紙の本
シェアを考えるその1-脱所有
2012/05/23 11:51
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投稿者:ソネアキラ - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本には、確かにシェアによる新ビジネス事例がふんだんに取り上げられている。それも参考になるけど、インターネットとPC、つまりITによる所有・私有から共有へのパラダイムシフトつーか、そのエッセンス、そちらにも共感を覚えた。
以下引用と感想。
「モノの所有-実際の物理的なものの所有-はそれほど重要でなくなってきている。モノは単なる手段になりつつある」
さあて、このあたりは意見が分かれるだろう。コレクターや捨てられないひとでない限りは、概ね首肯するだろう。
「「搾取し、製造し、廃棄する」サイクルを止める」
かつて政府広報だったと思うが「捨てればゴミ、使えば(活かせば?)資源」というキャッチコピーがあったが、そういうことか。大量生産、大量消費、大量廃棄、このサイクルを実際、ストップさせるのはコンなんだろうけど。
「コラボ的ライフスタイルでは、そうした居場所をとおして、人々がコラボレーションし、新しい社会的つながりをつくり、シェアしたり助けてもらったりすることへの抵抗感と古臭いイメージを払しょくする」
SNSなどでのバーチャルコミュニティは、ネット縁といってもよいだろう。ネグリ=ハートの「マルチチュード」の変形みたいなもの。違うか。
「ティンバーランド(新製品のアースキーパー2.0のフットウェア)」は新製品を買う代わりに、新しくしたい部分だけを取り替えられるのだ。-略-死ぬまで使えるという、改良し修理できる、「一生モノ」の製品になっている」
ファストファッションの対極。素晴らしいとは思うが、「一生モノ」という言葉がどうもペテンっぽく思えてしまう。これも対応できるものとできないものがあるが、日本の家電なんてすぐに-メーカーはそうみないだろうが-部品が生産完了となってしまう。
「GDP(国民総生産)という単純化された指標は、ますます見向きされなくなっている。GDP崇拝への反論は、人は生産量だけで評価できないというものだ」
資本主義社会の遺骸の象徴的なものの一つなのか。ある程度工業化が進んだら、人口の多い=労働力が潤沢な国にかなうわけがない。じゃあ、人は何で評価すればいいんだろう。
いま、ぼくが20代だったら、洗脳されたかもね。原題が「What's Mine is Yours」。「私のものはあなたのもの」と訳されている。以前ぼくのブログでワークシェアリングを賛辞したら、珍しくコメントがあり、断固ハンタイの人からだった。
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ノリで買ったけど放ったらかしにしてたら、要約をブログ等でよく見かけるようになってしまい、結局読まずじまい。
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スーパー流し読み。
言いたいことは、ものを個人個人が買って所有する時代から、社会のなかで共有する時代に変化して行くということで多分あってる?
