紙の本
目からウロコの“子育て論”満載。
2012/12/21 17:43
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:めだかの兄弟 - この投稿者のレビュー一覧を見る
私は、1番上の長男を出産したとき、育児本、雑誌などを頼りに子育てをスタート。結果、何事にも神経質になってしまい、長男にとっては面倒くさい親だったかも・・・。本書は、養老孟司の著書にたびたび登場するという、「子どもは自然である」という説に、小島慶子が、「全国のお母さんたちに教えてあげたかった。きっと多くのお母さんが楽になると思った」と、8年も前から、養老先生と一緒に子育ての本を出すことを熱望し実現したものである。奥深い“子育て論”から得るものがたくさんであった。心が楽になっていくのは、2人の著者が、本音で対談しているからだろう。
本書は、養老孟司(東京大学名誉教授であり、400万部を超える『バカの壁』(新潮新書)などの著書多数)と、小島慶子(オーストラリア生まれ。学習院大学法学部卒業し、TBSアナウンサーを経て、2010年、フリーのラジオパーソナリティに。2人の男児の子育てに奮闘しつつ、ラジオやテレビ、雑誌連載など執筆でも活躍している)による、子育て対談である。
【第一章 子離れなんて、できなくていい:《「子ども」と文明社会・都市社会はそもそも折り合わない》他17テーマ】、【第二章 それでもお受験、させますか《「こんなに頑張っている私を誰も褒めてくれない!」》他16テーマ】、【第三章 どんな花だって、世界に一つ:《「その人の器なりの人生」という考え方を失った社会》他14テーマ】、【第四章 おカネとエネルギーに依存しない幸せ:《周囲とぶつかる人、迷惑かける人のほうが信用できる》他17テーマ】。
第一章の《「絵になる子育て」に縛られて自分を追い詰める私たち》のテーマに<ドキッ>。絵になるようなキレイな子育てを理想とし、自分を追い詰めたことがあるからだ。2人の対談の中に、《小島 ―本当にそんな絵になる子育てなんてどこかに存在するのだろうか。いや、ないのではないか。ないものに縛られ、苦しめられているなんて、バカみたいだ。―》、《小島 まさに先生のおっしゃるとおり、子どもは自然である。親が思い描く絵のとおりにつくれるはずがないですね》、《養老 ―親はまず、相手が自然であることを認める。そのまま放置していては野生児になりますから、毎日ガミガミ言ってひたすら手入れし、しょっちゅう見ていなければいけない。「ああすればいい」「こうすればこうなる」が成り立たない。努力・辛抱・根性が要るんです》を読み、確かに、子どもは自然だと思えば、思い通りにいかないのが当たり前である。<うむむ うまいこというなあ>と共感しきり。
2人の対談は、教育、原発、受験、自殺、虐待、イジメ、田舎、都市など、さまざまなテーマを取り上げた奥深い対談で、学びが多くタメになった。私自身、子どもの悩みは尽きないなあ・・・と四苦八苦しながら子育てをしているが、養老先生の《悩むより、やって間違えてやり直す方が生産的》という言葉に、とても励まされ勇気付けられた。
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投稿者:タタ - この投稿者のレビュー一覧を見る
絵になる理想そのままの子育てなんか存在しないんだという子供を育てていて、勇気をまらうことができました。
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とても面白かった。お子さんがいる方は必見。こどもは自然そのもの。正しい子育てなんてないし、「こう育てればこうなる」なんて思うのは大間違い、ってことがよくわかります。
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養老さんと小島さんというちょっと気になる対談だったので思わず読んでしまった。
全体的に、子育て世代であたふたする小島さんを、まあ落ち着けやと養老さんがたしなめるような雰囲気。
ワタシも今まさに子育て真っ最中で、小島さんの意見のほうに気持ちが傾くので、養老さんの爺さん的な小言もまあ聞こうかというスタンスで読み進めた。
子どもは「自然」そのもの。「こう育てればこうなる」なんて思うのは大間違いだね。
この養老さんの言葉を頭において、子育てしようと思った。
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対談本ということもあり、読みやすくスラスラよめた。
とてもためになる!という感じの本ではないけれど、子育てしている人は読んでも損はないと思う。
こどもは「自然」。本当にそうだ。
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”子供は自然なのだから、親が脳のなかで「こう教育すればこう育つ」なんていくわけない」が持論の養老先生に、都会派ママの教育常識に疑念を持つ小島さんが挑むという対談集。
これはすべての子育て中の親に薦めたい。
一冊はもう早速プレゼントしちゃった。
