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アヒルと鴨のコインロッカー

著者 伊坂幸太郎 (著)

大学入学のため引っ越してきたアパートで、最初に出会ったのは黒猫、次が悪魔めいた長身の青年。初対面だというのに、彼はいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ちかけてきた。標的...

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アヒルと鴨のコインロッカー

税込 660 6pt

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アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)

税込 748 6pt

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商品説明

大学入学のため引っ越してきたアパートで、最初に出会ったのは黒猫、次が悪魔めいた長身の青年。初対面だというのに、彼はいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ちかけてきた。標的は――たった一冊の広辞苑。僕は訪問販売の口車に乗せられ、危うく数十万円の教材を買いそうになった実績を持っているが、書店強盗は訪問販売とは訳が違う。しかし決行の夜、あろうことか僕はモデルガンを持って、書店の裏口に立ってしまったのだ! 四散した断片が描き出す物語の全体像とは? 注目の気鋭による清冽な傑作。第25回吉川英治文学新人賞受賞作。

著者紹介

伊坂幸太郎 (著)

略歴
1971年千葉県生まれ。「オーデュボンの祈り」で第5回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しデビュー。「ゴールデンスランバー」で第5回本屋大賞、第21回山本周五郎賞を受賞。

掲載中の特集

ミステリー 小説をテーマに10作品以上をラインナップしています。
ほかにもhontoでは無料の本を集めた無料漫画特集無料男性コミックを展開しています。

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みんなのレビュー2,287件

みんなの評価4.1

評価内訳

紙の本

「どんでん返し」

2021/11/24 03:47

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ねこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

叙述トリック小説にハマり、おすすめの本を調べたところ記載されていた本著。
内容に触れられた評判が少なかったため読みましたが、途中で読むのがつらくなるくらい動物虐待の文字が何度も登場します。
そこまで細かい描写があるわけではないのですが、思っていたのとかけ離れた物語でした。

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紙の本

面白かったです

2021/11/19 10:35

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:iha - この投稿者のレビュー一覧を見る

街で起こっている連続ペット殺しに主人公達が否が応でも巻き込まれて行くお話です。この小説のジャンルは推理小説だと思いますが、普通の推理小説の「事件」と「謎解き」が同時進行で進みます。それ故、事件が本当に何なのか、なかなか分からず、先の読めなさに最後までドキドキ出来ます。

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紙の本

題名の意味

2019/10/17 20:01

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る

題名の意味が腑に落ちた時、読んで良かったと思えました。辛い場面もありますが、
色々と考えさせられると思います。

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電子書籍

小説というトリック

2019/10/02 03:18

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:モカグリーン - この投稿者のレビュー一覧を見る

一気に読み終わってしまいました。中盤の技法に気が付いた時には鳥肌ものでした。物語も過去から現在までの3人を追っていて、良かったです。ですが何場面か、その行動にいくのが疑問な人物と都合の良い設定を持った人物が出てきてそこだけはうーんと思いました。

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電子書籍

切ない

2018/09/19 17:12

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ポピー - この投稿者のレビュー一覧を見る

ブータン行ってみたい

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紙の本

衝撃度は低め

2016/02/04 01:52

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ヒロユキ - この投稿者のレビュー一覧を見る

面白いとは思うし、よく考えられた話だとは思う。でも自分の好きな洋楽を話に盛り込む必要があるのかとも感じる。
『ゴールデンスランバー』の時はそんなに違和感も感じなかったけど、この作品と『グラス・ホッパー』はとにかく作中に出てくる“洋楽豆知識”がなければ、もっとすんなり読めるのに!と何度も感じた。
それでも伊坂さんの作品は最後まで面白く読めちゃうんだからすごい。

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紙の本

わたしにはわかりません。

2008/11/23 18:35

6人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kumataro - この投稿者のレビュー一覧を見る

