紙の本
宇宙の膨張? それがどのような影響を与えるものなのか
2012/03/11 21:32
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
冬の夜空は輝かしい。オリオン座を中心として明るい星がきらめいているからである。そのオリオン座は実に様々な話題を提供してくれる。三ツ星の近くの星雲では星が誕生しつつあるエリアとして有名である。本書ではオリオン座の一等星で赤く巨大な星、ベテルギウスが主役である。
ベテルギウスは赤く巨大な星、つまり赤色巨星という段階にある星である。観測環境の悪い東京でもよく目視できる。もう一つの一等星であるリゲルと対を成している。このベテルギウスがなぜ話題になっているのか。赤色巨星は星が迎える最期の段階にあるからである。
つまり、もうすぐ超新星爆発して消滅してしまう星なのである。もうすぐとは明日かもしれないし、数百年、数千年先かもしれない。どこの誰が言い出したのか不明であるが、2012年に爆発するかも知れないという説が出ている。可能性としては明日かもしれないとは言うが、それは地球上のもうすぐと、宇宙空間のもうすぐでは天文学的な開きがあろう。
本書では、サイエンスライターの野本陽代がこの超新星爆発に関わる天体のエピソードと、そこから紐解く宇宙の始まりに関する最新の話題を提供している。超新星爆発はある程度大きな星の一生の終末に巡ってくる現象であるが、そこから最近になって判明した説を紹介している。たとえば、ラジオ星の中のパルサー、ブラックホールなどの現象である。
野本はそこからさらに宇宙の果てに関する新しい話題を提供する。白鳥座六十一番星で初めて恒星との距離が分かったことや、望遠鏡開発の歴史、そして膨張する宇宙までとスケールが大きい。
天体の階層構造にも言及している。宇宙の天体は星、星団、銀河、銀河団、超銀河団という階層構造を有しているというのだ。このような銀河の存在は宇宙に満遍なく存在しているかと言えばそうではなく、偏っているという。いわゆる泡構造である。
そして最後は最近のノーべル賞受賞者に天体物理学を専攻する学者がいることも教えてくれる。そして、彼らの中では熾烈な競争が繰り広げられており、宇宙の膨張とその速度との関係への注目を促している。宇宙の先端になればなるほど膨張のスピードが速いと言われても、ピンと来ないのだが、この宇宙の広がりはどこまであるのだろうか。大昔に子供向けのアニメーションで、ロケットが宇宙の果ての壁に激突するところが描かれていたが、こういうことが現実にはない。それにしても、この宇宙の一員である地球人類にとって、それがどのような意味を持つのか、関心が高まるというよりも膨張したり、収縮したり、一体どこの誰がこの現象を支配しているのだろうかと考えてしまう。
紙の本
宇宙は面白い
2014/02/19 10:23
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投稿者:わたしはだーれ - この投稿者のレビュー一覧を見る
人間には考える能力がある。量子の世界から宇宙まで考えることができる。とても素晴らしいことだ。自然のベールを一枚一枚はがしていくが、多分、ベールの最後をめくることは不可能だろう。はがすごとにまた新たなテーマ、不思議が表れてくるから。
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科学の本はあんまり読まない。案の定、ページを行ったり来たりして、アタマがガクッと落ちた。つくづく理系アタマではないと感じた。
赤色巨星は生きてる間に爆発するのか?現時点までで宇宙の理解されている部分を解りやすく解説。されていると思う、たぶん。
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生きているうちに超新星爆発を見たいと思い購入。
1/2 読了。おもしろい。ベテルギウスの超新星爆発をきっかけに新しい発見があり、特にダークマター、ダークエネルギーが何なのか宇宙の謎に迫れればいいなと思います。興味は尽きません。
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タイトルになっているベテルギウスに対する記載はちょっとだけで、大半は恒星の一生、爆発の仕組み、そのときの起きる現象、観測チームの話や天文学の歴史です。
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超新星爆発というキーワードから最新宇宙論を紹介している。
恒星の性質、進化、その最期。これらを本書の前半で簡潔に解説し、後半では恒星までの距離の求め方はどのようにするのか、そして宇宙の膨張について書かれている。
説明はわかりやすく、特に前半の恒星の話は定性的で、とても明快であった。HR図の見方もシンプル。また、洋書に比べ、オルバースのパラドックスもわかりやすかった。
最初にも書いた通り、キーワードは超新星爆発。ここからシンプルに宇宙の加速膨張までを概説している。一本の筋が通っていて全体を見通しやすい。また、数式は一切出てこないので、定性的に宇宙を学ぶにはうってつけな一冊。
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人は見た目が九割って本があったけど、宇宙の96%が何かわかってないんだったら、それにどんな意味があるのか?こういう本を読むと胸がザワザワして落ち着かない。
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「ペテルギウスの超新星爆発」というかなり刺激的な題名に惹かれて買ってしまったが、良く目次を見てから買えば良かったと後悔しきりだ。
ペテルギウス超新星は新書版全220ページのうち最初の40ページ弱で残りは所謂普通の宇宙論の紹介。しかも新書でかなりの部分を網羅しようとしているので、星の一生、星の距離の測定、加速膨張する宇宙など、どの話題も一通り表面をなぞっただけのもので食い足りなさが残る。
そして肝心のペテルギウスの超新星爆発についても、マスコミで「2012年説」が一人歩きしている気配があるが、基本的には「それは明日かもしれないが10万年後かも知れない」というごくごく一般的な話でした、というオチ。
