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主婦は踊る
著者 青木るえか
走るのがキライ。歩くのもイヤ。座ってるのが好きなんです。狭い社宅の中でさえ、コマつき回転イスに乗って移動する私。ゴロゴロと台所に行き、座ったまま野菜を切る。ときには横にカ...
主婦は踊る
主婦は踊る (角川文庫)
商品説明
走るのがキライ。歩くのもイヤ。座ってるのが好きなんです。狭い社宅の中でさえ、コマつき回転イスに乗って移動する私。ゴロゴロと台所に行き、座ったまま野菜を切る。ときには横にカラコロと動き、ガスコンロの火加減などみたりする。電話に出るときだって、段差三センチくらいは勢いでジャンプだ!そんなことをしいるうちに、あっという間に体重急増。これではイカンと一念発起、スポーツクラブに通いはじめたが……。史上最弱の主婦、さらにパワーダウン? 爆笑エッセイ第二弾。
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紙の本
天然の無頼派。
2003/10/07 23:05
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ソネアキラ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ウワサの著者である。専業主婦で社宅住まい。転勤族。猫を数匹飼っていて、カエルが好き。趣味は、おいしいものと料理とダイエット。イケメン競輪選手とOSK(大阪松竹歌劇団)のおっかけをして、それぞれのWebサイトの主宰をしている。歩くのは嫌いだけど、自転車なら遠出も厭わない。いまは体重がどれだけあるか知らないが、立派な体格の割りには、意外と行動的。それと日々買い求めた雑誌や本がバラパラで、すごい。
社会に対しての批判とかそういうものは、きれいさっぱり何も無く、あくまでも、私のこと、私の生活のことを、のんべんだらりと書いている。こういうのってWeb日記にくさるほどある。同じ身辺雑記なのに、こっちは、読み出すと止まらなくなる。退屈の殺し方がうまい。このおかしさはなんなんだろ。天然なのか、計算なのか…。
でも、おかしさ具合が、かなり、冷めたおかしさ具合なのだ。特に自分自身の肉体に対して。徹底的に観察して、容赦なく醜態を書きさらしている。贅肉のつき加減や太り具合の描写が感動的でさえする。こりゃ、生々しすぎて女性は、ひくかもしんない。特にオシャレな主婦は。よくオヤジって呑みながら、うれしそうに血圧があがっただの、尿酸値がどうのだの、上司がアメリカ土産でやれバイアグラ買ったとか、出張行くとき、念のため、財布のポケットにコンドームを忍ばせておくとか、東海林さだお的世界をくりひろげているが、なんかそんな空気がぷんぷん。
たぶん、同類項にあげられがちな中村うさぎほど、生活破綻者的ニオイはないし、ナンシー関ほどの鋭さはない。西原理恵子ほど、ギャンブラーじゃない。でもオモチロイ。ぼくは、作者のご主人にも興味を覚えてしまったのだが。高野文子の「るきさん」にも似ているかな。いいや、墨ベタと描きこみの多いつげ義春の漫画のコマかな。食べ物へのこだわりが、森茉莉を彷彿とさせると書いてしまうのは、誤読かしらん。私随筆家、あるいは無頼派エッセイストなんて称号をあげてしまってもかまわない。賛辞、賛辞。賛辞のおやつは文明堂。