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現役の外科医である主人公が結婚10年目にして発覚した妊娠。
うれしさと喜びの絶頂にあるとき、ふと気づく乳がんの再発。
自分の治療をするか。
治療をせずに出産をとるか。
たったひとりで強がりながら生きていく主人公。
読んでいてせつなくなった。
後半は優しく穏やかであたたかな展開に何度か泣いた。
すごく素敵な物語。
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子どもを産みたいという強い思いから、夫にもがんの再発を告げず、あろうことか夫を遠ざけてさえして一人孤独な戦いを続ける滴。
どうして夫に告げなかったのか。
私だったら、再発を告げ、それでも出産したい気持ちを必死に訴えると思う。
でもちゃんと読み進めていくと、この滴の選択に感動を覚えてしまう。
それほどに、壮絶且つ愛情あふれる作品だった。
がんによる死が待ち受けているのにもかかわらず、なぜか物語は穏やかに、そして温かに展開する。
それがより一層読者の気持ちを切なくさせる。
そして強く生きる滴の姿から時より垣間見える脆さに胸が締め付けられる。
乳がんの再発にも涙を流さなかった滴が、夫の顔を眺めているうちに「視界が滲み始める」という場面が印象に残った。
愛すること、そして命の有限性がしっかりと書かれていたので、女性として、妻として、母として、ヒトとしてどう生きるべきなのか考えさせられた。
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内容(「BOOK」データベースより)
外科医・百田滴は、結婚十年目に妊娠した。喜びも束の間、彼女はがんの再発を知る。その事実を胸に秘め、売れないカメラマンを続ける夫に苛立ちをぶつけた。深夜に心の深淵を覗き込んでは身を強ばらせた。だが、滴は独りで生きてきたわけではなかった。暖かな愛情が、震える魂をそっと包んでくれた。ひとりの女性の愛と覚悟を描き、生きることの意味をあなたに問いかける、傑作長篇。
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妊娠とほぼ同時期に、癌の再発が見つかったら、自分ならどうするか。
同じ女として、そして同じ医療者として、
この物語は決して他人事ではないんだなぁと強く思いました。
とりあえず、2年連続で子宮ガン検診をパスしていることを猛省…
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外科医 百田滴は、結婚十年目に妊娠。
その喜びも束の間、彼女はがんの再発を知る。
そして彼女は新しい命のために、信頼する同僚にも、そして夫にさえもがんの再発を打ち明けず独りで出産する道を選ぶ。
客観的に見ると、
なんで独りですべてを抱え込むの
なんで医者でありながら最新医療のことを知らないの
なんで、なんで、
と悲しく苦しくなる。
でも 母って子供の為にはここまで盲目になってしまうものかも知れない。
2009年7月22日、トカラ列島一帯で皆既日蝕が見られる日 その数日後にこの本を読みました。
滴と良介、俊太はしっかりと心に日蝕を焼き付けたのでしょうね。
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映画の評価もよさそうだったので、ブックオフで100円でゲッツ。
ぱーっと読める内容でした。
乳がんの再発に気付くのがもっと遅いかと思ったけど、意外に早い段階で本人は知ってしまうのには少しびっくり。
しかも最後の方まで誰にも知られず1人で葛藤するっていうのは見ていてつらいというか、1人よがりな感じはしてしまう。
私が滴の立場だったらどうするだろうな。
同じ選択はしていたと思う。
まぁもともと生きることに固執しているわけじゃないから、余計に。
奄美の月食のことも書いてあって、酒井法子の事件と少しかぶる感じがおもしろかったかな。
旦那さんは困ったやつだな・・って思うけど、1人で産むって決めたあとの彼女の態度は仕方ないとはいえそれはそれでひどくて、
なんというか自業自得的な気もしてしまいました。
描写がえぐい所もあって、少し「うっ」って思う部分はあったかなぁ。
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外科医・百田滴は、結婚十年目に妊娠した。喜びも束の間、彼女はがんの再発を知る。その事実を胸に秘め、売れないカメラマンを続ける夫に苛立ちをぶつけた。深夜に心の深淵を覗き込んでは身を強ばらせた。だが、滴は独りで生きてきたわけではなかった。暖かな愛情が、震える魂をそっと包んでくれた。ひとりの女性の愛と覚悟を描き、生きることの意味をあなたに問いかける、傑作長篇。
うーん
考えさせられます。
自分も子供を持って初めて感じる気持ちです。
自分なら・・・・・
どうする????
