紙の本
助けてやってください
2011/08/29 19:37
15人中、15人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:こぶた - この投稿者のレビュー一覧を見る
東日本大地震の後起きた福島原発事故のため
福島第一原発施設から20キロ圏内の住人に
避難指示が出され
犬猫、牛馬など家畜はほとんど取り残されることになった。
この本は3月30日から個人で現地へ入り
犬猫、家畜のボランティア活動を行うカメラマンが
3ヶ月間撮り続けた動物たちの姿が収められている
この本を見ると
犬猫より家畜のほうがむごい目に遭ったことがよくわかる。
飢えて喉の渇きのため
何者かが柵を放したことで沼にはまりそのまま死んでいる牛たち、用水路にはまって命を落とした牛たち
厩舎の中で立ち上がれず死んでいく牛たち、馬たち
生きのびてご飯を与えられた次の日に殺処分になった豚たち。
命を終える時は人の食を支えるはずが
後手後手に回る対応のために
あまりにも残酷な死を迎えさせることになってしまったことを国も東電もよく考えてほしい
飼い主たちはすぐ戻れると思っていたのに違いない
戻らぬ飼い主を待ちながら
誰もいない自宅で繋がれたまま命を落とした犬たち
腐った魚を食べ死んだ猫たち
野犬と化した犬たちに襲われながら
自宅で一緒に暮らす鶏や牛を守り大きな傷を負った犬
一緒に暮らす鶏に自分のご飯を譲る犬
動物愛護団体がボランティア活動を続けてくれているけれど
一日も早く飼い主さんに合わせてやりたい
できれば一緒に暮らせるように心から願う
なぜ罪のない動物たちがこんなにむごい目に遭うの
他の原発もこういう事態に陥る可能性がある
その時同じような目に動物たちを遭わせることのないように
犬や猫は是非同伴避難できるよう
行政はこの震災を教訓に考えてほしい
今もまだ助けを待っている動物たち
命を落としていった動物たち
ごめんなさい
一日も早くあの現場から
頑張っているあの子たちを救いだしてほしい
電子書籍
泣きそうになる
2023/06/12 15:06
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ウォッカスプライト - この投稿者のレビュー一覧を見る
ほとんど動物達の写真ばかりなのに読み終わるのに何ヶ月も掛かった
紙の本
のこされた動物たち
2011/12/26 21:13
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kanta - この投稿者のレビュー一覧を見る
友人から贈られて、読み、眺めました。
報道では残念なことにほとんど取り上げられていない壮絶な動物たちの状況が、太田さんの写真と文章とから、ひしひしと伝わってきます。ほんの二、三日のつもりで動物たちを置いてきてしまって戻ることもままならなくなった飼い主たち、飼い主が帰ってくることを疑わず忠実に家を守る犬たち、次から次へと餓死・病死している畜舎の牛や豚。
こうした状況を作り出したのがわたしたち日本人にほかならないこと、そして原発事故にもっとも苦しんでいるのが動物をはじめとした弱者であることを、思い知らされました。太田さんの筆致は優しく動物たちをいとおしむ気持が滲み出て、原子力ムラや無関心な大勢の人たちを非難する口ぶりはみじんもないのですが、それだけにいっそう悲しみと絶望と、それでも何とかしなければならないという強い決意とが伝わってきます。
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原発事故という大罪により犠牲になった命たちは計り知れない。
とても重くてつらい内容の本だけれど大勢の人がこれを読んで
彼らの声なき声を受け止めてあげてほしい。
生き残った子はよく頑張った。
亡くなった子はどんなに無念だったろう。
彼らを助け出してくれた方々本当にありがとう。
2011年8月時点でもなお、この状況下でまだ取り残され
救いを待っている動物達がいることを忘れてはならない。
東電も政府も対応が遅すぎた。
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人に飼育されていた馬や牛のその後の姿、
ペットだった猫、犬たちの様子に胸を締め付けられました。
衝撃的な写真もあれば、切ない写真、つらい写真も。
残していかなくてはならなかった飼い主さんたちの気持ちも思うと、
本当に言葉になりません。
起きてしまったことは仕方がないけれど、
できるだけ早いレスキューと、
今後、二度と同じことを起こさないようにするのが、
飼い主を待ち続けて息絶えていった彼らに対して、
人間が最低限なすべきことかと。
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私の高校時代を過ごした南相馬市の動物たちが写っていると聞いて読んだ本。
もしも、震災をどこか他人事だと感じている人も、ページをめくって欲しい。映画じゃなくて、残酷な、目を覆いたくなるような原発事故の現実が、写真に収められている。
知り合いの22歳の女のこは、戦争映画やこういう生々しい映像は苦手だと言う。見たくない、と。
強要は出来ないし、見るのも見ないのも、個人の自由。
それでも、自分のことだけじゃなく、自分の周りの世界にも目を向けて欲しい。たとえ自分に直接関係がなくても。
自分がよければいい、そういうエゴの時代に起きた震災を、目を背けずに自分や周りのことを考えるキッカケにして欲しい。
他人事、そう思っていると、次は自分も経験する。人生は帳尻がつくように出来ている。
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本屋でたまたま目に入り立ち読み。
あまりの悲惨さに目を背けたくなるものの、目を離してはいけない見つめなきゃと1ページ1ページめくっていたら、涙が止まらず。
ちくしょーちくしょー。
なんで、自分たちはこうも無力過ぎるのか。
ずっとずっと飼い主を待って待って待ち続けて家を守る動物たちに、一日も早く飼い主と一緒に過ごせる日がきてほしい。
そんなことしか思えない自分が情けない。
とにかく、老若男女問わず目にしなきゃいけない大事な意味のある本だと思う。
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のこされた動物の様子をみて、
この動物たちの飼い主の気持ちを考えたら涙でた。
まだ、ペットは保護も可能だけど、
牛や馬の目を背けたくなる死の姿。
震災の影響は、想像できなかったところまで及んでいて、あまりにも大きすぎる。
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胸が締め付けられる…ペットや家畜と括られる、ヒトではない命が、ヒトの都合で消えていく…訳も分からず途切れる命と、その現実を諦めざる得ない飼い主の悔しさを思うと、ほんとうに「チクショー、ゴメンナサイ」としか言えない。あたかも事故が収束したかのように、大手メディアはもう何も伝えなくなってきている今だからこそ、もう一度考えなければならない…使いこなせず、管理もできず、消し去ることも出来ない…そんなエネルギーをまだ必要だと言うのか?
