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なでしこ力 次へ
著者 佐々木則夫 (著)
2012年女子サッカーワールドカップを制した「なでしこジャパン」が狙うは、2012年ロンドン五輪での金メダル。FIFA女子年間最優秀監督賞を受賞した佐々木監督が、チームの...
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商品説明
2012年女子サッカーワールドカップを制した「なでしこジャパン」が狙うは、2012年ロンドン五輪での金メダル。FIFA女子年間最優秀監督賞を受賞した佐々木監督が、チームの未来像や自らのサッカー半生、日本の女性が持つパワーを語り尽くす! 「単なる「団結力」や「精神力」では十分に言い表すことができない。他国がいまだ備えていない特筆すべき長所が、なでしこジャパンには確かに存在するのだ――」(本文より)
著者紹介
佐々木則夫 (著)
- 略歴
- 1958年山形県生まれ。サッカー女子日本代表監督として2011年度FIFA女子ワールドカップで優勝、年間最優秀監督賞受賞。
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紙の本
女子サッカーが男子を上回る日
2012/05/31 08:51
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投稿者:ゆうどう - この投稿者のレビュー一覧を見る
なでしこジャパン監督による、北京五輪後のチームの軌跡を綴った書。分量は少ないながらアルガルベカップまでをカバーし、ロンドン五輪に向けて、なでしこジャパンを盛り上げる。
しかし、本書の底流を形成するのは、女子サッカー論、女子組織論である。選手個人や各試合のチーム戦術について語るのではなく、多くの頁が「女子にサッカーは向いている」「日本は世界一を維持し続けられる」「組織の中での女性との接し方」という視点で書かれている。同時に佐々木監督の人柄も伝わってくる内容だ。
では、なぜ、サッカーは女性に、しかも日本人にあったスポーツなのか?
まず、男性と同じ大きさのピッチ、同じ大きさのゴール、同じ大きさのボールを使うサッカーにおいて、男性と同じやり方で戦うことは決して得策ではない。女性は、一般的に男性に比べて身長が低く、筋力などの身体能力も劣るのだから、同じようなサッカーをやっても男性にかなうわけがない。男性と同じサッカーをやっても魅力的な競技にはならない。むしろ、女性の長所である、「複数の情報を同時に処理する能力」「細部によく気がつく能力」「共感しあう能力」「反復作業を根気よく続ける能力」を活かして戦うべきだ。そうなってこそ、女子サッカーが、男子のサッカーとは異なる魅力をもった競技となり、男子とは異なる次元に到達できる。上記の特性から考えると、「本来女性は、ピッチ上に起きる現象が複雑で、かつ激しく変化するサッカーという競技に、非常に適しているのではないか」ということになる(p.218)。そして、まさに日本がその女性的なサッカーを極める上で最前線にいるのである。なでしこ=日本女性こそ、女子サッカーの魅力を大いに発揮できる特質を多くもっているからだ。著者は、そんな「なでしこ」的(日本的女子)サッカーを、「ソーシャル・フットボール」と名付ける。
なでしこジャパンが、「バルセロナFC」の女子版と称えられたように、男子の世界でも最先端のサッカーはボールポゼションを優先するパスサッカーだ。その観点からすると、女子も男子も同じような傾向のサッカーを目指しているように見える。ただ、男子と女子ではサッカーの歴史の長さが違う。テクニックでも身体的・頭脳的スピードでも、まだ男子のほうが上だ。しかし今後、女子のテクニック、スピードが向上し、上記に挙げられた女子の特質を十分に活かせるようになったら、女子サッカーのほうが男子サッカーよりも魅力的な競技になる可能性は、高いかもしれない。その際には、男子は男子の特長を生かし、テクニックやパスではなく、パワフルでスピードを優先させたサッカーを展開するようになるのであろうか。う~ん。