紙の本
専門家の一家言
2022/09/22 01:27
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投稿者:719h - この投稿者のレビュー一覧を見る
英語通訳者として名を成した
英語教育研究者が、一般の読者を対象に、
書名に見られるような、英語に関する持論を、
最近の出来事を俎上にのせつつ、改めて
展開している本です。
論点に新鮮味は感じませんけれど、
やはり、頷かされること頻り。
紙の本
Happy slave
2019/03/16 22:30
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投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
2010年頃から、社内の公用語を英語にするという企業が出てきましたが、その問題などについて簡潔に分かりやすく論じた一冊。
TOEIC(トーイック)とTOFEL(トーフル)の違いも(^_^;)よく知らなかったので参考になりました。
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近年の英語公用化についての問題を挙げ,さらに英語に対する学習の
仕方や英語は必要かと様々なテーマで議論している。
トイックは730点以上取る意味は海外へ行くためだけだと認識した。話す力はそれからだと思う。英語に興味ある人は読んでみよう。
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著者監修番組NHK教育「ニュースで英会話」 http://j.mp/hMKgG6 (本書115頁紹介)
「英語学習と動機づけ」(083頁)において紹介されている内田樹教授のブログ記事 http://j.mp/fYe3DW
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Q.仕事はできるが英語はできない人と、仕事はできないが英語はできる人はどちらが重宝されるでしょう?
A.仕事はできないが英語ができる人
本当か??
とうとうそこまできたかと。
世間の流れと自分の感覚がずれていっているように感じた。
本著はいわゆる「英語至上主義」に警笛を鳴らす著だと理解しました。
英語のテストでいい点を取るためのような目標が示されているものは"勉強"。
謎への好奇心から喚起されるものは"学び"。
この対比はおもしろかった。
経験から言っても、力が伸びるのはこの"学び"からくるものだと思う。
かのバートランド・ラッセルも、教育というものは講義を終えた後には
学生の目の輝きが変わっているものでなくてはならないと言っている。
そのような授業が行われているところがこの国にはあるのか。
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著者の深い見識から興味深い内容が網羅されており、非常に得るものが大きかった。ビジネスの展開上、英語の必要性はさらに加速することは避けられない状況であるが、今だからこそ“母語”である日本語の素晴らしさも改めて噛みしめるときでもある。
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楽天・ユニクロの社内英語公用語宣言、武田薬品の新卒採用基準TOEIC採用など、昨今のビジネスシーンでは英語に関する話題に事欠かない。
大学生に近い場で仕事をしていると『TOEICを"やらなきゃ"』という空気をひしひしと感じる。
会社の方針がそうなったということであれば、社員やその企業への就職希望者はそれに従わざるをえないが、
ただ、今日本の社会に蔓延する、日本人が持つ、そういった『英語を妄信的に信じる』風潮・意識に対して一石を投じる一冊。
本当に日本のビジネスマンが英語を話せる必要があるのか?
その信仰が進んだ先にある世界について、言語学・社会学の視点から話す。EUが掲げる多様言語性を例として持ってきたのはなるほどと感じた。
また多くの企業が評価基準として掲げるTOEIC700〜730点とは一体どのようなものなのか。その実態と信憑性についても記されている。
後半では通訳者・教育者の視点から、そうは言っても必要となる英語学習の具体的な考え方や教育現場の実態についても語られている。知的欲求を駆り立てない英語学習の現実についてはなるほどと思ったし、『リーダーの英語』として紹介された歴代首相の悪しき実例については、笑えない現実だが笑わせてもらった。
著者はただ一方的に「英語公用語化はダメだ!」とも「ビジネスマンい英語は必要ない!」とも言ってるわけではない。ただその必要性や弊害、日本の教育システムも含めて再考の必要があると提唱している。
日本人の「英語は話せたほうがいい」という漠然とした意識を改めて見つめ直すための良い一冊だと思う。
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鳥飼先生渾身の一冊。読み終えて胸がすく思いがしました。英語帝国主義に対する懸念。英語力とコミュニケーション能力との違い。知的内容を英語で話せる必要性。英語教育における問題点。
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英語に対して冷静な見方で、付き合い方を提案している。本当に必要な英語力となにか考えるきっかけになる。でも、ひとつひとつの主張は共感できないっていうか、まだ英語に可能性とか、あこがれを持っているんだよねわたしは。過剰に持ち上げることはないが、もっと建設的な話しを聞きたいって思った。
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・文化を失う危険。
英語一辺倒は、母国語とする国にとっても危険である。
9.11が起こったのは、アメリカが他の国の文化を学ばばくなったから。
・日本人がいくら頑張っても、Nativeにはならない。母国語にする国に住めば別だが。
・英語+αの能力を磨くことが大事である。
・英語一辺倒のリスクを述べている。必要性の観点についての意見も知りたい。
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大切なのは「英語が話せる」ことそのものではなく、「話すべきことをもっている」ことなのだ、という筆者の主張に大きく頷けました。
藤原正彦さんが「祖国とは国語」の中で書かれていた、「ユダヤ人が国を追われても民族として存続してこられたのは、自分たちの言語であるヘブライ語を守り続けてきたからだ」というようなことを思い出しました。
