電子書籍
この世界観と歴史は興味深いです
2021/01/22 21:07
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:美恵子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
アイルランドの風土と歴史を知る素晴らしい小説です。
ケルトの気風と古いキリスト教社会の中に生きるフェデルマ。静かだけど芯の強さを感じます。
今ではもう歴史的な遺跡として知られるタラの修道院が出てきたり、今のアイルランドを知りたくなります。
上質なファンタジーとミステリーが楽しめる贅沢な一冊でした。
投稿元:
レビューを見る
通勤帰りに読む本がなくなり何となく購入。面白かったです。
この間「大聖堂」を読んだのでその頃と少し世界観が似ているのかしら、と思って買ったのもあるのですが中世の時代背景や制度が細かく書かれてて勉強になりました。
長編もあるそうなので是非 今度読んでみたいな〜と思いましたよ。
投稿元:
レビューを見る
修道女フィデルマのシリーズ。
中世が舞台のミステリ、短編集です。
まだ若く美しい女性フィデルマ、じつは修道女であるだけでなく、高位の資格を持つ弁護士。
アイルランドの7世紀という古い時代に、実際にも女性がかなり活躍していたというのは頼もしい。
とはいえ、最初は若い女と見て侮られます。現代同様?
動じることなく、真実を求めて突き進む姿勢がさわやか。
次第にその名が鳴り響いていくのですね。
「聖餐式の毒杯」はローマを訪れた若きフィデルマが礼拝堂に。同席の若者が死んだために謎を解く。
幼なじみの女性の救援に駆けつける話。
偶然立ち寄った雪の宿での、幽霊騒動に巻き込まれる話。
アイルランドの大王(ハイキング)継承にまつわる事件に挑む話。
代々の王が眠る墓地の、封印されたはずの廟所で発見された死体を巡る事件とバラエティに富んでいます。
ミステリとして変化があって面白く、歴史物としても興趣深く読める、しっかりした短編集です。
このシリーズは翻訳もいいし、表紙絵も魅力的ですね☆
投稿元:
レビューを見る
七世紀、アイルランドの修道女、謎解き。これは絶対おもしろい!と意気込んで買ったが、ものの見事にハズレである。一ページ目からもう、つまらない気配が漂ってきた。別々に発表されたものをまとめた短編集であるらしく、説明が何度も何度も重複する。それはまあ仕方ないことではあるが、文章の流れがどうしようもなく悪い。人物は精彩を欠くし、トリックは小ネタ。どうにもならない。あたらおもしろいテーマがこんなことに…。期待したぶん、腹が立つ。
ところでこの修道女、ドーリィという資格を持っている。法廷弁護士のことだそうだ。彼女は事件現場を仕切る権限を持ち、関係者たちから事情を聴取し、すばやく真相を探り当てて事件を解決する。…が、その仕事、「法廷弁護士」でいいのか。
しかしいろいろありつつも、お気に入りの本よりはるかに大事に扱っている。古本屋に持っていくのだから。
投稿元:
レビューを見る
古代アイルランドの王国の王女にして、上級裁判官兼弁護士「キルデアのフィデルマ」の名推理を描く短編集。古代アイルランドの風俗を背景としながら、発生する驚愕事件をフィデルマが見事に解決していくのが楽しい。
主役のフィデルマは、上から目線の知的な美人という人物設定で(笑)、最初は少しとっつきにくかったのであるが、わっさわっさと奇妙な事件を速攻解決していくので、逆に頼もしさを感じました。(笑)物語の進展も、奇妙な謎の提示→論理立てた回答という流れで、特に奇をてらった解決でもないのであっさり感もあるのだが、短編集ということでこれはこれで良いと思いました。
自分として良かったのは、旅路の旅館で遭遇する幽霊話の「旅籠の幽霊」と、封印されているはずの大王古墳の中から声が聞こえ・・・の「大王廟の悲鳴」のエピソードで、どちらも謎の不思議性と明快な推理が魅力的だ。
テレビドラマ向けのミステリーのようにも思える。ドラマ化して日本放送してくれないかな。
投稿元:
レビューを見る
たなぞうで知った本。中世アイルランドが舞台であり、探偵役が修道女であるという点は異色だが、謎解きやトリックは正統派のミステリ。端正な雰囲気がある。キリスト教が支配的になりつつも古い信仰の影響も色濃く残る時代、ともすれば迷信に捕らわれがちななかで、理性的に事件を解決していくフィデルマが爽快。作者ピーター・トレメインは歴史学者でもある。この時代の法律「ブレホン法」や、フィデルマがその資格を持つ「ドーリィー(法廷弁護士)」など、アイルランド中世史を垣間見ることもできて楽しい。このシリーズは他に3編の長編が既訳。短編・長編合わせて未訳のものが十数編あるようだ。結構、固定ファンがつきそうなシリーズだと思う。機会があれば長編も読んでみよう。*何だか一時期、たなぞうでしょっちゅう見かけたような気がしていたけれど、登録されている感想は4人分。・・・あり・・・? もっと見かけた気がするのに・・・?*本の内容に文句はないが、この邦題はいまいちかなぁ。何だか取って付けたようで。『修道女フィデルマ短編集』で十分だと思うのだが。
投稿元:
レビューを見る
最初、時代観をつかむのに時間がかかりもたもたしたが、いったん話に入り込めれば、結構おもしろかった。親友さえも疑う冷静な心と素晴らしい知能でばしばしと事件を解決していく様は爽快。
投稿元:
レビューを見る
