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タクティカル・ジャッジメント 逆転のトリック・スター!
著者 著者:師走トオル , イラスト:緋呂河とも
俺の名は山鹿善行。自分でいうのもなんだが、かなり有能な弁護士だ。逆転無罪――この輝ける戦歴を残せるのは、世間広しといえ俺の他にそうはいない。ある日、俺のもとに、1本の電話...
タクティカル・ジャッジメント 逆転のトリック・スター!
タクティカル・ジャッジメント 逆転のトリック・スター! (富士見ミステリー文庫)
商品説明
俺の名は山鹿善行。自分でいうのもなんだが、かなり有能な弁護士だ。逆転無罪――この輝ける戦歴を残せるのは、世間広しといえ俺の他にそうはいない。ある日、俺のもとに、1本の電話があった。かけてきたのは水澄雪奈。可愛くて、優しい、俺の幼なじみだ。だが――。あろうことか、その雪奈に殺人の嫌疑がかかっているという。どこのどいつだ? そんなタワケたことをぬかすのは!? 雪奈を悲しませる奴は、泣いてごめんなさいというまで後悔させてやる。この裁判、何がなんでも奪うぜ、逆転無罪っ!! 第2回富士見ヤングミステリー大賞準入選作。
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紙の本
いまだかつて、こんなにするする読めちゃう法廷ものがあったでしょうか…。
2005/01/30 02:50
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:oki - この投稿者のレビュー一覧を見る
ジョン・グリシャムを読んだらあまりの専門用語の多さに50ページで挫折し、裁判を傍聴したら途中で寝てしまう、そんな作者が、ややこしい言い回しをできるかぎり抑えて書いた法廷ライトノベルです。実は中学生に教えてもらいました。この調子の表紙にあのアオリ文句で、果たして大丈夫か?とか思いながら読んだら…いや面白かったんですよ、これが。
予備審問に陪審制度が導入され始めた近未来。刑事や検事を挑発して挙げ足をとるのが大得意の、傲岸不遜な弁護士・山鹿善行の元に、ある日、幼なじみのはとこ水澄雪奈から、一本の電話が入りました。「助けて、お兄ちゃん…」本人を知る百人が百人「人を助けることがあっても殺すなんてことは絶対ない!」と断言するような筋金入りのお人好しが、殺人で逮捕? 馬鹿も休み休み言え! てなワケで、彼は勇んで弁護に乗り出したわけなんですが…。
冤罪を晴らす為にはどんなあざとい手も使う善行さんの、法廷での役者っぷりと、プライベートでのヘタレっぷりの落差が大変微笑ましいです。脇を固める登場人物も皆さんユニークで、特に探偵と中学生から見た善行と雪奈なんて、想像すると笑いが止まりません。
実際にはあり得ない強引な展開と見せ場には、痛快感を感じる一方で、もし被告がまかり間違って実は殺ってたりしたら笑えないものがあるのですが、その辺を心配してしまう人はぜひ次巻もどうぞ。善行さんの本性がもう少し洩れかけてて、私はなんだか納得しました。
ところでイラスト可愛いけど、表紙といい挿し絵といい、本文とかなり違ってますよね。これってわざと?
紙の本
緊迫した法廷でのスピード感ある攻防は読みごたえ充分。
2005/05/26 20:57
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:いくら - この投稿者のレビュー一覧を見る
法廷ものにありがちの専門用語の羅列を排除し、簡略化することで、リズム感がある読みやすい作品に仕上がっています。
予備審問や陪審制度など、新しい制度を導入した日本という設定がとても生かされていて、現在の日本の「長い」裁判へ警鐘を鳴らしているように感じました。
物語の大半が法廷を舞台にして進み、基本的に捜査は警察と雇われ探偵が行い、集まった情報を基に論理を組み立てていきます。
それだけだと坦々とした印象になるところですが、そんなことないんですよ。主人公達にとって都合の良いこと後には悪いことがあり、その緩急の付け方が上手いんですよね。スピード感があって、飽きることなく一気に読ませてしまいます。
ただ、女性のキャラクターがちょっと使い古されたパターンの中にいるのが残念。
なんていうか・・・女の私が読むと、これは絶対作者は男性だな〜って妙に感じるのですよ。
その代わり、主人公の山鹿をはじめとする男性陣のアウトローっぷりがなかなか素敵。
山鹿って自信家で鼻持ちならない性格なのですが(^^;)、言うだけの事をきっちりやるから爽快なんですよね。法という決められた枠の中で、それを逆手にとって無罪を勝ち取る様はアンフェアながらもスカっとさせられます。
でも、それ以上に相棒の探偵・影野が主人公を食う格好良さなんですよね!2人のちょっぴりガキっぽい会話も青春してて好きです。
物語の根底にあるのは「被告人を信じること」です。
もし私が被告人だったら、こんな風に信じてもらえるだろうか?「あの人ならやりかねない・・・」なんて言われないよう、日頃から実直に生きたいものです。(笑)
だからこそ、山鹿が「疑わしい被告人」に出会ってしまった時、それでも「信じる」のか?そんな姿を見てみたいと思いました。そこに彼の弁護士としての真価が問われるように思います。
続編に期待。