紙の本
物忘れ・イズ ・ビューティフル
2012/06/16 14:03
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:佐々木 なおこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
同世代の友だちと話すとき、長年のおつき合いのおかげか「あれ、それ、これ」で通じるのが嬉しいなぁ、ありがたいなぁと思う。
その反面、高校生ムスメをはじめとした若い人と話すのが少し億劫に感じてしまう。
そんなとき、無性にこの赤い本を開きたくなるのですよ。そう、老人力。
赤瀬川原平さんは、ほんとうに優しい。
だって、こうですよ。
「物忘れ・イズ・ビューティフル」
ああ、この本を手元に置いて良かった。
なんかこう、しみじみと嬉しくなるではありませんか。
どのページを開いても、勝手知るわが家のように、そうそう、そうそうそう…とうなづき、
時に大爆笑して、なんだか気持がほんわかして、本を閉じる。
活字の底力を感じる瞬間でもありますねぇ。
しかもこちらは「老人力」「老人力2」を合わせて、文庫化しているので、その持つ力たるや絶大なものです。
はい1足す1が100ってな感じでしょうか。
文庫本だから軽いので、ちょっと寝っ転がって読むのにも最適だし、気持ち良くなって眠気に誘われたって、大丈夫。
読む手から離れて頭にあたっても単行本のようにゴツンと痛くないですよ。
ときおり赤瀬川さんの写真が紹介されているのですが、これまたいいのです。
思わずにんまり。
特に犬が登場する写真が私は好きですね~。
「人間の人生というのは、そもそもが寄り道なのかもしれない。」
赤瀬川さんが人生って言葉を紡ぎ出すとそれだけで、なんだか嬉しい。
この先もずっとこの本だけは手放さないぞと思うのでした。
紙の本
老いてますます盛ん♪
2002/07/28 12:44
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:marikun - この投稿者のレビュー一覧を見る
ますますパワーダウン〜帯より(笑)
いいですねえ〜♪ こういう風に年を重ねたいものです(*^ ^*) 老いてますます盛んを実践ですね。
赤瀬川さんがこういうメジャー路線なのは、大変に似合わない気もするのですが(笑)、そこは時代に
呼ばれたと言う事で…。文庫版は、単行本の「老人力」と「老人力2」をまとめたものなのも、ファンには
お得で嬉しい限り♪ 後半は、「老人力」があまりに売れたため(?)、やや真面目な考察になって
います。しかし赤瀬川さんが講演とはねえ…(笑)。
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老人力とは何か?物忘れ、繰り言、ため息等、従来ぼけ、ヨイヨイ、耄碌として忌避されてきた現象に潜むとされる未知の力。20世紀末に発見され、日本中に賞賛と感動と勘違いを巻きおこし、国民を脱力させた恐るべき力。あの笑えて深い名著が正続2冊あわせて文庫に。
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とにかくたまらんのでありますね、この発想。
南さんが言ったという「おっしゃることはわかります」って、身に沁みるなあ・・・。
当方32歳ですが(笑)
従来「物忘れ、繰り言、ため息等、従来ぼけ、ヨイヨイ、耄碌として忌避されてきた現象に潜む未知の力」を老人力と、定義しているのですね。
肩の力を抜いて、無駄な情報も抜いていくというのは確かに必要かも。
一生懸命に打ち込んだからこそたどりつける境地なのかな?