スーパー流し読みの人が言うのはあれだけど、東日本大震災後の社会意識の変化と妙にマッチするところが面白い。
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テーマは、ソーシャルネットワークの普及と環境問題の影響により、
急速に関心が高まりつつある「シェアリング・エコノミー」です。
本書を読むまでもなく、最近は若い人を中心に、「所有する」から
「利用する」「シェアする」に価値観が移りつつありますが、本書
では、その「シェアリング・エコノミー」の最先端を、アメリカの
事例をもとに紹介しています。
一泊三〇〇〇ドルのイギリスのお城や、エスキモーのイグルー、ボ
ートやヴィラ、デザイナーズマンションまで、あらゆる物件がシェ
アできるP2P市場、エアビーアンドビー・ドットコムはじめ、さ
まざまなサイトが紹介されており、ビジネストレンドの明らかな変
化を感じることができます。
既にCD販売から楽曲のダウンロードへシフトした音楽市場、そし
てこれからやってくる電子書籍の出版界への影響を考えると、本書
のアイデアの重要性は、説明するまでもないと思います。
同じような目的をもつ人たちが集まり、時間や空間、技術やお金と
いった、目に見えにくい資産を共有する。
こんなコラボ消費の世界を実現するには、「クリティカル・マスの
存在」「余剰キャパシティの活用」「共有資源の尊重」「他者との
信頼」の4要素が必要。
また、企業が成功するには、新しい報酬モデルの実現や、新しい顧
客との関係構築も不可欠となるでしょう。
本書では、シェアモデルで成功している実際の企業の例を取り上げ
ながら、われわれがどうやってこの新しい経済に対応すべきか、ヒ
ントを提示しています。
記述が冗長なのと、『FREE』にはあった「野心」というエッセ
ンスが欠けているため、精彩を欠く部分はありますが、それでも読
んでおいて損のない内容。
発売は16日ですが、これは、今すぐ予約したい一冊です。
「サイトを立ち上げた時には、ツリーハウスやエスキモーのイグル
ー、ボートやヴィラ、それからデザイナーズマンションなんて、貸
したがっている人がいるなんて思いもしなかったよ」チェスキーは
驚きを隠せない
コラボ消費の二一世紀には、評判や、属するコミュニティ、何にア
クセスできるか、どうシェアするか、また何を手放すかが、人を定
義するだろう
社会学者のロバート・K・マートンは、意図せざる結果をもたらす
五つの要因を挙げている。無知、過ち、目先の利益、基本的価値観、
そして自滅的予言だ
同じような目的をもつ人たちが集まり、時間や空間、技術やお金と
いった、目に見えにくい資産を共有する──これがコラボ的ライフ
スタイルモデルだ
自家用車を持たない生活が、参加者のお財布や健康、そしてコミュ
ニティにもよい影響を与えたことがわかった。参加者の公共交通機
関の利用は九八パーセント増え、自動車での移動距離は六六パーセ
ント減り、自家用車の付帯費用も平均で六七パーセント節約された
コラボ消費のさまざま���例を見てゆくと、どのサービスにも、その
根底に四つの大切な原則があることがわかる──それは、「クリテ
ィカル・マスの存在」「余剰キャパシティの活用」「共有資源の尊
重」、そして「他者との信頼」だ
余剰キャパシティは、自転車や電動ドリルなどのものに限らず、目
に見えにくい時間やスキルや空間、あるいは電力などのコモディテ
ィにもあてはまる。イギリスのランドシェアや、アメリカのヤード
シェア、シェアードアース、アーバン・ガーデンシェアといった同
じようなサービスは、農作物を育てたくても土地のない人たちと休
耕地を結びつけ、さらに菜園づくりを手伝う時間やスキルのある人
をつないでいる
コミュニティのために役立つことをすれば、それによって自分の社
会的な価値が高まることを、私たちはデジタルな経験をとおして学
びつつある
私たちは、CDが欲しいのではなく音楽を聴きたいのだ
ライブワークの戦略デザイナー、デヴィッド・タウンソンは、サー
ビス・エンヴィーとは「モノよりサービスを欲しがらせること」だ
と言う。そして、そのためには持っているものではなくて利用して
いるサービスをとおして自分がどんな人間かを相手に表現できるよ
うなサービスをつくる」ことが必要だ
販売数ではなく、利用頻度を最大化する経済にシフトすれば、環境
メリットとビジネスメリットは一致する。企業は会員費やマイクロ
ペイメント(少額課金)を新しい収益の柱にできる
「世の中にいらないものなんてない。使えるものが、ただ間違った
場所にあるだけ」(フリーサイクル創業者 デロン・ビール)
リユースのもうひとつのメリットで、また思いがけない結果でもあ
るのは、そこにコミュニティができることだ
「消費者は、コミュニティの一部になりたがっている」
(ナイキ・ブランド チャーリー・デンソン社長)
