電子書籍
ベイビーシャワー
著者 山田あかね
第4回 小学館文庫小説賞受賞作品。電子書籍版で初登場!テレビカメラマンの今日子と料理番組アシスタントの美園はともに39歳。それなりにやりがいのある仕事と自由な恋愛を楽しん...
ベイビーシャワー
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ベイビーシャワー
商品説明
第4回 小学館文庫小説賞受賞作品。電子書籍版で初登場!
テレビカメラマンの今日子と料理番組アシスタントの美園はともに39歳。それなりにやりがいのある仕事と自由な恋愛を楽しんできたが、40歳を前にして、突然、不安に襲われる。「コドモ」なしの人生で、本当にいいのだろうか。このままいけばすぐに生物学的に子供を持つことは難しくなる。それはもしかすると、とてつもない幸運や幸福を取り逃がすことにならないだろうか。かくして、美園は、「母親」になることを決意し、今日子とともに、「父親」探しを 始めるのだった。
「自分の人生を、自分で考えて生きること。
とても大変なことですが、それ以上にとても素敵なことです。
ふたりの女性の生き方に、あらためてそう実感しました。」 寺島しのぶ(女優)
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紙の本
これが私の生きる道
2004/09/08 19:43
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ナカムラマサル - この投稿者のレビュー一覧を見る
本作のヒロインは、テレビカメラマンの今日子と料理アシスタントの美園。
親友である二人は、出産のタイムリミットを目の前にした39歳・独身。
今日子は、最初から母親になる気なんて自分にはなかったんだと改めて思い、
美園は、男は要らぬが子供は産もうと決心する。
結婚、出産について、多くの女性が抱える悩みが等身大に描かれている本作は、登場人物たちがキラキラ輝いている。
主人公の二人に加え存在感を放っているのが、美園が仕えるお菓子研究家の佐伯ルリ子。
外資系の銀行員を夫にもち、夫の赴任先である西海岸やパリで暮らし、帰国後はお菓子教室を始め、カリスマ主婦となってテレビに出演するようになった彼女は、自分の人生を信じて疑わない。
今日子と美園が不倫をしていると聞いて、
「男女の関係は子供を作って、その子を育てて、そこまで一緒にやらないと完結しないと思う」と説教をする。
そのルリ子に対して今日子はこう評している。
「彼女は、結婚や子育てを選ばない女性が嫌いなのか。憎んでいるようにすら見える。その憎しみの激しさ。自分とは違う選択をした女性達が、いずれ彼女の敵となって巡ってくるのを予想しているのか、あるいはすでにそんな敵に出会ったことがあるのか。」
酒井順子が「負け犬の遠吠え」や「少子」で述べている“子持ち専業主婦対未婚未産婦”の敵愾心を垣間見た気がした。
現代女性を悩ますもととなっているのは、生き方の選択肢が増えたことにあるのかもしれない。結婚して、子供を産み育てることだけが、唯一の女の生きる道では確実になくなっている今は、結局どの生き方を選んでも、心の持ちようで、後悔もすれば満足もする。
その中を、「人生ってどんなことでも起こり得るんだね」と前向きに生きるヒロイン2人の姿に勇気をもらえる。
今後も楽しみな作家の登場だ。