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静かな場所で読み始めた瞬間に、ぬぅはは〜、うはうは〜と思わず笑い転げそうになり、周囲に迷惑をかけたかもしれません。最初のほうがとくに楽しい。申し訳なくひょっこり生まれてしまった言葉が、ここがどこだか分からずに、きょろきょろとあたりを見回しながら、それでも、なんだかんだ堂々とうろつき始めたような感じ。そういう趣を感じさせてくれる。それが老人力という響きの魅力なのかも。なぜか共感を呼び起こすんだなあ、いとをかし。
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20世紀末に発見され、日本中に賞賛と感動と勘違いを巻きおこし、国民を脱力させた恐るべき力。。。なんて書かれているが、ものすごく注目される前から何となく惹かれていた本。自分が若い頃から何となく心のどこかで感じており、他人とは違うのかな〜と思ってきたことがいくつか肯定的に書かれており、嬉しくなった思い出がある。この文庫本では一冊にすべての情報がまとめられており、お得感満載だ。
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物忘れは忘却力、ボケ老人は老人力のついた人…。還暦を迎えた前衛芸術家は、時に自虐的とも取れる表現を用いながら、コミカルに日々の生活や社会に対しての思いを綴ります。負け惜しみに近いけれどちょっと違う、含蓄(?)のある言葉に時々ニヤッとしてしまうエッセイ集。ポジティブに老年代を考えることが出来る一冊。文中に出てくる「楽しいな、老人は」の一言に、ちょっとだけ羨ましさを覚えます。
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「ボケる」ってマイナスな言葉を「老人力」ってプラスな感じの言葉で、プラスな感じに説明していくだけの本。
一行で完璧な要約を書けるけど、それを一冊の本にできちゃうのがすごい。
超だらだらとした文章で、脱線しまくりだけど、なんかいい。
人間味があって、魅力的です。
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何かを忘れるということはマイナスの作用でしかないのか。
自分の嫌なことがあって、その嫌なことが頭から離れないのなら、それは忘れたほうがプラスになる。
老人力は力を抜くエネルギーの事だという。
自力だと一向に自分に力がいってしまう。しかし、他力をつかうと他の人にエネルギーが循環する。昨今では誰も信用できない世界になりつつあるから、この考え方は誰かを信用するための力なのかもしれない。
頭が固いと身体も自然と固くなる。固さは丁度よく保っていなければならないのだが、固すぎる。その調度よさをこの本はしめしてくれているのかもしれない。
頭の柔らかい、老人がゆったりとしているような文体で、その力を解明してくれる一冊。
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思わず忍び笑いしたり、その感じ分かると、激しく同意する点も多かったが、続編が落ちる。
なかなか柳の下に二匹の泥鰌はいません。
かなり流行った言葉(概念?)だけど、やっぱり無理があるのかな。今現在、通用する言葉にはなってない気がする。
そろそろ自分も老人力がつき始める年になってきた。渋く老いていきたい。
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大分前に流行った書ですが、天の邪鬼なので未読でした。
「老人力」と聞いて想像したのが「老獪」。少ない労力でごとりと物事を動かしてしまうような力かと思いきや、退行をそのまま「老人力」として受け入れて楽しんでいる様子がいい。
「おっしゃることは判るのですが」と固有名詞が出てこないまま話を進めていくのってあるある。
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物忘れを積極的に取り上げる老人力。
「ちくま」に連載したものに、
グラフィケーション、広告批評の記事を追加したもの。
「あ」を頭につけるとよいらしい。
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物忘れがひどい、身体に力が入らないといった老いの問題を、「老人力」と呼んでみることで、明るく捉えなおそうとする、というと、まだちょっと本書の主張から逸れてしまうような気がします。老いを明るく捉えなおすというポジティヴさが、著者の考える「老人力」というコンセプトにちょっとそぐわないからです。むしろ、老いによる衰えを自覚し、それをユーモアにしてしまうという心の余裕が、「老人力」というコンセプトのポイントなのかなと思います。
『老人力』と『老人力②』を一冊にまとめた文庫本ですが、『②』の方は著者にしては少し繰り言めいた文章もあるように思います。
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楽しみにしていてやっと手に入って読み始めてが・・・でした。
いまいち期待していた内容とちがう・・・
そもそも老人力って自然に忘れること?
途中でやめました。
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最初の1/4くらいは、すごく面白いんだけど、だんだん失速してきて、最後の方は老人力関係ない単なるエッセイになってしまった。
老人力っていう発想自体面白くて、人生で初めて老人力付けたいって思ってしまった。
老人力のエピソードとして、
分裂病の人が診察を受けてて、最初はたいそう暴れたけど、話を聞いてたはずの先生が寝ちゃって、諦めて入院を決めた話が面白かった。老人力すごすぎ。