気になってた本。本日購入♪(8/14)
7世紀のアイルランドを舞台に、先王の王女で、法廷弁護士(ドーリィー)で、
しかも、状況によっては判決を下すことも出来る上位弁護士(アンルー)の資格をもつ、美貌の尼僧フィデルマ。
むむむ、解説が長くなってしまう。
しかし、このステキな解説のせいで手にしてしまったのだが・・・。
先に、長編2作品が発刊されていたことは知らず、5編の短編からなるこの作品から読み始めた。
入門編にちょうどいい感じ。
古代アイルランド、という特殊な舞台設定なため、巻末の解説なしでは理解がむつかしい。
というか、解説が結構おもしろかった。
時代を超えても、人間のエゴや虚栄心は変わらない。
事件に直面したフィデルマが、ひとりひとり丁寧に聞き取り、現場を見て、答えを導き出す。
そのまま現代に置き換えても、なんら違和感の無い探偵物。
どんな時代でも、人の心が一番怖いのだな、と・・・。
(10/12)
投稿元:
レビューを見る
アーサー王だの、ローランの歌だの、中世以前のヨーロッパの物語の雰囲気は独特。またケルト人がらみや、修道院ものの話も同じような「匂い」を感じる。嫌いではないが、本なのに異邦人のような居心地の悪さをいつも感じる。
雰囲気を味わうとか、歴史ものとして読むには楽しい本だが、ミステリとしての評価が加わると、どちらかというと特に面白いということもない。
長編だとおもしろいのかも・・・
投稿元:
レビューを見る
科学鑑定のない歴史ミステリは、探偵の論理が命。明敏で時に冷徹なフィデルマは、宗教界に身を置きながらも論理的な推理で真相を追求するのだけど、厳格な法律家に徹しすぎてエイダルフがいないところでは人間的な可愛げがないんだなあ。…あっ、これがツンデレっちゅーやつか。
投稿元:
レビューを見る
中世好きな友達が薦めてくれた1冊。法廷弁護士であり王族でもある美貌の修道女フィデルマが、関わった事件を凛と解決していく短編集。小気味良い。中世好きも特にそうでなくても、絶対楽しめると思います。
投稿元:
レビューを見る
舞台は7世紀のアイルランド。
探偵は、王家の血を引く才色兼備の尼僧にして、高位の法律家でもあるフィデルマ。
という、なんともマニアックな設定のシリーズ短編集です。
こういうマニアックさは好きですがw
歴史物なので時代背景の説明に一定の文章量がいるし、フィデルマがクールなキャラなので、短編では人物の内面まで掘り下げられず、どの作品も淡々とした雰囲気にならざるを得ないわけで。
そういうわけでこのシリーズ、長編の方が面白いらしい。
長編読みたい! が、図書館に何故か短編しかないんだ><
古代のアイルランドって、共学だったし、女性も男性同様社会進出してたんだってー。王様や族長にも女性がいっぱいいたらしいし。すごいねー。
投稿元:
レビューを見る
王女で弁護士で裁判官で修道女でしかも美人、というハイスペック極まる女探偵が活躍する中世ミステリ。
ハイスペック設定だけ見ると、富豪刑事(筒井康隆)を思い出しました( ^ω^ )
財産を湯水のように使って犯人逮捕の罠を張る神戸大介も良かったですが(笑)、今作のように教会の権威や王族を前に堂々と渡り合うタイプの探偵も良いですよね〜( ^ω^ )私はこれこれこうする権限を持ってるのよ!と事件現場に颯爽と登場する修道女の姿は読んでいて小気味良いです\(^o^)/
ただ、謎解きに関しては論理性にやや欠けているような印象を受けました。牽強付会とまでは言いませんが、根拠が薄弱だったり発想の飛躍が目についたり…。そこを強引に思わせず軽やかにねじ伏せながら推理を披露するフィデルマの手腕、これに尽きるような気がします。
提示される謎自体は非常に魅力的で読み応えがあるので、「読者が犯人当てを楽しんだり探偵の推理展開を楽しむ」と言うより、このフワフワしたミステリアスな世界観を楽しむ方が正解な作品です。多分←
◎聖餐式の毒杯…教会で聖体拝領の儀式が執り行われる中、最初に聖杯のワインに口をつけた青年が急死した。偶然その場に居合わせた美貌の修道女・フィデルマが解決に乗り出すが…。
◎ホロフェルネスの幕舎…夫と子供を殺した容疑で拘束された親友を救う為、捜査に奔走するフィデルマ。殺害動機や目撃証言など、状況証拠が圧倒的に不利な状況下、彼女は親友を救うことができるのか?
◎旅籠の幽霊…吹雪を避ける為、助けを求めた旅籠の主人夫婦は、奇妙な現象に悩まされていた。果たして幽霊の正体とは?
◎大王の剣…王位継承の正当な証として不可欠な剣が、即位式の前日に何者かに盗まれてしまう。
◎大王廟の悲鳴…悪名高い暴君が眠る墓から響いた断末魔の悲鳴。掘り起こした廟からは、つい先ほど絶命したばかりの男の死体が発見される。
投稿元:
レビューを見る
7世紀アイルランドの修道女兼弁護士のミステリ。
正当防衛とはいえ、旅籠の幽霊にはびっくり…。
この時代の弁護士や教会の制度は馴染みがないので、なかなか興味深かったです。
投稿元:
レビューを見る
タイトルにひかれて、初めて手にした作品でしたが、とても楽しめました。海外の作品は、翻訳との相性もあると思うのですが、この作品の場合、とてもヒロインの雰囲気にあった文章で、読みやすく思いました。
フィデルマ修道女は、肩書きも実績もある美人だけど、いわゆる頭でっかちのようにも思われ、自身の情緒面には不器用な可愛い女性なのかもしれないな、という印象を受けました。他の短編集ももちろん、長編もぜひ読んでみたいです。