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太宰治全集(7)
著者 太宰治 (著)
昭和19年5月12日から6月にかけて津軽地方を取材旅行、7月「津軽」完成。12月、仙台に赴いて魯迅在留当時のことを調査、それをもとに20年2月「惜別」によって若い日の魯迅...
太宰治全集(7)
太宰治全集 7 (ちくま文庫)
商品説明
昭和19年5月12日から6月にかけて津軽地方を取材旅行、7月「津軽」完成。12月、仙台に赴いて魯迅在留当時のことを調査、それをもとに20年2月「惜別」によって若い日の魯迅の思想的苦悩と変転を描き上げる。引きつづく空襲警報下の3月「お伽草子」執筆にとりかかる。妻子を甲府に疎開させたが、4月2日未明、空襲により家を損傷される。敗色濃い状況のなか、戦火に追われつつも、旺盛な執筆活動はつづく。津軽 惜別 お伽草子
目次
- 晩年/ダス・ゲマイネ/雌に就いて/虚構の春/狂言の神
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紙の本
戦中の3作
2018/05/04 22:15
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投稿者:H2A - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦時中に書かれた『惜別』『津軽』『御伽草子』の3作を集めている。『惜別』は仙台に留学していた魯迅と学生たちの交流を描いた作品。『津軽』は作者が津軽を訪れた際に地元の人々とのやりとりや、当時の地方の風俗を描いていて、驚くのが戦時中であるにもかかわらず、語り手である作者やその周囲の人物たちも確固とした生活を続けていること。終盤、乳母との再会を求めてたどり着いた学校で運動会が開かれているところも印象に残る。乳母とも再会を果たした作者はこのように結ぶ。「まだまだ書きたい事が、あれこれとあったのだが、津軽の生きている雰囲気は、以上でだいたい語り尽したようにも思われる。私は虚飾を行はなかった。読者をだましはしなかった。さらば読者よ、命あらばまた他日。元気で行こう。絶望するな。では、失敬」。最後の『御伽草子』も名高い作品だが、冒頭の空襲シーンはわくわくさせられたものの、肝心な本編はどうも乗れなかった。くどくど理屈がうるさ過ぎた気がする。いずれ読み返すことがあれば。