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シェアは本当に望ましいモデルなのだろうか。その先コモンズと結びついた時、どうなるのか。やはり、マクロな問題ををシェアで解決できると考えるのは少々難しいかなという感想。というのは、経済成長のドライバーとして私的所有がよくあげられるが、シェアがそれに変えて成長を促すとは思えない。ミクロなビジネスにお話としてはありだろうね。
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『フリー〈無料〉からお金を生みだす新戦略』よりも個人的にはグッときた。そもそも本書のテーマである「コラボ消費」以前に、文中で紹介されている事例のクレイグリストもスワップ・ドットコムも、恥ずかしながらこの本を読むまで知らず…、英語圏の情報を積極的に得ていかないと取り残されていくなぁと実感させられた一冊。
「10年後には、もっとも高い評判と信頼のネットワークをもつ人たちが、金持ちや権力者に代わって、力や影響力をもつことになるだろう」
「サービサイズ。それはモノそのそのものではなく、モノの価値へのアクセスによる新しい経済圏の創出を意味する」
確かに今、僕らの消費活動は歴史的なターニングポイントにあるのかもしれない。
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主に欧米で起きているシェアの現状を報告してくれる本。
正直サービス名を聞いてもピンとくるものは少ないが、上手く行っている事例が多く紹介されている。
個人的には1章だけでも充分かな、と思う。その後は、ほら別のサービスも上手くいってるでしょ?って感じ。
とりあえず1章はとてもオススメ。示唆に富む。イエス。
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・コラボ消費の成功事例に共通する4つの原則 「クリティカル・マス」「余剰キャパシティ」「共有資源の尊重」「他社への信頼」
・過剰消費の20世紀には、信用履歴や広告、所有物によって人が定義されたのに対し、コラボ消費の21世紀には、評判や属するコミュニティ、何にアクセスできるか、どうシェアするか、また何を手放すか、が人を定義するだろう。
・所有よりもアクセス
・コラボ的サービスシステムを4つの重要なデザインの要素に分ける。利用の円滑さ、サービスの複製可能性、アクセスの多様性、コミュニケーションの強化。
・ナイキはマス広告や有名人の起用における費用を10年前に比べて55%減らしている。その代わりアップルと組んで立ち上げたナイキプラスに代表されるソーシャルハブに投資している。
・広告会社を信用するのは消費者のわずか14%、78%は知り合いの推奨を信用する。
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昨年末に発売されて話題になった「フリー 〈無料〉からお金を生みだす新戦略」の続編に位置付けられるような一冊。米国のネット上での動きを「シェアリングエコノミー:共有型経済」という観点から見つめなおし、20世紀が育んだ消費文化へのカウンタ―としての方向性を提示したものである。まだ日本国内で活発に見られるような現象ではないし、本書で紹介されている事例も海外のものなので、なかなか馴染みにくい側面もあるのだが、この変化を日本に昔から根付いている”お裾分け文化”の進化系と捉えると、分かりやすいのではないかと思った。
◆本書で紹介されている”お裾分け”の進化系
1.”お裾分け”が、お仕着せに終わる可能性が少なくなってきている
「つまらないものですが」と言われていただいたものが、本当につまらないというケース、「お口に合いますかどうか」と言われて出していただいたものが、本当に口に合わないというケースは、誰しも経験があるのではないだろうか。このような不幸なケースは誰が悪いわけでもなく、こちらのニーズやウォンツが顕在化されていない仕組み自体に要因があることが多い。ただし、昨今のネット上で見られる変化のように、情報発信がどんどん簡易化されていくことにより、このような不幸なマッチングは確実に減少していく。考えてみれば、Facebookの「Like!(いいね!)」と「Share(シェア)」という二つのボタンは、実によくできていると思う。一見同じような振る舞いをする、この二つのボタンは、似て非なるものである。「Like!」は、的確な「Share」を呼び込むべく”自分のために行うもの”、「Share」は友だちの顕在化されたニーズを満たすべく、”他人のために行うもの”ということなのだろう。
2.お裾分けの相手が、ご近所さんには限らなくなってきている