アヒルと鴨のコインロッカー 伊坂幸太郎 創元推理文庫

 この本に関する各種書評を読みました。どれも好評だったのですが、5日間かけて読み終えてみて、どうもわたしにはあわなかったようです。
 物語の底流にはダライ・ラマのチベット仏教が流れています。登場人物のひとりがブータン人なのですが、チベット仏教の領域なのでしょう、人は死んでも生まれ変わる。自分のしあわせではなく自分以外の人たちのしあわせを祈るということがチベット仏教の特長です。
 登場人物は椎名君(大学生)、河崎君(女好き)、ドルジ(ブータン人)、琴美(ペットショップ店員)です。同著者「ゴールデンスランバー」同様に複数の時を隔てた記述が繰り返されていきます。時間移動です。「海辺のカフカ」村上春樹著でもみられた手法ですが、この手法では、事実のズレが続くと文章の塊(かたまり)が分解する危険性をはらんでいます。
 動物を虐待する話しは奇異ではありますが、次を読ませる魅力には富んでいます。50ページを過ぎて、この物語の企画の発想の起点はどこにあるのだろうかと考えるようになりました。アパート101号室の住人と章「2年前1」がつながっていることに気づきました。
 推理小説によくある殺人事件は、この作品の場合、いつ起こるのだろうか。動きがない。書店で広辞苑を強盗するという設定は奇異です。現在と2年前を比較することに何の意味があるのだろう。アヒルがドルジで、鴨が琴美だろうか。(違っていました。)人ではなく動物を虐待する、お金ではなく本を盗むという設定は変です。強盗したときの様子も不明です。
 ラストまで読んで、経過については、そういうことかと納得しました。だけど、コインロッカーの意味はわかりません。

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紙の本

映画も素晴らしい

2024/02/29 19:07

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:栄本勇人 - この投稿者のレビュー一覧を見る

レビューにおいて安易に使っていいような言葉ではないかもしれないが、おしゃれな小説だなという感想。これが伊坂節なのだろうか。小説も素晴らしいが、映画は原作を上回るといってもよいかもしれない。

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紙の本

過去と現在を駆け巡るストーリーにどんどんはまっていく!

2019/06/13 18:30

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:@rikkha - この投稿者のレビュー一覧を見る

伊坂幸太郎のファンであればぜひ!と言われ読み始めた「アヒルと鴨のコインロッカー」。大学入学したばかりの椎名の強盗をする回想シーンから始まる物語。
そこから過去と現在を駆け巡るストーリーにどっぷりはまっていった。
初めて過去と現在にどのような交差点があるかわからないものの、途中から絡まった紐が解かれていくような体験ができた。
河崎、琴美、ドルジの3人を中心とした過去のある事件や出来事である物語に現在の椎名が飛び込んでいる様がはまってしまう。
個人的には河崎の雰囲気は子供っぽいながらも男気を感じ、好印象。
過去と現在の繰り返しなので、個人的には電子書籍よりも紙で読んだほうがいい作品だと思う。

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紙の本

作風

2017/12/17 08:43

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:くまぜみ - この投稿者のレビュー一覧を見る

こういう作風は好き

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紙の本

変な題名・・・

2017/01/16 00:21

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:かない - この投稿者のレビュー一覧を見る

このタイトル、どんな意味があるのかと思いますが、ちゃんと意味があるんですね。
過去と現在、2つの物語が進行して、つながってくるあたりは流石です。

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紙の本

ちょっと弱いかな

2016/12/29 11:13

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kissho - この投稿者のレビュー一覧を見る

現在と2年前が同時進行の形で物語が進みます。2つ(もしくは複数)の視点で語られるというのは、叙述ミステリーの常套手段の一つだと分かっていても、やっぱり騙されました。ただ、一番キーの部分では騙されましたが(それが作者の狙いだろうけど)、冒頭の広辞苑強盗の真相はそれほどの衝撃はなかったですね。広辞苑強盗なんて、当然裏があると誰もが思うはずで、物語としてはここが最大のキーでしょう。私的には、その部分も含めて、全体的に(色々な部分で)ひねりが少し弱かったかなと。面白いし、サスペンス味も結構あって、読後感も悪くはないので、良い作品だとは思います。

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紙の本

意外性

2015/02/17 19:56

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:らりよん - この投稿者のレビュー一覧を見る

面白かった。
登場人物は魅力的で親しみをもてる人物ばかりだし、使ってみたくなる「名言」も多かった。伏線があったのであろうが結末には驚かされた。
伏線を探すためにもう一度読みたいと思う。

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紙の本

善意とは?悪意とは?伊坂幸太郎の最高傑作。

2007/11/10 18:03

8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:よし - この投稿者のレビュー一覧を見る

この作品は全てが明らかになる過程が実に秀逸で、早く先を読み進めたいような、しかし怖いような。そこまで読ませる作品はめったにないと思えた作品です。

大学に入学したばかりの椎名の下に、隣人の河崎から持ちかけられた「一緒に本屋を襲わないか」という持ちかけに、椎名は不信感を持ちながら同意してしまう。これが現代。そして2年前の頻発するペット虐待事件。琴美はその犯人と遭遇することに。椎名と琴美の視点から語られる物語は、驚愕と感動のラストへ収斂してゆく。