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子育ては現在も実行中ですが娘たちが成長するに伴い、親としての悩みも増えてきているのが実情です。
この本のタイトルにあるように、子育ては「手探り」の状態でやっているので、「絵になる(お手本となると理解しました)」子育てなかない、ということには共感できました。
手がかからなくなってきている反面、頭を悩まされることが多くなってきているこの頃ですが、妻と二人で頑張っていきたいです。
以下は気になったポイントです。
・テレビは、一個のカメラが撮っている画像を全視聴者が見るという、非常に異常な事態が続いている、現実の人間h全員違うものを見ていて目を共有できないのに(p33)
・テレビが引き起こす間違いとして、「絵になるものに価値があるという刷り込み」がある(p34)
・日本の義務教育が非常に良くできていたのは、世間並というレベルまで全員を持って行ったこと(p74)
・音声化していない、自分の頭の中だけで考えている言語のほうが圧倒的に多い(p78)
・東大合格者の数を伸ばしている新興の進学校から入学してきた学生は五月病になることが多かった(p81
・仕事とおカネの出所が直結している職人さんや一次産業の人は信用できる(p86)
・体育とスポーツは異なる、体育は自分の体をどう上手に扱うかであり、運動能力とはことなり「コツ」を覚えること(p90)
・間伐されていないので樹木の高さに対して、葉のついた枝が出ている部分の高さの割合が2割を切っている、これが1割台になると樹木は育たない(p108)
・地球温暖化論や、反捕鯨運動等、世論操作の実験だったと思われるものがある(p123)
・日本の人口は1.28億人、中国の10分の1、世界の55分の1なので、何ごとも「55分の1」を目指せばよい(p135)
・20世紀は特殊な時代であった、親の言うことは気にしなくていいんだとわかれば、現在30-40代のお父さんお母さんは、それだけでも楽なる、どの時代でも成功体験というのは危ない(p143)
・オウムに入り込んだのは、理科系教育を受けた二流くらいの秀才、文科系の秀才は少し遅れて「オレオレ詐欺」をやっていた(p168)
2011年12月18日作成
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子どもなんかいないけど、面白かったし参考になる。イクメンについては両者意見が分かれていたけど、力強い対談。その他、世論操作の話も。子どもを産んで一人前という世の中に出回っている言葉に対し、「自分の人生の根拠を子どもに求めるのは話が逆立ち。」
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まさか、オール対談とは思わず…
対談だとどうしても掘り下げるのは難しいからね(^^;
でも、雑誌気分でサラリと読め、
宝物のような言葉があちこちに*:・゚★
「子供は『自然』そのもの。『こう育てればこうなる』なんて思うのは大間違い。」
「日本は、気候に恵まれ、植物に恵まれ…(中略)独自の文明が作られるだけの財産があったわけです。そこで上手に暮らしていくのが日本の暮し方であって、どうして国際競争をしなければいけないのか。」
他にもキラキラしたメモりたい文章が沢山。
小島慶子さんの「あとがき」もそれだけで素敵なエッセイの様。
いい本。あっこに感謝♪
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養老氏の「子供は自然だ」という言葉に刺激された小島氏が、熱烈なオファーを送り実現にこぎつけた対談。
若いお母さんが抱える悩みが養老氏の手に掛かると...。
僕は興味深く読みました。
子育て中のお母さん、きっと気持ちが楽になりますよ。
養老ファンの方、ご一読を。
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なぜか、こっちの本屋にはおいてないんだよな~。
小嶋慶子好きだし、気になる。
育児本は読まないほうがいいという話も多いけど、
こ自分の気が楽になる育児本だったらいいんじゃないかな~と
思うのであります。
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解剖学者の養老孟司先生と、フリーアナウンサーで二児の母親の小島慶子さんが語り合う次の時代の親と子の幸せについての対談をまとめたものです。養老先生の言葉と小島アナの「母親の本音」が交錯しております。
この本を作るきっかけとなったのは8年前に解剖学者の養老孟司先生の
「子どもは自然。大人の思いどおりになんかならない。子育ては田んぼの手入れのようなもの」
という子育て論に小島慶子さんが感激し、なんと、養老先生の自宅まで
「養老先生と子育ての本を出したいんです」
と押しかけていったいうことです。彼女の行動力にも非常に驚きましたが、対談の内容がこれまた深いことをさらりと書いていて、かつて子供であった自分も
「そーだよなー。子供が親の思うとおりには育たんわなー。」
と思いながら最後まで読み進めてしまいました。
世の中が変わるなら子育ても変えなきゃいけないですか?
