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算学奇人伝
著者 永井義男 (著)
「大小二つの円が接する一辺の長さは…」江戸・本所で算学三昧の日々を送る吉井長七は、幾何の難題に没頭していた。これは盗まれた六百六十両の在処を示す地図だという。関孝和の流れ...
算学奇人伝
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算学奇人伝 (祥伝社文庫)
商品説明
「大小二つの円が接する一辺の長さは…」江戸・本所で算学三昧の日々を送る吉井長七は、幾何の難題に没頭していた。これは盗まれた六百六十両の在処を示す地図だという。関孝和の流れを汲む和算を駆使し、長七の宝探しが始まった! 斯界の話題をさらった開高健賞受賞作、待望の電子化!
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紙の本
数学ミステリの新境地
2001/02/14 10:49
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:tosh - この投稿者のレビュー一覧を見る
ミステリに登場する探偵といえば、類まれなる推理力と観察力を駆使するのが常道。ところが、類まれなる数学の才能をもった探偵が得意の数学を駆使したらどうなるか。江戸時代の和算家を主人公に、現代的な数学パラドックスを織り交ぜながら巧みなミステリに仕立て上げたのが本書である。
負ければ負けるほど儲けが大きくなるサイコロ賭博。しかし、実際にトライしてみれば結局損をする。聖ペテルスブルクのパラドックスと呼ばれる有名な話題から本書ははじまる。数学は苦手でもギャンブルと聞けばとっつきやすい。そんな計算もあったかも知れない。また、盗まれた大金のありかは、江戸市中に掲げられた算額に記された幾何の問題に託されていたりと、数学三昧なのであるが、あきさせない。
ただ、不幸にも、冒頭のサイコロ賭博に関する著者による解説は間違っている。期待値は無限大だから、賭け金がどんなに高くても期待値では損はしない。でも実際には人はそれほど高い賭け金を払おうとしない。これがパラドックスである。このパラドックスの考察から限界効用逓減の効用関数の理論が発展したことは、経済学者なら誰でも知っていることだ。
こうした誤りを差し引いても読み応えある本書は、ミステリの新境地を開いたものとして強く推薦したい。
紙の本
学ぶことと楽しむこと。
2002/07/18 19:56
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:凛珠 - この投稿者のレビュー一覧を見る
算学を題材にした時代小説。ゲーム感覚で内容も短めな為、サラッと読める。小説としては、描写などが軽すぎて物足りない思いはあるのだが、ゲームのような算学を駆使して、イカサマ博打犯を懲らしめたり埋蔵金を発掘したりするという展開が面白かった。
私は数学は全くダメなので、数字で遊べる人は憧れである。数学が苦手でありながら算学を題材に小説を書いた著者のチャレンジ精神を買う。