紙の本
隠れた名作
2015/11/04 07:21
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投稿者:rumo - この投稿者のレビュー一覧を見る
未だに「面白い本は?」と聞かれたらこの本は名前を挙げます。なぜベストセラーや映像化しないのか不思議。
小説家の主人公とその悪友の刑事。このペアがいいと思いきや謎解きをするのは小説家の奥さん!究極の安楽椅子探偵だと思います。上品で情緒があって。
小説と一緒に珍しい郷土料理もお楽しみください。
紙の本
行間から立ち上る美味しそうな香りがたまらない
2003/06/27 14:30
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:べあとりーちぇ - この投稿者のレビュー一覧を見る
箱入り奥さんが大活躍する安楽椅子探偵もの第2弾。
と言っても、ミステリはほぼ付け足し。「ミミズクとオリーブ」と本書の2冊は、共に作中に出てくる奥さんの手料理をひたすら脳裏に思い浮かべてヨダレをたらす、そういう楽しみ方をするのが正しい。
大根と豆腐の炒め煮、塩餡のお餅、エボダイの干物、アラメの甘辛煮、豚バラの角煮、イリコ飯、ヒャッカのトウ漬け、ウルメの丸干し、メバルと葉ゴボウの炊き合わせ、エトセトラエトセトラ…。
こういう品々を前にしたら、人は誰でも子供に帰る。箱入り奥さんのご亭主である作家氏も、その友人でいつも事件を持ってくる河田刑事も、もう丸っきりコドモである。河田刑事など、よそんちの奥さんに「あれが食べたいこれが食べたい、ナントカの煮物は絶品ですよね」とか何とか、ちゃっかりリクエストまでするのだから呆れてしまう。
作家氏と河田刑事の、漫才のような掛け合いの会話も読んでいて実に楽しい。こういう楽しい会話を交わしながら奥さんの美味しい手料理をいただいたら、きっと病気などとは無縁の生活を送れるだろう。昨今では絶滅寸前の幸せな食卓である。
間違っても空腹な夜中に独りぼっちで読んだりしない方がいい。
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「ミミズクとオリーブ」の続編。とりあえず相変わらず奥さんの作る料理が本当においしそう。主人公の浮き世離れした感じと奥さんのしっかりものの性格、そして友人の河田のキャラが絶妙にマッチして、さらに文章に溢れるユーモアが読んでて飽きさせない。推理の面では、ガチガチの本格を期待するとちょっと肩透かしかもしれないが、伏線の妙と設定の魅力、そしてロジカルではないにしても鮮やかな推理が展開されて満足できる。
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シリーズ第2作目!相変らずのテンポの良い会話に引き込まれますwなんか全体のほのぼのとした雰囲気がいいです。
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「ミミズクとオリーブ」に続く、安楽椅子探偵、第2段。
料理のさえも推理のさえも、ますます好調で。
直木賞作家が贈る美食と推理の華麗なる競演、どうかお試しあれ。
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主人公“ぼく”と悪友・河田刑事との会話がやっぱり面白くて、何とも絶妙。そして奥さんの名探偵ぶりも、もちろん健在です。第一弾と比べると、こちらの方が若干、ミステリ色が強いかな、と思いました。でも奥さんの手料理は相変わらず美味しそうです。詳しいレシピなどがあれば是非、チャレンジしてみたい料理ばかり。レシピ本を出してくれないかな…。
これ一冊でも十分に楽しめるとは思いますが、より楽しみたい方にはシリーズ第一弾から読むことをオススメします。あと余談ですが、喜国雅彦氏の解説がかなり面白かったです。
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「ミミズクとオリーブ」の続編。奥さんのつくる料理はやっぱり美味しそう。「ぼく」のダメっぷりも河田刑事との掛け合いも相変わらず面白い。日本家屋の素朴さや、おっとりしているように見えてしっかり者の奥さんのキャラクターなどお約束でありながらホッとしてしまいます。
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安楽椅子探偵な嫁のシリーズ。
このシリーズはミステリよりも食べ物によるところが大きい。
残念ながら私は瀬戸内海方面の地場食には疎いので、その素朴な味わいが想像できないのだが、血肉に染み付いた郷土食への思い入れというか、愛情は羨ましくも妬ましい。
でも、もっと他の地方の食べ物にも目を向けて、調理法ですったもんだして欲しい(笑)
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平成20年11月1日購入
私はおいしいものが大好きだ。
安定感のある物語も大好きだ。
ゆえにこのシリーズは結構気に入っている。
何一つ冒険はないかに思えるが
料理が上手で
頭がよくて
きれいで
自分を好いてくれる奥さんという
超能力よりもあり得なさそうな話を書いているのだから
ある意味、大冒険な気もする。
話の中でしばしば
食欲と老化を結びつけるあたりが
妙に身につまされるのである。
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シリーズ第2弾。
相変わらず美味しそうな食卓…。
関東煮と黄粉おにぎりが特に美味そうでした!
