以前、
「家庭崩壊は豊かな文学の土壌となる」と書いた作家がこれを書いたのか?これ、昔に流行ったサイコものじゃない?今回の家庭崩壊の過程も、筋書きも、私から見ると悪趣味だ。
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犯罪者を射殺した容疑で追及され孤立状態となった女性刑事、そこへ刑期を終えた元同僚が出所、事件の真相が浮かび上がると共に新たな悲劇が彼らを襲う。過去と現在の事象が幾層にも重なり複雑に絡みながら、それらは滞ることなくスリリングに結末まで突き進む。「羊たちの沈黙」を思わせる設定だが、ストーリーの構造はより奥深く登場人物の造型も見事だ。
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ジョンハート最新作。相変わらずの面白さで特に中盤は引き込まれたが、最後はちょっとバタバタして終わった印象。
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いちいち攻撃的な口調の主人公エリザベスを好きになれなかった。しかし物語の面白さと奥深さには脱帽。登場人物の一人ひとりが息づいている。
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読了後に考えたら原題の「贖罪への道」の方がしっくり来るなぁ。「罪」を「購う」ことについてものすごく考えさせられる小説である。
主人公は女性警官、10代女性監禁レイプ犯(黒人)に対し18発もの銃弾を放ち殺したことで、報復リンチの可能性があったとして旧職中。彼女はその事件捜査を意図的にうやむやにしている。
もう一人の主人公は元警官、女性殺人事件の罪により13年の刑に服して出所。殺人を犯したことは冤罪であることが間違いなさそうにもかかわらず、なぜ服役し刑務所内の壮絶なリンチに耐えたのか?出所後も刑務所長一派の監視を受けるのはなぜなのか?
この二人とレイプされた少女、母親を殺した警官に復習を誓う男の子、4人を中心に複雑な人間模様が織りなされる。出てくる人出てくる人、登場人物すべてに何がしか(それも決定的な)の欠点、弱みがあり、その弱み欠点も輻輳して、複雑に絡んで行く。そのもつれヨレが解きほぐされた時に浮かび上がるエゲつなく哀しい巨悪のすさまじさ。
犯人探しだけなら物語中盤くらいで「あぁ、こいつ怪しいな」と分かってしまうのではないだろうか?俺はなんとなくわかったし、その結果に対するどんでん返しはなかった。ただ、物語の中に隠された巨悪が肥大していった背景がすさまじい。
人間ってこんな風になってしまうのか…そして俺も全く例外ではなく、この物語に出てくる「出来ればなりたくないな」と思える登場人物たちの一人に、あっさりなれてしまうだろうことへの恐怖。じゃぁどうしたらいいのかという解決方法が示されない(示せない)ことへの絶望。
ラストがハッピーエンドなのが救い。とはいえ、彼らにとって完全な平穏などもう戻ってこないだろうなと思う。彼らは一生贖罪の重たい枷を背負って生きていく。
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2021.6 欧米小説って監禁、拷問が好きだなぁ。残酷なシーンも多いし、救いようのない奴らばかりでした。とにかく長くて読み疲れました。
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『川は静かに流れ』以来のファンで見つけると読んでいるジョン・ハートの作品。主人公は犯人を射殺し少女チャニングを救出したものの、弾倉の18発をすべて二人の犯人に発砲しており拷問や処刑の疑いを持たれ、犯人が黒人の兄弟だったために連邦警察の捜査対象となって停職中の白人刑事エリザベス。相棒の刑事にも心は許さず、仲間より事件の被害者や遺族に共感し寄り添うタイプ。エリザベスには少女時代の命の恩人で憧れの刑事がいるのですがその刑事エイドリアンは殺人の罪で有罪となり服役中、状況証拠だけでなく物証もあるなかエリザベスだけは無罪を頑なに信じておりそのことでも警察内で孤立しています。読み始めてしばらくぶりだったのもあり、冒頭から複雑な事情を抱えた女性刑事が登場して、もしかしてシリーズものの途中から読んでしまったか?と不安になってしまいました。エイドリアンが殺人犯として収監されていた刑務所から13年ぶりに釈放されたその日に、遺児であるギデオンが母の仇を討とうと父親の拳銃を盗みエイドリアンを襲おうとして逆に大けがを負います。自分の問題だけでも手に負えない問題を抱えながらエリザベスはチャニングとギデオンを守ろうとします。。。と、概要を書こうとしても無理な複雑な設定を、ぐいぐい読ませる筆致の力強さは健在でした。冒頭はいきなりの展開にとまどいながらも中盤までくればいったいどうなるのかと読むのがもどかしい感じに。とはいえ終盤には犯人はこの人かもね、と推測が出来てしまい、推測は出来るものの納得するには至らず、それでも設定や構成はしっかり考えられており流石なのですが、これはもしや海外版の辻村深月さんなのではないか、と思いついてしまって、ちょっと残念な気持ちになりました。もう一作品くらい読んでみて、今後も追いかけたいかどうか決めようと思います。
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評判どおりの壮大な物語。エリザベス刑事の魅力がもう一つだったけど、最後の大団円までハラハラさせる筆力はさすがです。
次作も分厚いですが、挑戦します。3.6