久しぶりにドキドキして読んだのでした。
特に過去のパートはちょっとつらい。現代のパートから結末がわかってからは特に。

登場人物は個性的で実にいい。ブータン人のドルジ、ペットショップの麗子。そして女好きの河崎。そして、琴美。
2年前の事件から現代につながる悲劇。そして、謎。
なんて上手い展開なのでしょう。伊坂さんは、何て小説を知り尽くしているんでしょう。

ボブ・ディラン「風に吹かれて」は神様の声。それも貴重なこの作品のアイテム。涙、涙なのです。作品のタイトルの意味がわかったとき、泣いている自分がいました。読者をあっと言わせることも忘れていません。
「なるほど」と思わせるのですが、それがわかったとき本当に悲しい。

伊坂さんの、主題は人間の悪意と善意。これに宗教とは何たるかを絡ませて読者に突きつけます。だから、ショッキングなシーンもあります。展開に胸が痛くもなります。

ともかく、現代と過去が繋がるときに見える真実の悲しさに涙してください。相変わらず、いろんなところで伏線がばら撒かれ、読み返しました。
そしてもう一つ、「シッポサキマルマリ」という猫も貴重なアイテム。伊坂さんは優しい作家なのですねー。

面白い、本当にこれは、伊坂幸太郎という作家の全てが詰まった最高傑作だとわたしは思います。

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紙の本

祈りのファンタジー

2006/12/25 00:54

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:中乃造 - この投稿者のレビュー一覧を見る

現在と過去の話が同時進行する。
現在の語り手は椎名。いたって「普通」である彼は、奇妙な魅力を持つ河崎から本屋強盗を持ちかけられる、というよりも強制される。
過去の語り手はペットショップに勤める琴美。今はブータン人であるドルジと一緒に暮らしているが、少し以前に女たらしの権化たる河崎とつきあって面白くない思いをしている。この頃付近ではペット殺しが頻発し、琴美は犯人と思しき若者達と接触してしまう。
現在と過去は絡み合っている。掻き立てられる不安とともに深まる謎、そして全貌が明らかになった時に心の奥から滲みだしてくる感情。見事な綾である。

これまでに文庫化された伊坂作品を読んできたが、ファンかと問われると素直に肯けないと思っていた。どれも面白い作品ではあった。しかし同時に腑に落ちきらない部分があった。その理由が、今回ある程度明らかになったように感じている。

私は『アヒルと鴨のコインロッカー』の甘さに引っ掛かっりを覚えた。ペット殺し達が琴美を攫うのに失敗を重ねたこと。そして、厳密に言えば彼らがペット殺しであることは推測の域を出ていない。もちろんこれはほとんど事実として書かれており、私が言うのはペット殺しの現場が書かれていない、ということだ。本編を読んでいる時にははっきりとそう意識していなかったが、最後に添えられた英文に触れて自覚した。
No animal was harmed in the making of this novel.
言うまでもないことを言うからには、相当強い意識があったのだろう。私はこれを甘さと捉えていたらしい。きれいごとのベールが掛かっている、と。

伊坂の作風に対してファンタジックということが言われるようであるし、読めば実際にそれを感じる。現実に舞台を置いている物語でもそうだ。ベールの仕業だとも考えられる。生々しさは消え概念だけが透けて見える。ペット殺しは存在しても、ナイフで切り刻まれる猫は見えない。
このことの表層だけを拾うなら、私は肯定的に受け取れない。だからこそ、甘い、きれいごとだと表現もする。人気の理由はこれなのかと邪推さえする。
しかしそうならば、琴美が感じていた恐怖はなぜここまで真に迫っているのか。本屋を襲った河崎が為したことの醜さはなにか。このアンバランスは何かを意味しているのか、意味しているのなら何を。
答えはそれ自体である。定まるところを知らない迷いだ。コインロッカーに神様を閉じこめる時、河崎はきっと迷っていた。何を迷っているのかもはっきりと解らずに、だから神様を閉じこめた。小さな鉄の四角の中でそれが歌い続けているのを知りながら。

希望を抱ききれず絶望しきれない、一本の細いラインの上。転べば楽になると知っているのに迷うのは、きっと転んでしまうと思いながら迷うのは、祈りに似ている。ファンタジックの原因はきっとそこにある。
私は『アヒルと鴨のコインロッカー』でようやく初めて、伊坂幸太郎の小説を読んだという気持ちになれた。今度伊坂ファンかと訊かれたら、ハイと答えるだろう。

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