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電子書籍
坂本龍馬の「私の履歴書」
著者 八幡和郎 (著)
尊敬する人に「坂本龍馬」を挙げる人は多い。龍馬はなかなかのやり手で、自由闊達な魅力的人物であることは確かだが、いっぽうで司馬遼太郎の『竜馬がゆく』をはじめとした歴史小説や...
坂本龍馬の「私の履歴書」
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坂本龍馬の「私の履歴書」 (SB新書)
商品説明
尊敬する人に「坂本龍馬」を挙げる人は多い。龍馬はなかなかのやり手で、自由闊達な魅力的人物であることは確かだが、いっぽうで司馬遼太郎の『竜馬がゆく』をはじめとした歴史小説や、大河ドラマ『龍馬伝』などの空想話を史実と混同し、誤った龍馬像が定着してしまった現実もある。そこで本書では、切れ味の鋭い歴史論評で知られる著者が、あの世にいる坂本龍馬になりきって、その波乱万丈な生涯と、幕末というどろどろとした激動の時代を改めて振り返る。
目次
- はじめに~龍馬を知りたければ小説もドラマも見ない方がいい
- プロローグ 生身の、人間くさい、真実の龍馬
- 第一章 高知城下で富豪の次男坊として生まれる
- 第二章 学問は苦手なので江戸にスポーツ遊学
- 第三章 勝海舟先生の秘書から薩摩に移籍する
- 第四章 薩長同盟で私にしかできなかったことは何か
- 第五章 海援隊と『船中八策』についての真相は
- 第六章 龍馬が生きていたら歴史は変わったか
著者紹介
八幡和郎 (著)
- 略歴
- 昭和26年滋賀県生まれ。東京大学法学部卒。国土庁長官官房参事官などを経て、作家・評論家。徳島文理大学大学院教授。著書に「本当は恐ろしい江戸時代」など。
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紙の本
一人称で書かれた人間くさい、よりリアルな龍馬像
2010/07/04 23:46
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:MtVictory - この投稿者のレビュー一覧を見る
小説や大河ドラマでは美化されすぎている坂本龍馬。明治維新の立役者、ヒーローのように捉えられているが、誤解も多いようだ。本書は自伝形式で書かれ、人間くさい、よりリアルな龍馬像が示されている。
「竜馬がゆく」、「龍馬伝」等で描かれている内容の誤りも、「私とは関係ない」とか「事実でない」、「そんな憶えもない」などと一人称で指摘しているのが面白い。「竜馬がゆく」が書かれた頃には知られていなかった事実もあるだろうし、小説では面白おかしくフィクションを挿入することもあり仕方がない部分はある。
第六章では京都・近江屋で暗殺される場面が描かれる。もし暗殺されていなかったらその後の歴史は変わっていたかと著者は問い、龍馬に「大きな流れでは違いはなかった」と語らせている。既に大政奉還は実現され、新しい政体の確立に向けて世の中は動き始めていた。明治新政府に呼ばれたとしても役所勤めは向かないと言わせている。なるほどそうだったかも知れない。
「おわりに」では、龍馬は「独創的な思想家でも、すごい人格者でもない」といい、彼の素晴らしさは「チャンスを上手に生かす」、「問題を軽やかに登場し理屈より行動で示すことで解決したこと」にあったと書いている。「触媒」の役割、あるいは野球ならピンチヒッター、リリーフピッチャーにも例えている。自由奔放に見えながら、オープンな心で他人からよく学び、天下国家のことを思い、自分がやれることを考え行動した人物であった。