商品説明
パキスタンの長距離バスは、凄まじかった。道の真ん中を猛スピードで突っ走り、対向車と肝試しのチキン・レースを展開する。そんなクレイジー・エクスプレスで、〈私〉はシルクロードを一路西へと向かった。カブールではヒッピー宿の客引きをしたり、テヘランではなつかしい人との再会を果たしたり。前へ前へと進むことに、〈私〉は快感のようなものを覚えはじめていた――。
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
小分け商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この商品の他ラインナップ
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
電子書籍
シルクロード
2019/09/29 20:20
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
早く続きを読みたい気持ちと、旅が終わりに近づいていくのが寂しくなる気持ちと。ヒッピー宿で客引きをする話が印象的。
電子書籍
著者の深い精神性が読める痛快な書だった
2016/11/12 21:37
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:大阪の北国ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
インド/デリーを出発し、パキスタン、アフガニスタンを経てイランに至る。この地域は文化や風俗の集積度から考えて、現代の南西シルクロードとも言えるアジアハイウエイ1号線の山場の一つである。著者が乗合いバスを使うことで、現地の市井の人々の暮らしぶりを教えてくれる。本巻でも3巻までと同じく、学術論文やごく普通の紀行文では読めない生の生活の一端を紹介してくれるのが大変面白い。
著者の考え方に特に共鳴した点-名言だと思う-を2点挙げておく。
○周囲に坐っているアフガン人の好奇の眼がうるさく、ときおり示される親切がわずらわしかった。私たちのような その日ぐらしの旅人には、いつの間にか名所旧跡などどうでもよくなっている。旅にとって大事なのは、その土地で出会う人なのだ。ヒッピーとは、人から親切を貰って生きていく物乞いなのかもしれない。少なくとも、人の親切そのものが旅の全目的にまでなってしまう。それが人から示される親切を面倒に感じてしまうとすれば、かなりの重症といえるのかもしれなかった(P.82-83から抄録)。【筆者感想:単なる自分勝手だと思う】
○私自身、旅の最中に、いったい何百、何千の物乞いに声を掛けられ手を差し伸べられたことだろう。だが、私はそのたったひとりにすら金を恵んでやることがなかった。ひとりの物乞いに僅かの小銭を与えたからといって何になるだろう。しかも、人間が人間に何かを恵むなどという傲慢な行為は、とうてい許されるはずのないものだ。そのような思いが私に物乞いを拒絶させた。しかし、それは単に「あげない」ための理由づけにすぎないような気がしてきた。自分が吝嗇であることを認めたくないための、屁理屈だったのではないだろうか。そうだ、俺はただのケチであるにすぎなかったのだ。そこまで考えが及ぶと不思議に気持ちが軽やかになってきた(P.104から抄録)。【筆者感想:精神的にも無限に与えることができれば、それは神の子の領域に近づけるのかも知れない。憧れます】
以上だが、前にも書いた如く著者の深い精神性が読める痛快な書だった。
紙の本
深夜特急4
2002/06/22 01:00
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:AKIZAWA - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネタバレしてしまっては、作者とこれからの読者に失礼だと思いますので、慎重に書きます。
深夜特急4では、シルクロードの旅が語られています。
インドの苛烈さを彷徨っているうちに作者には、ある種の諦観のようなものができていました。
また、長く旅を続けていると、物事をさらに離れた視点から見れるようになるけれども、そのために判断が難しくなることもあるようでした。
いままで物乞いを避けようとしていた作者は、痩せ細った青年が手のひらにのせた僅かな全財産を、物乞いと嬉しそうに分かち合うのを観て、強い衝撃を受けます。
作者は、その青年の生きる姿に「自由」を見い出しました。
また、旅にとって大事なことは、名所や旧跡を見ることではなく、他に目的があることにも気がつきました。