ちょっと考えてみれば、超新星爆発の時期を予測することはまず不可能であり、もしも予測しているものがあればそれは予測ではなく「希望的観測」の域を出ないはずであり、如何にも週刊誌の見出しで客を釣るようなものだ。こんあ単純な話に引っかかった自分が馬鹿だった。
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超新星をテーマにした科学エッセイですが、読みやすくてわかりやすかったものの、入門書という性格上すでに知っている内容も多く、また薄い本でありながら、科学者たちの先陣争いなどのゴシップなどにもページを割いている関係上、やや内容が薄かったかな、と思いました。
超新星のことを特に知りたいのであればこの本でいいのでしょうが、科学者のゴシップなども含めても、天文学の一般的入門書としてなら、サイモン・シンの「宇宙創成」の方が内容が濃くていいように思います。(そちらのレビューは、僕の以前のブログに書いています。-> http://books.fujishima.main.jp/?eid=1117927)
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ベテルギウスは最初の第一章だけ,副題の加速膨脹についても最終章で触れられる程度。メインは宇宙論の発展について。シン『宇宙創成』で読んだのでざっとさらう感じだった。
ベテルギウスは,今年にも超新星爆発してもおかしくないと話題になってる。もしすれば,満月くらいの明るさになって昼でも見えるようになる。前回銀河系内で超新星爆発があったのは,400年も前。もしベテルギウスが超新星爆発したら,その仕組みが詳しく解析されて宇宙論が大いに進展するはず。
400年前の超新星爆発はケプラーの頃。師のティコの頃にもあったというが,400年前は望遠鏡はなく,肉眼での観測。それでもこの天体ショーは詳しく記録され今に伝わる。ベテルギウスはもっと地球に近く,640光年くらいの距離。しかも今人類は多くの高性能望遠鏡を持ってる。これは期待大。
それだけにちょっと本書は期待外れ。一応超新星に焦点を当てた感じではあるのだが,いかんせん一般的な宇宙論の解説が多い。面白いエピソードも読めたのでまあいいけど。メシエが作ったメシエ・カタログは,彼が熱中した彗星探しのため,彗星でない無視してよい星雲・星団をリストしたもの,とか。
著者は,サイエンスライターということだが,慶應の法学部出身らしい。文科省宇宙開発委員会の委員を7年やってたそうだけど,どういう経歴だろ?ちょっと誤解に基づくような記載も。
p.77「ヘリウムは独立独歩の元素で、互いどうしでもペアを組むということがない元素です。そのため、ヘリウムが核融合するためにはある条件を満たさなければなりません。三個のヘリウム原子核がほぼ同時に超高速で衝突することです。」
これって化学反応と核反応をごっちゃにしてないかなぁ?
著者の夫の野本憲一氏は天文学者ということ。なるほど。
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分かりやすい文体で丁寧に書いてあります。とても読みやすい。
ベテルギウスが近々超新星爆発したら、きっとしばらくは昼までも見えるのでしょうね。日本は今冬だからオリオン座が見えている季節ですが、夏場に超新星爆発したら、日中見えるということ。地球にはおそらく被害は来ないと思われますので、ちょっと見てみたい。
でも爆発してしまったらオリオン座の形が変わってしまいますね。それは困るなぁ。
後半は宇宙についての研究を紹介しています。分かりやすいですよ。
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Pod castで2012年にベテルギウスが超新星化するかもしれないと聞き、驚いて本屋さんを探していると早速本書が出ておりました。2012年といえばマヤのカレンダーも終わり。この超新星化を予言していたのかっ!と同僚と飲みながら馬鹿話をしていたのですが、2012年なのか1万年後なのかは正確にはわからないらしい。
ベテルギウス自体の話しは前段だけで終わりで、あとは超新星から宇宙のなりたちを紐解いていく章立てになっています。今まで断片的な情報だったのが一連の流れとしておさらいできました。
実にさらっと書いてあって物足りないけれど、このへんはブルーバックスに求めるべきか?頼むよ~。
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オリオン座の左肩の赤い星、ペテルギウスが超新星爆発しそう、という話から、星の一生、宇宙の姿、天文学の歴史と現状までをさらりと読める、かなりお買い得な本。文章には無駄がなく、解説は丁寧で分かりやすい。
ペテルギウスは、星にしては近所にある。それが爆発したらどうなるのか?とりあえず、一番最悪のシナリオでも、地球は大丈夫そうだ。それならば、ぜひとも生きてる間に見たい。。。オリオン座から彼がいなくなるのは大変さみしいけれども。
星が生まれて、我々人間からすると、かなり緩慢に年を取っていくのだけど、最後はものすごくドラマチックに、瞬きする間に劇的な変化を遂げ、爆発する。水素とヘリウムぐらいしかなかった宇宙にある、あらゆる元素は、超新星爆発によってつくられる。私たちを形作る複雑な元素も、そうやって作られた。
やっぱ宇宙は面白い!
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ベテルギウスの超新星爆発の内容やメカニズム、そして、宇宙の科学もさることながら、天文学の歴史も面白い。『天文学』は科学的な学問で時折ちんぷんかんぷんになるけれども、名前に≪文学≫と付くだけあって、時々文章の中にでてくる表現にロマンを感じると言うか自分のわくわく感がそそられる。
科学、化学だけでなく、文学的要素が見られるところにとてもいいと思う。
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ベテルギウスの爆発
宇宙の神秘が少しでも理解できるかと読み始めたが
宇宙脳ではない私は
宇宙について優しく説明されているに違いない本書であるのに
なにやらチンプンカンプン
それでも読み進めていけたのは
その中にも幾つものへぇーが有ったから
宇宙を知るには
天才のひらめきと粘り強い精神の両方が必要とよくわかった!
宇宙は不思議で果てしない!!