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しずくは総合病院の外科医として毎日忙しく、やりがいを感じて働いている。
夫の良介は医大の同級生だが、卒業後、医者にならず売れないカメラマンである。
結婚して10年。忙しくても仕事にやりがいを感じ、
家のことを夫に任せてそれでいて夫を愛し、バランスのとれた生活をしていたしずく。
ある日しずくは自分が思いかけず妊娠していることを知る。
そして、妊娠に喜ぶ一方で、乳癌の再発を知る。
外科医として患者に余命を宣告する立場にあり、患者を看取らなければならない立場にあり、それでいて自分の余命に向き合う必要があった。
やまいから逃げるようにして仕事にうちこむしずく。
再発を知らされず、新しい命をただただ楽しみにする良介。
二人の間に秘密が生まれ、やがて溝が生まれる。
すっかりしずくに感情移入して、涙が出てしまいました。
しずくが夫を愛しているという描写もとても素敵だし、
しずくの故郷である奄美の描写もとてもみずみずしく、
風景が手に取るように表されていて、好きなところです。
悲しいストーリーではありますが、命について深く考えさせられます。
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松雪泰子さんの主演で映画化され・・・姉から借りて読みました
結婚十年目にやっと妊娠
しかし、同時に乳癌が再発
自分も医者なのに なぜ 夫にも再発の事実を告げずに何の治療もしないまま子供を産もうとしたのか
自分が死んでも この世に赤ちゃんを残したい
その気も分からないでもないけど
医学の知識もありながら10年以上も同じ時を過ごしたのに全く相談されず残される夫の事も 自分を産むことで命を失った と将来自分を責めるかもしれない 子供の事
考えたのかなぁ
母子家庭に対する支援って結構あるけど 父子家庭に対する支援って薄い・・・って言うか殆ど無いよね
ただ赤ちゃんだけ産んで残されても・・・育てて行くって並大抵じゃないよ
お母さんならお腹の中で十月十日 少しずつ母になる準備が出来るけど お父さんは ある日突然 生まれました 今日からお父さんです って・・・
お母さんと二人でもなかなかお父さんになりきれず虐待とか 色々あったりするのに
旦那さんだって同じ医学部に通った経歴のある人ならなおさら
相談するべきだったんじゃないのかなぁって・・・
まあ、旦那さんも 生まれた子供も 強くまっすぐ聡明に生きていったみたいだから(そういう人たちと見越しての行動だった?)
親しき仲にも礼儀あり
もっと良く相談しようよって思っちゃいました
せっかく縁あって家族になったんだからさぁ
失う命もつらいけど
残される命も つらいんだよ(;_;)
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ようやく子どもを授かり、幸せの絶頂のはずだったのに同時に乳癌の発症を発見してしまう外科医の女性の話。
自分の命を削り、誰にも乳癌のことを話さないで子どもを産む彼女の姿に涙が止まりませんでした。
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まさに母は強し。
でも、夫に対してあまりに頑なでは?
一度乳がんになったのに自分の体に無頓着すぎるのも…。
奄美の自然描写と家族の交流は、物語の清涼剤でした。
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立ち読みで読了(あまりしたくはないのだけど)。主人公の心の動きの描写が比較的丁寧で、そこだけ追っていったらエンディングまで行ってしまった、という感じ。最終盤の進行がリアリティに欠けるのではという指摘があるようだけど、設定上それはしょうがないのかも、と感じた。
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主人公の頑固さがことを悪化させ、他の登場人物も読者もイライラさせる成り行き。でも、頑固さもここまで貫けば美学。人生の決断の潔さすら感じ、好感が持てる。
ラストもいい終わり方だった。女性なら誰しも、他人事でない感じ方をすると思う。延命しながらの過ごし方も、その後の父子の決断も良かった。
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若年性乳がんにより右乳房全摘出。
その後、医師となり、がむしゃらに働き、結婚10年目にして妊娠がわかる。少し遅れて前回と同じ部分へのがんの再発が発覚する。
自分の命よりも子供を産みたい。
女性は強いと思う。
でも、主人公の滴の強さには共感できないところも多い。
医師なので自分の病状を理解しているとはいえ、再発を隠して誰にも明かさない。周りにも頼らず、とても仲が良かった旦那さえも遠ざけてしまう。辛い選択ばかりしてしまっている。
人に頼らない強さ・・・痛々しいです。
そんな滴の出産、その後、、、心の変化にじーんときました。
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待望の赤ちゃん。
そして、乳がんの再発。
何を選び、何を選ばないか。
命の限りが分かっているならばどう生きるか?
いのちの輝きのお話。