あと「仁義なき戦い」ごっこがおもろかった。
是非マスターしてやってみたい!
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事件の謎も魅力的ですが。どうも料理の描写に気をとられてしまうのは、私だけではないですよね……? 安楽椅子探偵でなおかつ料理上手とは、ぜひともこんな奥さんが欲しいです(笑)。
お気に入りは「ホームカミング」。これは想像するだに凄いなあ。こんな殺され方するほどまでに恨まれたくないものです。
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穏やかな奥さんの安楽椅子探偵もの「ミミズクとオリーブ」の続編。
やはり一般人の主婦が殺人事件を解決していく構成には無理があるが、亭主と刑事の漫才のような掛け合いと、涎が出そうな田舎料理の記述には惹かれます。
フツーに面白いしね。
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「嫁洗い池」芦原すなお
ほのぼのミステリ。藍色。
『オリーブとミミズク』の続編で、作家の「僕」と安楽椅子探偵奥さんの物語短編集。
前作に続いてやはり行間から漂うほんわか感と美味しそうな料理が読みどころです。
続編とは言っても収録されている短編はそれぞれ独立しているので、あまり構えて読むようなことにはなりません。ただ前作に比べて若干ドライな感じを受けました。
やはり芦原すなおさんは”語り口”がいい。独特の雰囲気が大好きです。
ハードカバー版の表紙は結構おどろおどろしいですが、内容は違うのでご安心を。それに比べて文庫版の表紙の落差が凄いですね(笑)(4)
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「ミミズクとオリーブ」第2弾。妻が探偵役、僕が助手役。主人公夫婦宅に僕の友人である刑事が、事件解決の助力を(妻に)仰ぎにくる。しかも夕食時を狙って勝手に上がり込み、質素だが美味な食事を平らげて。謎解きやトリックよりそのあたりの掛け合いが面白い(芦原さんごめん)。料理もいかにも美味しそう。この中では「シンデレラの花」が印象的。主人公の夢がとぼけていて笑えた。ところで表題作の「嫁洗い池」での出来事(記憶)は一体何だったのか、なぜ両親は忘れろと言ったのか(まるで何かを知っているかのように)謎が残った。どこか読み落としたのかも。ちょっと気になる。
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東京郊外に住む夫妻のもとに、友達の河田警部がおいしそうなお土産と、未解決の事件を携えてやってくる。奥さまは、料理上手な主婦。そして旦那さまは、しがない作家。ごく普通の2人は、ごく普通の恋をし、ごく普通の結婚をしました。でも、ただひとつ違っていたのは……。奥さまは「名探偵」だったのです。
『ミミズクとオリーブ』の続編。
奥さんは家に居ながらにして難事件を解決してしまう、台所探偵。
このシリーズ第2弾は、ミステリ部分が前作に比べ、パワーダウン。ちょっと残念だった。でも、軽妙な会話は相変わらずで楽しい。掛け合い漫才のようで、思わず笑ってしまう。そして、出てくる料理の数々。やはり前作同様、垂涎もの。悪友同士がおいしそうに食べるシーンが、特にいい。
さらに、ミミズクの夫婦がもらった餌を食べ、嬉しそうにポーポーと鳴くところは、こちらも嬉しくなる。
2作を読んでもっとも印象に残ったのは、作品に終始流れている、温かさとほのぼの感あふれる幸せな生活。主人公夫婦のそんな生活を描くことによって、犯罪者の愚かさを際立たせているところが心憎い。ぺこぽんさんおすすめの第3弾が楽しみ。