読割 50
電子書籍
すべてがFになる THE PERFECT INSIDER
著者 森 博嗣
孤島のハイテク研究所で、少女時代から完全に隔離された生活を送る天才工学博士・真賀田四季。彼女の部屋からウエディング・ドレスをまとい両手両足を切断された死体が現れた。偶然、...
すべてがFになる THE PERFECT INSIDER
すべてがFになる The perfect insider (講談社文庫 S&Mシリーズ)
商品説明
孤島のハイテク研究所で、少女時代から完全に隔離された生活を送る天才工学博士・真賀田四季。彼女の部屋からウエディング・ドレスをまとい両手両足を切断された死体が現れた。偶然、島を訪れていたN大助教授・犀川創平と女子学生・西之園萌絵が、この不可思議な密室殺人に挑む。新しい形の本格ミステリィ登場。
目次
- 第1章 白い面会
- 第2章 蒼い再訪
- 第3章 赤い魔法
- 第4章 褐色の過去
- 第5章 灰色の境界
- 第6章 虹色の目撃
- 第7章 琥珀色の夢
- 第8章 紺色の秩序
- 第9章 黄色いドア
- 第10章 銀色の真実
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紙の本
科学を好きになるミステリィ
2009/06/08 19:07
20人中、16人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:にゃーる - この投稿者のレビュー一覧を見る
(1)読もうとしたきっかけ
大学に入学した頃、通学時間が往復5時間と長時間であったため読書時間にしよう思った。
どんな本がいいだろうかと考えていたとき、大学の同学部同学科の友人がこの本の作者である「森博嗣」さんを薦めてくれた。
「森博嗣」さんの作品は多くがシリーズということだったので、まずシリーズ1作目(実は4作目?)の本書を読むに至った。
(2)内容
主人公:N大助教授・犀川創平(さいかわそうへい)
女子学生・西之園萌絵(にしのそのもえ)
主人公らが偶然訪れた島にある研究所で天才工学博士が殺害される。
完全隔離された部屋での殺人――密室殺人であったこと、また、
殺害現場のパソコンのディスプレイには「すべてがFになる」というメッセージが残されていたことから、謎は深まる。
犯人・密室トリックを推理していくストーリー。
(3)登場人物
・犀川先生、萌絵共に強烈的個性のある人物。
物理、数学の知識量が多い先生に、暗記・計算に強い萌絵。
科学要素が強く出ている人物だけに、ストーリー展開も常に科学と隣り合わせ。
あまり深く考えすぎるとこっちの頭がパンクしてしまうので、「ああこういうものなんだな」と適当に流すことも必要。
とにかく天才的な2人が主人公ということで、非現実的でおもしろい。
・同じ科学人間でも、先生と萌絵は真逆の性格をしている。
おっとり?まったり?ゆっくり?している印象を受ける先生と積極的に事件に関わろうとする萌絵。
真逆の2人の会話だからこそ面白みがあるのかもしれない。
(4)本書を読み終えたら…
森博嗣さんの推理小説は大体ほとんど“理系ミステリィ”と称される。
実際、本書でも理系用語はモリモリ出てきた。
先生と萌絵の会話も理系ならではの観点が多く、読んでいて大変面白く、興味深い。
先生と萌絵が主人公のシリーズはS&Mシリーズとして全10冊ある。
全て読んだが、やはり本書を読み終えたときの感動は一番大きかったと思う。
ただ、シリーズを通しての面白さも十分あるため、シリーズ全巻をオススメしたい。
紙の本
こんなミステリを探してた!