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「予測できなかった」
なんて
誰がこの子たちに言えるんだろう
ごめんね
私の生きてきた場所で
ずっとずっと苦しんでた皆のこと
知ってすらいなかったよ
ごめんね
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事故以来、避難区域になっている福島第一原発の20キロ圏内は人間こそいないものの、動物たちが生きている。ペットや家畜として人間とともに生きていた動物たちが残されている。飼っていた人、育てていた人は、一時のつもりで置いていったり、避難所へ連れて行けなかったりしたために残していったのかもしれないが、結果としてその後、家には満足に帰ることもできず、動物たちは過酷ななかで生き、そして命を落としていった動物たちも少なくない。収載されている写真は、身につまされるし、胸が痛くなる。目をそむけたくなるような惨状の写真もある。人が住んでいた痕跡があるからこそ、なおさら悲惨に映る。
鎖につながれたり、食べられるために生きることは決して幸せではないけれど、そうして生きていた動物たちにとって人間がいない、つまり世話をしてくれない状況では生きていけない。いくら動物とはいえ、自然に順応するにはそれなりの時間がいる。また、人がいなくなったこの地域でのびのび生きているかもしれないけれど薬殺に遭ったり、何より放射線被曝で苦しみながら生きていかなければならないのかもしれない。
いざとなったとき人間と動物とどちらを助けるか――そう問われれば人間のほうを助けると答えるだろうし、実際にもそう振る舞ってしまうだろうけど、人間か否かというだけどあまりにも痛みなく命を扱ってしまってはいないだろうか。人を信じて、身を委ねて生きていた動物たちに、あまりにも酷な生き方を強いていることにも思いを向けなければ。
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泣きながら本のページをめくりました。
原発事故のせいで、その場に残された動物たち。
そして、自分たちの飼い主が帰ってくるのを待ち続ける犬や猫。
すでに命を落としてしまった動物たちもたくさんいます。
原発事故さえなければ、あんな姿で命を落とすことはなかっただろうし、美しい福島の土の上を元気に走ったりしていたことでしょう。
人間はなんとか避難できていますが、でも動物たちは残して行かざるをえない状況にあります。
そして、そんな動物たちのことを思い、ボランティアで保護活動している方がおられ、中には、毎週東京から福島に来て、保護活動をしている人もおられるとか。そして、その方はそのためにお金を使いすぎ、週末はアルバイトをしてお金を貯めていると。
民間人がそこまでしているのです。
この原発事故を引き起こした人たちは、一体何をしているのか、とそんな思いもでてきました。
出来ることは限られていても、出来ることを少しずつ行動にうつしたいという著者の太田さん。私に出来ることは何だろうかと考えさせられました。
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苦しみも、悲しみも忘れてはいけないと思う人の為に.
この本は読者を泣かせる気まんまんです.
立ち読みや、電車、喫茶店、図書館で読むのは危険です.
犬猫といったペットよりも
牛豚といった家畜が悲惨でした.
餌を与えた豚は翌日に殺処分される
牛たちは飢え死に、牛舎から放たれた牛は水を求めて用水路に落ちそのまま上がれず水の中で死んでいく.
p [63] の足を2本切断してしまっている犬のエピソードは希望が持てました.
こんな状況の中で、4匹の犬を率いて猪や野犬から家を守り続けてる.
この話は希望の涙
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胸が詰まる写真。残された動物の気持ち、置いていかざるを得なかった飼い主の気持ちを考えるとき、ここに至たる状況を作り出した人間を責めても、飼い主を責めることなんてできはしない。太田氏の厳しくも優しい視線の文章に少し癒される気がした。語り継ぎたい本である。
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読みたい読みたくないはフィクション。
読まなきゃいけないがノンフィクション。
だから読んで欲しい、一冊です。
私たちは生きて生きて、一緒に生きなくちゃいけないね。