紙の本
米原万里氏の日本の行き詰まった状況をウイットとユーモアあふれる語り口で浮き彫りにした痛快エッセイです!
2020/08/05 11:09
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、昭和期から平成期にかけて活躍され、『不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か』、『魔女の1ダース』、『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』、『オリガ・モリソヴナの反語法』などの傑作を世に発表されてきたロシア語同時通訳であり、エッセイスト、ノンフィクション作家、小説家であった米原万里氏のエッセイ集です。同書では、21世紀は20世紀の続きなのでしょうか?政界における多数派シンドローム、企業の膨張至上主義、崩壊する安全神話、続発する警察の不祥事など、日本の行き詰まった状況をウィットとユーモアあふれる語り口で浮き彫りにする痛快エッセイです。同書では、「2000年問題」、「コンクリートの寿命」、「第四の権力、あるいは21世紀最強の武器」、「第三の徴税人」、「空中の商魂」、「省力化の帳尻」、「離散家族と日本の責任」、「幼児に英語を学ばせる愚」、「器さえ良ければ」などのテーマで、興味深い話がどんどんと語られます!
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ブラブラ文庫の棚を見ていたら米原さんの読んだことないやつを発見。早速借りてみる。あーほかにも読まなきゃいけない本があるのに!と思いながら全部読んじゃった。
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自分たちの生活、食、安全、平和を守るために、今の自分にできることって何だろう、と真剣に考えなければと思いました。[2004/12/4]
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雑誌連載をまとめた内容のため、一編一編が短すぎる印象が強いです。内容も皮相的なものが多く、いみじくも解説文を寄せている佐高信のような論調になってしまっています。ということで、佐高信が嫌いな方にはお薦めできません。てことで星の数はちと少なめ。
# ただ、その佐高信による解説文は、それなりに楽しめるのが何とも言えません...。
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短時間しか乗らない通勤電車のお供に丁度良かった。どこからでも読めてどこでも中断できる、1話あたり数頁のエッセイ集。
小咄に慣れていないと、ノリというかパターンというか、その繰り返しに飽きてくる部分がないわけではない。(まとめ読みするものではないのかもしれない)
でもなかなか面白かった。
20世紀末から今世紀に入ってすぐの頃に書かれた文章だが、この国の政治経済の出鱈目ぶりは相変わらずだな…。
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図書館の本
内容(「BOOK」データベースより)
二十一世紀は二十世紀の続きなのか?政界における多数派シンドローム、企業の膨張至上主義、崩壊する安全神話、続発する警察の不祥事…。日本の行き詰まった状況をウィットとユーモアあふれる語り口で浮き彫りにする痛快エッセイ。
辛口、毒舌だけど、とてもとても楽しい1冊でした。
皮肉を混ぜながらの日本の政治批判、世界動向批判、そしてロシア像が見えてくる。
ネコと犬の違いとか、通訳のときのテーマとか、興味はつきません。
彼女の本はまた読めたらいいなと思います。
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米原さんの時事エッセイ集。
1998年から2001年にかけて、数誌に掲載されたものをまとめたもの。
とても辛口。
見せられている部分の裏側、提供者が隠したい部分を突いていてとても小気味がよかった。
小林よしのりさんの『ゴー宣』を読んでいるのですが、日本の現状については同じような書き方がされていましたのでこのあたりはすんなり理解できました。
嫌米についても合うみたい(笑)。
だけど日本史観が決定的に違うので、米原さんのエッセイのほうがより痛く感じました。
本当に、日本の将来に希望が持てなくなる一冊でした。
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米原万里さんによる20世紀末から21世紀はじめに書かれた、日本と世界の状況についてのエッセイ集。ということで、政治についてのものが多い。
やはり世界を見てきた人からみた目線というのは興味深い。今からもう10年も前に書かれたエッセイでありながら、思わず手を打つお話がたくさん。
米原さんのエッセイは本当に毒が効いていて、痛快!