2001/10/09 14:19
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かずね - この投稿者のレビュー一覧を見る
「すべてがFになる」、「7は孤独」、「BとDも孤独」このキーワードはずっとなんだろう?って思っていたけれど、 最後で全て解決。なるほど〜。もう、これを読んではまってしまいました。みんなが絶対にいいから!って言うけれど 正直そんなにいいのかな?と思っていましたが、やっぱり、すごかったです。私は、全然、犯人がわかりませんでした(爆)
謎解きもいいですが、犀川先生と萌絵ちゃんの会話がいいですね。(^-^)あと、先生のジョークも(笑)。 とてもおすすめの本です。ぐいぐいとひきこまれます。1つ1つの章のタイトルに色が使われているのも印象的でした。あと、目次の前?表紙?の部分が研究論文っぽくって さすが、大学の先生だなぁと思いました。
紙の本
またも一気読みに近い面白さでした。
2017/09/23 12:26
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
またも一気読みに近い面白さでした。真賀田四季博士と西之園萌絵との不思議な緊張した面会場面の後、犀川博士と萌絵との奇妙なコンビのやりとりを経て、一気に不穏な殺人事件へ導入。あとは密室殺人事件を中心に謎解きだが、謎解き過程を科学的・哲学的議論でオブラートに包んで読者の推理する楽しみを最後まで残している。確かに、謎解きのヒントは各所にちりばめられてはいるのだが、決定的なヒントが見つからない。萌絵がかなり良い線までの謎解きを細目に出していくのに対して、主役の犀川博士は最後まで殆ど自分の推理を明かさないやり方はちょっと狡い気もするが、読者の推理する楽しみを最後まで残すという意味では仕方ないのかな。そして、最後で一気に謎が解き明かされるのだが、674:『笑わない数学者[3]』同様、真犯人がどうやら消えてしまうという謎めいた終わり方である。
<以下、蛇足>本作品の初出は1996年というから私がWin95を導入して、インターネットを始めた時期である。よって、PCに対してWS(ワークステーション)という言葉?機械?(笑)が出て来りして時代を感じさせる。その当時、VR(バーチャルリアリティ)は20年位先の技術として考えられていたが、天才科学者にとっては既に基本構想は描かれていたのであろう。本作品では、極めてリアルにVR装置が登場し、活用されているのである。先見の明に感服。
紙の本
手の込んだトリック
2013/06/20 09:11
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ノン - この投稿者のレビュー一覧を見る
こんな感じのミステリーが大好きです。
実際には不可能な場面のようにも思えるが、そこは著者の文章力で、容易に場面を想像出来ていしまう。
読んでいて次々ページをめくってしまう没頭感はたまりません。
紙の本
大満足の作品
2016/12/20 11:03
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kissho - この投稿者のレビュー一覧を見る
非常に面白いです。読み終わって大満足です。密室トリックも、なるほどと感心しました。中心人物の二人も中々魅力的で、お嬢様の言動に周りが一々ため息するのも笑えます。ただ、理系の私でもちょっと難しい所もあり(機械系なので)、文系の方、特に制御領域に弱い方は結構イライラするかも。私的には、トリックを構成する部分に、それは流石に・・・、と言いたくなる所は一つ二つありますが、そこを許してしまいたくなるほど全体の構成は素晴らしいと思います。傑作でしょう。
紙の本
エキセントリック。
2016/03/21 12:31
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ななな - この投稿者のレビュー一覧を見る
孤島の研究所で起こる密室殺人。被害者は超天才科学者。更に死体の状態は。。。
と、あらすじをあげてみると、まさにエキセントリック。なのにすらすら頭に入ってくる不思議。
本当に洗練された小説だと思います。…犀川先生大好き!
