紙の本
DNAは、真実への羅針盤か? 人を隘路へ誘い込む魔物か?
2020/10/31 23:41
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投稿者:アントネスト - この投稿者のレビュー一覧を見る
最新の科学捜査が導くのは、真実ではなく謎の数々。
DNA鑑定が、事件以前に死んだ人物を犯人として指摘する。死者の復活? あるいは……。
考古学を題材にした『3000年の密室』で鮎川哲也賞最終候補となった著者が得意とする、多彩な知識を絡ませた読み応えのある本格ミステリの傑作。
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情報蘊蓄系ミステリーなのか●曜ミステリー劇場ノベライズなのか
2004/07/02 14:09
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投稿者:書子司 - この投稿者のレビュー一覧を見る
遺伝子治療や体細胞移植、あるいは出生前診断が当たり前となっている時代設定。犯罪捜査にも血液型だけでなく、DNAや遺伝子指紋が証拠となっている。子の作品では、そういう設定の元で、とっくに死んだはずの遺伝子が殺人現場から発見されたり、数年前に殺された男性と十数年前に死んだ人物の遺伝子が同じであったりする。
情報蘊蓄系ミステリーと呼んでいるらしい。確かに、遺伝子などに関する知識は多く書かれているが、といって、それが笠井潔氏の哲学に関する考察や、京極夏彦氏の妖怪や仏教、禅などに関する知識に匹敵するほどもなく、「へぇ~」ボタンを押したくなるようなものとは言えない。本来こういう蘊蓄や「知」はそのミステリーの基調をなすもので、それが探偵役なり主人公なりを特徴づけるものであり、ある意味異界への扉を開くものとなるべきだと考えるのだが、この作品では、単なる情報としかなっていない。読者をミスディレクションするためのトリックとも言えるので、詳しくは説明できないが、もっと深く知識を極めてもらえると面白く読めたと思う。
さらに、刑事達によるアリバイに関する検討がやたらと多くコレって、●曜ミステリー劇場だっけ、と思ってしまう。情報系と普通の刑事ミステリーの混在が興趣をそいでいる。事件の解明役として、警部補と女性刑事、その夫である生化学研究員が登場するが、明解な探偵役としての性格設定がなく、終盤での事件解明では、それまでほとんど説明されていなかった警部補が突然中心となって事件を解決するのだが、遺伝子や遺伝病のことまで説明し、それがやたらと聡明なように描写されている。この人ってこんな感じだったっけと思われて、ひどく唐突な感じとなっている。名探偵物ではないので、べつに奇矯な人物を登場させる必要はないし、探偵役を明確に設定する必要もないとは思うが、この作品のように情報蘊蓄を語りつつ、読者をその世界の中で右往左往させるためには、それなりの語り手が必要であり、それなりの知識が必要だと感じた。
折刀一氏の他の作品…凍るタナトス・奇蹟審問官アーサーでも感じたことであるが、いずれも読者があまり知らないような知識を主題にしながらミステリーを構成するべき作品であるべきなのに、その「知識」の量と震度があまりに少なく浅く、肩透かしを食らったように感じるのは私だけであろうか。
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私の苦手な「遺伝子」がいたるところで語られるミステリ。でも、読みすすめるうちに、"難しい"よりも真相が気になって仕方なかった。近未来の話だけど、既にこうゆう人がいるかもしれない。先天的障害児を生まないための遺伝子チェック等、現在にも通じる問題があり考えさせられる。宮部みゆき女史のオススメ。
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近未来での遺伝子問題を徹底的に予測した事件。確かに、その人だと断定できる技術は進歩しそうだがそれと同時に断定できなくなる、同じ遺伝子を持つ物の存在が現れる可能性もはらむということを推測させた。話としてはおもしろいのだが、いかんせん、作風だろうがやたらと登場人物の視点を変えるので読みにくくて仕方がない。
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なんかめちゃくちゃ読みづらかった。
この読みづらさはやたら専門用語が出てくるだけじゃないという気がするなあ……。
主人公は事件を担当する女刑事。
出生前遺伝子診断がほぼ当たり前にありつつある近未来、障害のある子供を産み育てている彼女は、2人目の子供を妊娠しており、その出生前診断を受けるかどうか悩んでいます。
出生前の遺伝子診断は最近も話題になった気がしますが、「生命の差別化」と「福祉とは何か」が主なテーマでしょうか。
ミステリ部分はいまひとつ解決も物足りなかったんですが、「産まれてくるより、死んだ方が幸せなのよ」という言葉が、心に刺さりました。
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ものすごく専門用語の多いミステリな気がします…読みづらかった!遺伝が苦手なもので。遺伝子について鋭く迫っている1冊です。こんな世界が本当なら…と,ちょっと恐ろしくなりました。
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池澤の死体を『拾い魂の社』近くに埋めたと証言する八木とともにその現場に訪れた百合絵達一行。彼らの元へ、村人が死体を見つけたと来たものの、その場所には死体など無く青白い炎があるだけだった。
遺伝子治療や移植など最先端の医療企業SOMONグループ。その宗門家の洋間で顔と手足を焼かれた若い女性の死体が発見される。被害者はDNA鑑定で宗門亞美と断定された。
親子鑑定する為に亞美の亡父・継信の遺髪を分析していた夫・真一の元へ訪れた百合絵は、モニタに映し出された塩基配列から2年前に殺害された池澤の塩基配列を思い出した。
そして、20年近く前に亡くなった継信と池澤のDNAが一致するという信じられない結果が出る。
これは、本格推理の名作だと思います。この作品が何の賞も取らなかったのが、もの凄く不思議。でもって、2000年の“このミス 10”に、なんで入らなかったんだろうと思ったり。
