ラブ・ビーチ・ラブ・リアクション

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投稿者：kaede　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

　互いにバレーをやりたいという気持ちは人一倍抱いているのに、深い事情を抱える季章と冬。季章は自らの犯した罪の意識からバレーはやらないと誓っていたが、冬と出会ったことから、目を背けていたバレーへの情熱を思い出してしまう。また冬はＬＡで最高のパートナーと組んでいたにも関わらず、悲しい出来事からパートナーを解消せざるを得ず、新しいパートナーを求めていたが公私共にいい関係であった前パートナー・リックに代わるパートナーを見つけるのは容易ではなく、リック以外の人間と組むことへの不安や高潔なプライドを持つ冬と折り合う人間を探すのは難しいと思っていた矢先の季章との出会い。季章となら出来そうな予感を感じつつ素直に一緒にプレイしたいと言えない冬。また冬とバレーをやってみたい衝動を感じつつ、自分の犯した罪のために立てた誓いを破ることも出来ずジレンマに陥っていた。
　そんな二人が互いを必要とし、不幸な過去を乗り越え前進していく姿が、語彙の豊富な文章で綴られているお話し。タイトルのハートマークから受ける軽い印象とは違い、恋愛も確かに含まれてはいるものの、メインテーマは過去を乗り越える、というあたり、ちょっと一般小説に近い印象を受けた。