英語を学ぶこと、使えることは確かに大切だけど、まずは美しく正しい日本語を使えて、人に伝えたい「何か」を持った人になりたいし、自分の子供も生徒たちも、そういう人になってくれるように育てていきたいと思いました。
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「ユニクロ」や「楽天」が社内の公用語を英語にするというニュースを耳にしたとき。「ふーん」という感想をもらしたことは覚えている。この「ふーん」の中には、「できるんかぁ?」という思いと「英語が苦手な社員は大変やな」という思いがあった。
こういう話題があるといつも思い出すのが、鈴木孝夫先生の名著『ことばと文化』であった。ことばと文化は密接につながっている、簡単に切り離せることではない。
必要な人だけが、必要な分野で、必要なときに英語を使えばいいじゃんか、と思う。
日本国内の会社で、日本人ばかりのスタッフがいるなかで、強制的に英語しゃべれ!というのは絶対長続きしないと思う。
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ニコ生で、鳥飼玖美子さんとひろゆきの対談があって、それを見た後に買いました。
番組で1時間半ほど内容についての議論を聞いた後だったこともあり、非常に理解ができました。
さて、本書はタイトルにもあるように、英語公用語についての是非を述べておられます。しかし、それだけが書いてあるというよりは、英語そのものの価値や考え方について書かれており、面白い、非常に面白いです。
本書で知ったのですが、日本の英語教育が20年ちょっと前から、コミュニケーション主導になっているということに驚きました。つまり読み書きよりも、話すことに重点が置かれているということです。これは学習指導要領にも明記されているそうです。個人的には、自分が学生の頃はそういう感じは受けなかったのですが、そういう方向性があったそうです。
それにしては、皆が英語を話せるようになったとは思いませんし、それは筆者も指摘されています。むしろ以前よりも読み書きができないようになった、と言われるそうです。これは誰に言われているのか? それは企業なんですね。20年前のコミュニケーション主導になったという際も企業だそうです。面白いですね。
といったように、英語に関する様々な話題が扱われており、しっかりと読みこめば、理論武装できる事請け合いです。
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経済界からの要請で即効性のある英語教育政策を推し進めてきたが、そこで身につく英語は果たして本当に万人に求められていることなのか。
単なる一つの言語でしかない英語が国際共通語として認知される一方、言語文化の多様性の維持は不可欠だ。
実効性以外の面で英語教育のあり方を捉え、外国語を通して世界を見ることで、自国文化や母語を客観的に見つめることで世界の中のアイデンティティーを自覚することも英語教育の効用であるはず。
そのことは唯一現場を知る英語教員が声をあげ発信していかなければならない。教員自身の研鑽とその制度的支援の拡充整備も求められる。
義務教育という形で画一的に英語を教え込む意義を改めて問い直し、その位置付けをはっきりさせること。
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今から30年ほど前になりますが、高校三年生の時に「百万人の英語」というラジオ講座で、同時通訳者が担当しているコマがあり、それをよく聴いていたのを覚えています。近況の写真が載っていますが、当時はもっと綺麗でした。
それはともかく、昨年からユニクロや楽天で社内公用語を英語にした企業も現れて、英語はできて当たり前という状態を通り越して、できないと大変(クビ)に状況になったような感があります。
その影響を受けたかどうか定かではありませんが、我社の月1回の定例会議も英語になりました。外資系の東京オフィスであること、本国から1名外国人が赴任してきているからという理由だと思いますが。
この本では、同時通訳者としても実績があり、英語に関する著者も数多い鳥飼女史が書いたところに興味があり、英語を社内限定とはいえ公用語にすることは何が問題であるかについて書かれていて興味深く読むことができました。
また、1919年の国際会議までは言語がフランス語が使われていて、それ以来、米英の主張を受けて英語が使われ始めて、通訳が始まったという事実(p39)には驚きでした。
鳥飼さんに最も元気づけられたのは、p129に書いてあった内容で、発音を頑張るよりも、文法的に壊れていない文章を作り出す力、大人が使ってもおかしくない語彙を取り出して使う力、聞いていて相手が理解できるような論理構成で話す力が大事であると断言してくれたことでした。
以下は気になったポイントです。
・英語を基盤とした表現の階級構造として、特権階級(ネイティブ)→中流階級(第二言語話者)→労働者階級(英語を外国語として使う人)→沈黙階級がある(p27)
・日本からの留学生減少は喜ぶべきことでないが、日本企業は留学しても就職に有利にならない現状あり(p33)
・TOEICで730点(多くの会社員の目標点:p53)を獲得しても、それは仕事で最低限のコミュニケーションをとれるというだけで、議論や喧嘩をしたらネイティブにかなわないという現実がある(p37)
・会議通訳が始まったのは1919年のベルサイユ講和会議で、米英が英語使用を主張したから(p39)
・トップにたつ人間は、自分で英語を話すかどうかよりも、主張すべき内容を母国語で論理的に話せるかが重要(p43)
・日本語を学ぶ外国の人達の動機として、漫画やアニメカルチャーに惹かれる場合が多いが、目立たない動機として、「日本語が出きれば世界中の本が読める」ということである(p44)
・ビジネス英語は、商品名、ビジネス用語、経済用語、業界用語を覚えることで、半年から1年で一定レベルへ到達可能、日常会話は2~3年、それ以降の本格的英語=人生や哲学を語り合える言葉は5年かかったというのがマイクロソフト日本法人社長(成毛氏)のコメント(p74)
・語学をマスターするには、自分の性格や置かれた状況に見合った方法を見つけて無理なk続けるのが大事、そのさいには、自信を持って、読み書きを連動させつつ発信力を獲得すること(p115)
・スラング表現を覚えるよりも、発音をネイティブ並みにするよりも、文法的に壊れていない文章を作り出す力、大人が使ってもおかしくない語彙を取り出して使う力、聞いていて相手が理解できるような論理構成で話す力が大事(p129)
・結論や肝心な点、自分の主張を先に述べてから、理屈や説明などの各論に入るという英語的論理構成を知っていることも有効(p131)
・自分だけが持っている「付加価値=資格なのか、専門性、職歴なのか」を見つけることは、予期せぬことに対応し、多様性の中で生き抜くためには必要である(p165)
2011/2/12作成