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電子書籍
嫌われ松子の一生(下)
著者 山田宗樹
中学教師だった松子は、ある事件で馘首され故郷から失踪してしまう。そこから彼女の転落し続ける人生が始まっていた。一方、松子の生涯を辿っていた笙は、殺人歴を持つ男やかつての友...
嫌われ松子の一生(下)
嫌われ松子の一生 下 (幻冬舎文庫)
商品説明
中学教師だった松子は、ある事件で馘首され故郷から失踪してしまう。そこから彼女の転落し続ける人生が始まっていた。一方、松子の生涯を辿っていた笙は、殺人歴を持つ男やかつての友人との出会いを経て、松子が小さな幸せを求め格闘した生身の女性だと気づいていく。運命の波に翻弄され続けた女性の人生の軌跡を描く愛と感動のミステリ巨編!
著者紹介
山田宗樹
- 略歴
- 1965年愛知県生まれ。「直線の死角」で第18回横溝正史ミステリ大賞、「百年法」で第66回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞。ほかの著書に「嫌われ松子の一生」など。
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紙の本
山田宗樹氏の傑作巨編のいよいろクライマックスへ!
2016/08/24 09:14
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
上巻から続く松子の生涯を通じたあぶりだされる人生の光と影がこの下巻にクライマックスを迎えます。主人公の川尻笙は叔母・松子の生涯を調べ、そこには凄まじいい人生模様がありました。中学校教師であった松子は、ある事件によって故郷から失踪してしまいます。そこから彼女の転落し続ける人生が始まりました。殺人歴をもつ男やかっての友人との出会いを通じて、川尻笙は、松子が小さな幸せを求めて日々人生において格闘してきたことを知ります。運命の波に翻弄され続けた女性の人生は一体、どのようなものだったのでしょうか。
紙の本
こんな阿呆に生まれついた人間はどうすれば良いのだろうか
2005/10/08 19:47
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:hisao - この投稿者のレビュー一覧を見る
“思い切り泣けます”と言うキャッチコピーにつられて読みました。
ある識者が“誰もが涙と感動に飢えている時代”“誰もがいらつき不安を抱えた時代だからこそ、そこに欠けているものをあられもないほどに求める”と書いておられましたが、成る程その通り、本屋の姉さんにその魂胆を見られるのが恥ずかしくオンライン書店・bk1で買いました。
松子、学業成績優秀、中学教師。生徒の窃盗事件の処理を誤り学校を追われ転落が始まる。
どだい学校出たばかりの人生経験少ない“先生”が“非行少年”を教育出来る筈がない。
職を追われ、密かに心寄せる同僚に去られた恨みを家族に向ける。病床の妹の首を絞め、母を突き飛ばし家を出る。
求めた新しい職場はソープランド。
不真面目な女ではない、不器用でもない。ソープランドでは努力努力でまたたく間にNo1、後で就く事になる美容師の職でも腕は確かである。
しかし 細木数子“先生”に話したら“大馬鹿者”と一括されるに違いない極め付きの馬鹿である。
状況への身の処し方が全く解らない“うつけ”である。
普通 小説のヒロインともなれば同情をかうものであるが、これはちょっと違う。
あまりの阿呆さ加減に不愉快になる。こんな人が自分の事を“先生”と言う世の中が恐ろしくなる。
しかし読み進むうち“自分も含め一体こんな阿呆に生まれついた人間はどうすれば良いのだろうか”と暗然となる。
彼女、別に悪人ではない。社会や運命が特別彼女に過酷であった訳でもない。
殴られても蹴られても異性に尽くす事を糧に生きる直向きさは“人類の鑑”である。
一生懸命愛して生きて働いて、でも“生き下手”故に傷ついて傷つけて。
最後は理由もなくゴミのように殺されていかざるを得なかった松子。
こんな阿呆の人生どこでも有るじゃないか。この弱肉強食の社会が守ってくれる訳がない。
先日死刑判決の下った小倉監禁殺人事件の緒方被告の事が頭をよぎる。
私にはどうして良いか解らない。知らないふりするのが“上手な生き方”と言うものだろうかね。
読者は皆思った事だろう。甥っ子“笙”の赤川次郎ばりの優しくて軽妙な語り口だけが救いだと。