これほど骨のある本格物は久し振りに読んだ気がするのになぁ。残念だ。
時代はちょっと現在より進んでるという現在。判りにくいなぁ(笑)
遺伝子医療や分析などが現在より少し進んでいるという設定を引いてるのでこんな書き方しか・・・決してSFでは無いです。(一応、近未来設定だからSFといえないことも無いが・・・)
おそらく、医療従事者ならある程度予測はつくんじゃないかな。20年前の死者と2年前に死んだ人物がどうしてDNA一致するか・・・という辺り。謎の一つだが、私は全く知らなかったので、このトリック(と呼んでいいのか?)は目にうろこという感じ。
だから余計にこの作品に惹かれたのかも。この辺りがすぐ読めちゃうと確かに面白味は半減しますね。
ただ、謎は一つでは無く密室もあるし、後半には再び死者が殺人を行ったかのような展開もある。突飛な設定なので読んでいて、本当に理論的に解明するのか?と疑ったほど。
投げたら偶然に屋根にのっかったとか、ゴロンと家が一回転したとか、手でごりごり動かせただのとか(別にこれはこれで面白いので非難してないけど:笑)言うゴリ押しは無しだよ!?とか妙に心配しつつ読んだりしたのも事実(笑)
しかし、読み手の不安をものの見事に拭い去ってます。綺麗に無理なくENDしてます。現代より遺伝子分野がちょっと進んでる設定ってのがミソといえばミソですね。
そして、遺伝子分野の学問が進むと人類はこういったジレンマを絶対に抱える事になるだろうな・・・というのが物凄くリアル。もう、そこまで来てるという感じもします。
ミステリーの中でも本格推理が好きな人はご一読あれ。「3000年の密室」より遙かに良い作品だと私は思います。
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200ページ目で...断念。
たまたま気分的にこの手の本格派のミステリーが
ハマらなかったのか、作品自体が好みに合わなかったのか
は分かりませんが、その200ページに至るまでも相当な苦痛
を伴う読書でした。
後日、時間を空けて再読にチャレンジ!
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被害者は「誰」で犯人は「誰」なのか。
死人が蘇って犯したとしか思えない犯罪、一族に君臨する当主と「家」と「血」にまつわる妄執。
蒙きを啓く柄刀マジック。
熊ん八も初登場。
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とっくに死んだはずの人物の遺伝子が、殺人事件現場から発見されたら!?遺伝子治療や体細胞移植を手がける最先端医療企業SOMONグループ。その中枢を担う宗門家で、顔と手足が焼かれた女性の死体が発見された。現場のDNA鑑定が示したのは、“死者の甦り”という肯きがたい事実だった―。読者を謎の迷宮へ誘う本格推理の真骨頂。
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ほんの少し先の時代を舞台にした物語である。出生前診断で退治の遺伝子をチェックすることが、一般的になり、中絶の選択権がゆるやかになっている時代である。そんな時代に、遺伝子治療や体細胞移植をてがける宗門家の周りで殺人事件が起こるのだが、次々と奇妙な事実――とっくに亡くなっているはずの人物の遺伝子が検出されたり、被害者だと思った死体の遺伝子が加害者のものだったり――が判明するのである。
命の問題、人生の問題、幸福の問題・・・。さまざまな問題を投げかけられているような心地で読んだ。何が正しいのか、一概には言えないと思うが、安易に流されていい問題ではないと改めて思わされた。
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遺伝子を巧みに利用した推理小説。医学的知識が乏しい為読みはじめはつまずいたが、乗ってくると次々に謎が解けて行く快感があった。
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とにかく分厚い。
そして長い。
遺伝子の話が長々と出てきましたが、まさかそういう落ちでは…と
疑う事暫し。
この作者なので、そんな事はなかろうと
安心して読み進めましたが。
最後の解答編は、さすがに全てを回収するため
かなりの長さで進められます。
とはいえ、すべてが驚きで、まったくこういう落ちとは
考え付きませんでした。
そういう知識も、一応あったのですが…。
やはりすごいです。
が、長いですw
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『福祉、と呼ばれた日本の精神は、産まれてきても大丈夫よ、ではなく、ここで死んだほうが幸せなのよ、という段階でその成長を止めた。』
テーマは遺伝性疾患。著者曰く、「情報うんちく系のミステリー」らしい。なるほど、本書には、最先端医学や考古学の話題がふんだんに盛り込まれている。さらに、題目の通り、情報分岐が幾重にも折り重ねられているため、それはもう、やたら重みがある。とても片手まで流し読みできるような本ではないことは確かだろう。
一つの命題を軸として、扇形にストーリーを構成し、転も結もその範疇に収める技術は素晴らしいと思った。ただ、そのせいでオチが読めてしまう点と、最後がifではなくcaseで終わっていた点が、少し残念だと感じた。
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2011/1/27 Amazonより届く
2011/8/14〜8/19
最先端医療企業、SOUMONの周りで起こる不審死体の発見と殺人事件。遺伝子鑑定を行うと、とっくに死んだはずの人と全く同一人物であることがわかった。死者は蘇ったのか?
私とは相性の良くない柄刀作品。宮部みゆきさんの絶賛帯にもかかわらず、やはり前半は辛かった。後半は畳み掛ける展開で持ち直したけど。トリック、サブストーリーなど盛りだくさんで、
宮部さんが絶賛するのもわからなくはないが、やっぱり相性が悪いのかなあ。
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8月-16。2.5点。
時間かかった。読み辛い。
遺伝子問題、謎の殺人。死んだはずの人間の遺伝子が、出てくる。
ちょっと難しいトリック。