紙の本
税金の基本を知る良書
2013/07/21 00:29
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:s-n04 - この投稿者のレビュー一覧を見る
岩波新書だけあって、新書の割には骨太な一冊です。
個別の税を税「法」の専門家の立場からしっかり解説しています。
また、終章では日本人が富の再配分という税の基本を理解していないことを「庶民がなぜ減税を支持してしまう」現象から指摘しています。
電子書籍
少し古くなったが良書です
2018/01/27 21:41
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ME - この投稿者のレビュー一覧を見る
消費税5%の時代で民主党政権のことが書かれているため、少し古い本だが、税金や税収が法律的な面からも分かりやすく書かれている。2019年10月には消費税が10%に上げられる予定になっており、税金について考えるにはよい時期と思う。
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:しんぴん - この投稿者のレビュー一覧を見る
税金に目新しい事なし。ただ、積み重ね。
投稿元:
レビューを見る
税金のことを勉強する上で、教科書的な存在となりうる。
所得税、法人税、消費税、相続税・・・・
と税の項目ごとに詳しく内容を説明し、その問題点も指摘する。
本著で筆者が主張する「国際課税」。
富裕層が国境を越えて資産を運用し、結果として各国で税率引き下げ競争に陥る。一国主義ではなく、これからは国際間で連携し、全世界で望ましい税制を構築すべきだというのは非常に切迫した課題だと思う。
この本には税についての基本的なことが分かり易く書かれてあるのでオススメです。
投稿元:
レビューを見る
税金とは国政、地方自治の源泉で、国民、住民が健康で文化的な最低限の生活ができるように政策を遂行するためのものだ。
ところが、形式的には民主主義国家となっている日本では、政治は自分のものになっていない。
本書は、日本の税金の仕組みを概観し、税制に現れる民度の低さを指摘し、一人ひとりが動向どうすべきかを考えさせる書だ。
投稿元:
レビューを見る
難しいところもあるけど、全体的にはわかりやすく税金について説明してくれている。
所得税や法人税、消費税などなんとなく身近に感じている税でも実際には税制についてほとんど理解していなかったのだな。ということがわかる。
投稿元:
レビューを見る
欧米では一般的に、高所得者は減税、低所得者は増税を主張するものなのに、なぜ日本ではそうではないのか、というところから考えていく本。
投稿元:
レビューを見る
外税は痛税感がある。内税が増税へのひそかな陰謀なのかも。
ビールは高級酒だったんですね。
日本の直接海外投資先の第一位がオランダで、第四位がケイマン諸島であること。
その他、相続税や所得税、色々な税について、ほぼ一日の読書で身に付けることができました。
投稿元:
レビューを見る
税の仕組みについては興味を持ちつつも、何となく嫌煙していた。
しかし有権者である以上は知らないでは済まされない。
各種税金には様々な不合理な点があり、制度疲労や矛盾をきたしている。
しかし、複雑すぎて最終的には財務省の都合のいい税制になってしまっている。
無知とはとても恐ろしいもので、搾取されないためには知恵が必要なのだと痛感させられる。
投稿元:
レビューを見る
消費税増税が目の前の今、タイムリーな本。
「なぜその税が課されることになったのか」と「その課税は公平か」「今の時代にあっているか」という視点で、税制度の枝葉ではなく幹を学べる良い本。
経済の変化とグローバル化で、現在の税制はつぎはぎだらけで難解になり、当初の趣旨から離れていたり一般的に誤解されていることも多い。
「消費税は派遣労働を税制面から促進してしまう」という話や「配偶者控除は内助の功とは関係ない」という話が印象的。
投稿元:
レビューを見る
相続税、法人税、消費税、相続税、間接税、いずれも制度疲労を起こし、歪み、看過すべからざる大きな課題を抱えている。とりわけ、消費税については、税率のみが話題となっているが、深刻な課題があちらこちらに山積しており、税率の前にもっともっと議論しなければならないことが全く店晒しとなっている。出色は、我々下層階級の庶民は富裕層から富をまき上げるため、ある意味では増税に賛成しなければならないという視点。目から鱗であった。税制も知らなければ税収割合にも無関心。まずはここから改めていかなければならない。
投稿元:
レビューを見る
一回読んだだけでは、なかなか理解できない。「税金のしくみ」がこの本に書かれているような形でもっと国民にもっとわかりやすく提示されなければならないと思う。
投稿元:
レビューを見る
初心者でも読みやすい。現行制度の問題点や税制の構造などが分かりやすく書かれている。著者の主張に必ずしも全部うなずけるわけではないけど、色々な提言がされているのはレファレンスにも使えそう。
投稿元:
レビューを見る
私たちは誰のために税を負担するのだろう‽◆所得税◆法人税◆消費税◆相続税◆間接税等◆地方税◆国際課税◆税金問題こそ政治
投稿元:
レビューを見る
三木義一『日本の税金 新版』(岩波新書、2012年3月)税別800円
青山大学法学部教授の三木義一(1950-)による国内税制度の入門ガイド。2003年に出た旧版に加筆して改版。
【構成】
序 章 私たちは誰のために税を負担するのだろう?