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政界における多数派シンドローム、企業の膨張至上主義、崩壊する安全神話、続発する警察の不祥事…。今も変わらないテーマを縦横無尽に語りつくす時事エッセイです。「21世紀は20世紀の続き」かの知れません。
この本が出版されたのが2001年なので、書かれている時期は20世紀の終わりから21世紀のはじめの出来事が中心となっています。ここに書かれているのはいわゆる「時事ネタ」要するにそのときの時事を基にしたエッセイですが、今読んでもその内容がまったく古びていないということに、僕自身驚きを隠せません。
この本のコピーにいわく「21世紀は20世紀の続き?」という言葉が、重い意味を持っていると思うのはきっと僕だけではないと思います。企業が内部留保を持ちながらもリストラまたリストラを繰り返していることに怒り、ロシアのボリジョイが市場経済を意識したがゆえに肝心の芸術のクオリティが下がりっぱなしなことに憤りを感じ、天変地異の続く中で保険の契約に関して疑問の声を上げる。
しかし、そんな「お堅い」話が続く中でもロシアの文豪であるトルストイが
「セックスほど罪深いものはなく、子供を産む目的以外でするものではない」
と書き残していながら、自身は「お盛ん」だったという話などもあったりと、彼女が以下に教養人であったかということが文章の節々から感じることができて、あっという間に読み終えることができました。
彼女は2006年にがんで56歳の若さで逝去されてしまったと、「異能の外交官」という異名を取った佐藤優さんの本で知ることになったのですが、彼女がもしまだ存命だったらどのようなことを発言していただろう…。そんなことを考えています。扱っている話には時代を感じさせますが、その考察には現在も十二分に納得できるものが多いので、面白いと思います。
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ロシア語通訳、作家で、昨年(2006年)5月に亡くなられた、米原万里さんのエッセイ集。世紀の代わろうとする時期に、これまでを振り返り、今われわれのいる日本社会を再点検します。
いつもの切れ味鋭い視点にスパイスの利いた小咄を絡ませながら、現代の社会や政治などを、片っ端から俎上に乗せていきます。米原さんの見解には、半ば賛成、半ばは納得のいかない私ですが、エッセイとしては書き出しと最後がぴしっと決まっているので、読み始めるとついページを繰る手が止まりません。賛成できるときは、よくぞ言ってくれました! 出来かねる時はう~ん、うまい展開だねえ、とうなりながら読みました。これはやっぱり、ロシアの小咄がベースにあるテンポなのでしょうか。強烈な皮肉と静かに流れ続けるペーソス。もう新しいエッセイが読めないなんて、本当に残念です。[19 Jan 2007]
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「婦人公論」や「ミセス」向けに書かれたエッセイ。米原万里さんの本はずいぶん読んでいますが、こういう政治批判っぽいエッセイは個人的には好きではないですね。「嘘つきアーニャの真っ赤な真実」とか最高なんですが。
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2023年1月15日机の下の段ボール箱を整理してたらポロっとこの本が出てきた。
整理の手を止めて、懐かしく拾い読みを始めたら、大部分を読んでしまった。
短い文章の中に鋭い警句、社会批判をふんだんに取り入れた米原節が心地よい。
いま、これだけの率直さでものを書く人は、残念ながら見当たらない。
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米原さんってものすごく頭のいい人だったんだなあ。日本を客観的に見たり、世の中の先を読んだりすること、そしてそれを読みやすい形で表現することに長けている人。これ読んで、日本の立ち位置が分かったような気がする。10年以上前に書かれたものなのに、ちっとも古さを感じなかったなあ。現代も斬ってもらいたかった。惜しい方をなくしたなと思った。
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十数年前に書かれた時事エッセイ集。でも全然古さを感じない。特にロシア危機なんてまさに今も通ずること。人間は進歩しているようで同じところをグルグル回っているだけなのかもしれない。
定期的に米原万里ブームが来る。この本も図書館で借りたの何回目だろう。(いい加減買えや)
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日本で生まれて日本で育ったことを、恵まれているとは思いつつも、どこか不完全感をぬぐえない自分が生まれてくるよう・・・