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紙の本
DVの問題をエンターテイメントの領域に引き出して、世間に認知させた作品
2005/04/03 01:02
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投稿者:まさぴゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
いつも楽しくSPAの連載を読んでいます。タイトルは「だめんず(ダメ+MEN=男)に何度もハマる女性(作者本人も含めて(笑))」という意味ですね。この作品は、なんといってもDV(=ドメスティックバイオレンス)の問題を世間に強く認知させたことが、凄いですよね。それもエンターテイメントとして、というのがすごい。それに著者の自伝的な側面も強く、身体を張った作品ですよね。
『ゴーマニズム宣言』もそうだけど、SPAの編集陣は、個人のキャラを前面に打ち出して、現実を解釈させる漫画的技法にとても意識的ですね。それほど成功していないが、今の坂本未明の連載も同手法です。
それにしても火に群がる蛾のように、どんなに相談しても努力しても、ダメな男(暴力を振るったり、金を使い込まれたり)に群がる女性というのは少なからずいます(もちろん男性もしかり)。僕自身は、その気がないので、知り合いにも自分の人生にもそういうものが全然関わりはないのだが、関りがある子は、ほんとに連続して出会うみたい(苦笑)。個人的には見たことがない故に異常なものに思えていたが、それをこれだけのボリュームを連続で見せられると、少しホッともします。だって、結構こんな日常も普通にあるんだって思うんですよね。
岡田斗司夫さん『恋愛自由市場主義宣言!』や岩月謙司さん『娘は男親のどこを見ているか』一条ゆかりさん『実戦恋愛倶楽部』なんかを連続で読むと、結局、女性に留まらず自立の話なんだな、と思う今日この頃です。1巻ぐらいでは、まだまだだめんずの薫り高い著者が、離婚し、経済的に自立して、マンガや企画で自分自身のシゴトが世に認められてくると、明らかに人間として自立して行くのがわかる。その過程を描いているのも興味深い。自立は、経済力とシゴトが世に認められる自信から来るという良いケース。けっきょく孤独に耐え、自立し、成熟するという成長のステップを踏まないと、基本的に依存関係やコミュニケーション能力の幼稚化をもたらします。ただ、どうすれば、自立できるのか?というのは、困難すぎて眩暈がする問いだけど。
個人的には、P124のナンパ師藤田さんとの対談のところが、男としてはグッときた。「俺たちのような薄っぺらな人間は、生き残れないからごまかすしかないの。」「くらたまさんのいう話は、上の階級の話なんです」。これはマンガ『ルサンチマン』を思い出した。現実世界で圧倒的な敗者となった男性は、逃げ道がない。Hゲームとかのアンリアルに逃げる(=ニート!!)ことを、誰が糾弾できるのか、という主張は実は重要な疑問だ。ハイレベルなコミュニケーションができる「上流階級」の視点から見ると、だめんずって馬鹿に見えるかもしれないが、逆に上流階級こそが一握りの成功者なのかもしれない。一握りの成功者の視点で、社会は語れないからだ。
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