紙の本
衝撃でした
2013/11/20 17:16
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:アップルティー - この投稿者のレビュー一覧を見る
17年前に講談社ノベルで読んだときは、衝撃を受けました。
今読むと、作中のIT技術が古く感じるかもしれませんが、物語そのものは全く古くありません。
情緒に流されない作品が好みの方は、一読の価値があると思います。
紙の本
「すべてがFになる」の意味、表紙のブロックの絵など全てが見事すぎる。
2023/11/21 10:01
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mitu - この投稿者のレビュー一覧を見る
斬新さ、トキメキ。随分前に友人に薦められていたのだが、やっと読めた。 犀川&萌絵シリーズの第一作。「すべてがFになる」の意味、表紙のブロックの絵など全てが見事すぎる。
紙の本
トロイの木馬
2022/04/04 12:30
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
まさに。
これが書かれた当時としては、かなり先進的な内容だったんじゃないかなあ。
VRなんて、まだまだ一般に広まってなかったと思うし。
電子書籍
新鮮で面白かった。
2018/11/26 10:56
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:monica - この投稿者のレビュー一覧を見る
ドラマ化される前に読みました。私は斬新なトリックだと感じ、途中に繰り広げられる理系の会話もオシャレで好きでした。他の作品も読みたいと思いました。ちなみに、私は2作目とドラマばんは苦手でした。
紙の本
いいと思います
2016/01/17 12:56
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:きらい - この投稿者のレビュー一覧を見る
昔から モリさんとアヤツジさんは楽しみです。とても解決編ではびっくりいたします
紙の本
さすが
2015/11/27 23:24
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ミヤキ - この投稿者のレビュー一覧を見る
さすが第一回メフィスト賞受賞作品。
謎解きを楽しむより謎に魅せられるミステリー。
紙の本
読んだら絶対ハマります!
2004/02/08 23:01
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たけ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ヒントや伏線と言われるモノは至る所にあるんです。ただソレをつないで行くにはひどく時間と努力が必要となる。そしてテンポよく進んでいくストリー。僕はろくに考えもせずにただ先へ、先へ。
そんなに本を読む方じゃないから分からないけど普通のミステリーは探偵さんが格好良く謎を解き犯人はまんまと捕まりハッピーエンド、てなもんなのではないだろうか?
そこまで言うのは少し失礼かもしれない。でもそんなふうに僕が感じた一筋縄じゃないところがこの『すべてがFになる』が人気を得た理由ではないだろうか? 普通じゃないところで起きた普通じゃない殺人事件。ミステリー好きなら飽き飽きするようなありきたりな設定で起きる、最後まで訳の分からないわくわくする物語。
最後まで読み終わって「あー、楽しかった!」と思ったならもう一度読んでみて下さい。ちょっとだけ『天才』のことが分かるかも知れません。
紙の本
すべてがFになる
2002/12/22 14:35
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:MIYAKO - この投稿者のレビュー一覧を見る
とても気になるタイトルと、第1回「メフィスト賞」を受賞した作品という事に興味を惹かれ、私には珍しく数学的な作品を読み終えた。理科系作家と評される通り、コンピュータや数学的な話がゾロゾロ出てきて、ちんぷんかんぷんなところもあったが、それでも、私が読み終える事が出来たのは、登場人物の個性が面白く、話の展開に惹き込まれたからだ。特に真賀田四季博士の個性と存在感は格別で、ゾクゾクさせるものがあった。天才が故に「生」への執着が希薄で、「生きていることの方が異常、死んでいる事が本来で、生きているのは機械が故障しているような状態だ」と話す真賀田博士だが、じゃあ、最後はナゼ?って感じで、読み手に色々考えさせられる作品だと思う。私はこの作品を読み終わって考えた。人間の脳がすべて使われていないのは、生への執着を持たせる為の、人間の本能なのかもしれない。すべての謎を解き明かし、何事も不自由なく出来てしまえば、自分の生命を終局させるだけなのかもしれないと。考えすぎ?
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猟奇的なのだがグロくなく、何とも切ないミステリ
2015/10/08 13:13
4人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:papanpa - この投稿者のレビュー一覧を見る
猟奇的なのだがグロくなく、読み進めるにしたがって何とも切なくなるミステリです。
ミステリの答えは非常に理系ですので、深く悩まず雰囲気を楽しんでください。
犀川先生と萌絵ちゃんの今後の活躍、そして四季、きっと続けて読みたくなると思いますよ。
おススメです。