第1章 所得税 給与所得が中心だが給与所得者は無関心
1 「所得」税と給与所得
2 誰の所得なのか
3 「所得」に課税するのか、「人」に課税するのか
4 累進税率の意味
5 所得税をどう改革すべきか
第2章 法人税 選挙権がないので課税しやすい?
1 会社の税金の実態
2 法人税の仕組み
3 会社の所得は誰のものか
第3章 消費税 市民の錯覚が支えてきた
1 錯覚する消費者
2 シンプルでも、公平でもない税制
3 どうなるのか消費税
第4章 相続税
1 制度疲労に陥っている税制
2 相続税をどう考えるべきか
3 贈与税の仕組みと問題点
第5章 間接税等 税が高いから物価も高い
1 税が酒を造る
2 たばこ増税の攻防
3 暫定が恒久化する自動車関係税
4 様々な流通税
第6章 地方税 財政自主権は確立できたのか?
1 地方税の仕組み
2 事業税
3 固定資産税
4 都市計画税
5 法定外税
第7章 国際課税 国境から税が逃げていく
1 逃げる納税者
2 一国課税主義から国際連帯へ!
終 章 税金問題こそ政治
日ごろ政治に興味がある人でも租税について知識を持っている人は少ない。まして、日常生活しているふつうの給与所得者などは、天引きされる所得税と消費税、あるいは決算の際に言及される法人税を意識するぐらいである。
評者自身、税や税法と聞くと細かい数字の話ばかりでおいそれと理解できない代物と思っていた。もちろん複雑なのは変わらないのだが、本書で解説される税制度は細かい数字よりは、「何のための課税なのか」「何に対する課税なのか」という税そのものの存在意義の説明に重きをおいている。
所得税の課税対象や控除対象、法人税における配当金不算入の考え方などは素人の感覚とは異なる税法独特の感覚であり、面白い。
何より、最も身近な税である消費税についての見方は大きく修正を迫られた。
最終製品価格に5%の価格が上乗せされていたとしても、事業主が納税する額は5%ではなく、商品仕入れにかかった税額を控除して納税する仕入れ税額控除の仕組みがあるというのも初めて知った。
農産物や生活用品を消費税の課税対象から外すという提案なども聞いたことがあるが、現在することが必ずしも事業主にとって益にならないという不思議な税である。確かに著者が指摘するように決してシンプルな税ではない。
元々評者が極めて不勉強だったことによるのだろうが、その他のどの章を読んでも新たな発見があり、楽しく読めた。
ミクロにおいては自身の生活、マクロにおいては国家財政に関わる。むしろ租税をどう徴収す��かということが、政治の根幹であることは疑いがない。にもかかわらず、評者ふくめて国民の大多数がほとんど何も知らず、とにかく増税反対ばかりを声高に叫ぶのは全く建設的ではない。
野田政権下で、消費税増税が決まった今、改めて税について学びはじめてみるのも悪くない。