これまでのお裾分けとは、地縁・血縁、リアルな人間関係等をベースに行われてきた。この根底にあるのは信頼関係というものである。しかし、顔の見えるソーシャルメディアが台頭することによって、信頼できるクラスタ―は、流動化、拡大化することが可能になった。これは同時に、お裾分けの対象が、広がっていくことも意味している。一番大きな変化は、システム化されることで、お裾分けの片割れがクラウドであるなど、一対一には限らなくなってきているということであろう。これは貧富の格差解消など、大きな社会問題を解決しうる可能性もあることではないかと思う。
3.お裾分けする内容が、モノからサービスへと範囲が拡大している
1、2の変化によって、お裾分けを効率的、システム的に行うことが可能になれば、お裾分けする内容はモノには限らないという変化を引き起こす。本来は分割できなかったようなものでも、多くのニーズが可視化され、所有から利用へと目的を変えることで、シェアが可能になる。車、バイク、ファッション、玩具、映画、ゲームといったモノですらマイクロ化されていく、新しい動きがおこりつつあるということなのだ。
こうして考えると、この古くて新しい”シェア”という文化が、お裾分け文化の発達している日本で本格的に根付くのも、そう遠くはないことのように思える。このような動きが加速し、世の中全体が効率的に再編成されると、経済全体が緊縮してしまうような懸念も感じるが、またそこに新しいビジネスが生まれていく可能性も大きい。そして、一番大切なことは、この<シェア>という新しい動きが、貨幣経済の全盛時には見られなかった”新しい価値観”をシェアしてくれるかもしれないということなのだ。
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小林弘人氏.@kobahen 監修の「FREE」に続く「SHARE」。
今までの消費社会から、みんなで所有しシェアする脱所有社会に。消費しないのではなく、コラボ消費と言う形で消費の形が変わっていく。
所有することで満足感を得るのではなく社会と共有することで満足する社会に変わる。その為には、信頼関係や公平性を維持するシステムが必要である。
共有する方法は交換(スワップ)など多々あり、リサイクルを一歩進めた形で事業として成り立つ方法が必要だ。
既に私は図書館で本をSHAREして借りて読んでいるが、この本は読後他の人とシェアすること前提で作られているとは驚いた。
それにしても「FREE」も「SHARE」も装丁がインパクトがある。
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夜中に掃除してたらまた積ん読本が出てきた。
使用頻度が低いものは隣近所・地域で共有する。昔は普通に行われてたのだろうが久しく失ってたライフスタイルの復活。ネット使って大規模にサービス化して皆が幸せになるような事業が良いよねって提案。
格差が激しくなって砂時計の下側が膨らんできた結果からの必然的な展開ですね。
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多種多様なシェアモデルを分かりやすく書いている。正直知らないモデルばかりで、それだけでも非常に勉強になるし、アメリカのシェアモデルの多さと利用率が、日本との意識の差を痛感させられる。
今後シェアはビジネスのキーワードになる。
その為に読んでおくべき一冊!
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●レビューは以下
http://hatanan.blog102.fc2.com/blog-entry-31.html
# こんな人に
・”共有”というサービスに興味の有る方。
・ツイッターなどのSNSに興味の有る方。
・新しいマーケティングのトレンドに興味の有る方。
# こんな本
・消費から共有にトレンドが流れている事を記載。
・どんな共有があるのかについて記載。
・具体的な共有ビジネスを紹介。
# 個人的な知識・ターム
・物のデザインから、共有するインフラを構築する”デザイン思考”が必要と感じる。
# 自分の見解・行動
・デザイン思考について触れる。
・社会心理学と共有はリンクするはず。
・新しいライフスタイルのキーワード。
・共有は消費と違い様々な動機を生む事が可能。
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面白かった。「モノの所有から、その価値のシェアへ」確かにそうだと思う。これからの社会は、こうあるべきだろう。仕事の参考のため読んだのだが、自分でも実践できそうな、そうした方がよさそうな気がしてくる。ただ、日本での定着には時間がかかるような気がした。
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ハイパー消費の時代は終わり、新しい時代は既に始まっている!
ということでこれでもかというくらい事例連発。
結構最初とあとがき見れば言いたいことは伝わるかも・・・。