「こんなに頑張ってるのに誰も褒めてくれない」
と思うのはワガママですか? などの「理想の子育て」というものに縛られて身動きが取れなくなっている「いまどきの母親」のいうことを小島アナが代弁すれば、養老先生がこれまた達観された回答で快刀乱麻を断つすばらしい展開をされていて、読み応えのある本でございました。
個人的に一番面白かったのは、養老先生が奉職されていた東京大学医学部でデキる学生というのはこっちが何も教えなくてもできた。逆に自分が教え込んだのは箸にも棒にもかからない学生たちだった、という箇所と、田舎と都会、それぞれに家を持って双方を往復する「旅人」のような生活をするのが望ましい、という箇所でした。都会と田舎に家を持っている人は最近だと仕事部屋で使うマンションのほかにその近辺、たとえば東京で言うと箱根湯本かどこかに書斎をかねた家を持っている、という方はいるそうですが、自分がこういう生活をするには、まだまだ時間がかかるだろうなと思ってしまいました。でも、あきらめてはいませんけれど。
一方の小島アナの話も、自分の近くに住んでいる主婦で、何もかも完璧であるけれど、あるとき
「私のことを何だと思ってるのよ!」
という怒鳴り声が聞こえた、と述懐していたのが妙に心に引っかかっています。理由はわかりませんが。とにかく、育児書としてはもちろん、知的な対談本でもございますので、よろしければぜひ手にとって読んでいただければな、と思います。
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哲学書というものを読んだことがない。だから一体どういう体裁で、厚みや文字の大きさがどんななのか、名称からくる取っつきにくさからもまったくおつきあいする気もないし、今後も変わらない思う。哲学って意外と身近なところに本質が隠れているんじゃないかと感じていたのも理由の一つだ。
まさにこの本がその感覚。
文字が大きめ、対談形式。パッと読める体裁。なんだか読み応えがないかもしれないけれど、しかし、内容はまことに哲学に富んでいる。膝を打つフレーズが連続する。
子育てでひりひりしている方々、いろんなことが心配で子供を作り育てる自身がない方々、一度読んでいただきたい。
自分の子供にがっかりすることの連続だとお嘆き(かく言う僕もその一人)の諸氏にとっていい気分転換と軽い意識変革がおこるかもしれません。
完璧なんてありえない。そうなんだなと思い直すのにいい一冊です。
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子供は何一つ親の思い通りにならない。この言葉、ものすごく気持ちが楽になったなぁ。所々、ちょっぴり難しい話もあったけど対談形式なのでとても読みやすかった。
『自分が自分であることは偶然で、自分があの人だったかもしれないのだと思うことが、想像力や共感や思いやりを生む』生きていくうえで何よりも大事な事。しっかりと子供に伝えていきたいな。
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対談集(オール対談)。
堅苦しくなく、するすると読めます。
養老 孟司氏と小島 慶子アナウンサー、気になる2人の育児対談、ということで図書館で予約して(人気あるみたいで結構待ちました)借りました。
ちょっと想像していたのとは違うんだけど、良かったです。
育児というより哲学っぽい?現在育児中の小島さんの気持ちや考えを、元教育者(育児者ではない)養老氏が2歩くらい離れて哲学っぽく解説したり自分の考えを述べたり、フォローしたり。
現在育児中の母としては「肩の荷物をとりあえず地面において」楽しめる感じでしょうか。
うんうん、そうだよねー!!と激しく同意する子育て本というよりは
ふむふむ、なるほどねェ・・・あァ、そういうこと、あるかもしれない(と、たまに頷く)、というスタンスの育児書、かな。