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人喰いの時代
著者 山田正紀 (著)
東京からカラフトに向かう船中で、椹秀助は首吊り死体を発見した。が、再び現場に戻った時には死体が着ていたはずの洋服は消え、なぜか下着姿になっていた。被害者の名は藤子義介。貿...
人喰いの時代
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人喰いの時代 (徳間文庫)
商品説明
東京からカラフトに向かう船中で、椹秀助は首吊り死体を発見した。が、再び現場に戻った時には死体が着ていたはずの洋服は消え、なぜか下着姿になっていた。被害者の名は藤子義介。貿易会社社長で、彼の持ち船はその劣悪な労働条件から「人喰い船」と呼ばれていたという。事実、船員の中には彼に恨みを持つ者もいた。しかし、椹と同室の呪師霊太郎が見せた推理は全く意外な方向へ……(「人喰い船」)他五篇を収録。
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ボーッと読んでんじゃねぇよ、最後まで気を抜くな
2020/12/27 22:38
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投稿者:忍 - この投稿者のレビュー一覧を見る
10年以上前に読んで以来の二度目の再読。何となくパッとしない前半の雰囲気と、最後にメタな展開になって話がひっくり返ることだけを記憶していて、具体的なストーリーは全く忘れていたのですが、今回が一番楽しめました。
前半部分は謎解きはそれなりに面白いものの、幕切れがあっさりとしすぎていて、まるでコントの落ちではないかと思えてくるのですが、そう思わせるように仕組まれているようです。この前半の五話は雑誌掲載されたようですが、ここまでは凡庸な感じで、正直なところ本の穴埋め程度の扱いになってもおかしくない気するのですが、それが最後の書き下ろしの部分でひっくり返るので、最初からそういう展開を意図して作られていたのでしょう。
また、謎解きの部分だけを見ていると見落とし勝ちになってしまうのですが、なぜ昭和初期のO-市を舞台にしていているのか、やたらと特高警察の人物が現れて、戦争へと駆り立てられていく時代の雰囲気が執拗に繰り返されていることに気付くと、のちに書かれるおとり捜査官やミステリ・オペラにつながっていることが見えてきます。