紙の本
自殺を・・・
2021/07/26 13:24
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投稿者:kotep - この投稿者のレビュー一覧を見る
夏枝は陽子が佐石の娘だと知り、今までのように陽子を愛せなくなった。それは態度にも言動にも表れ、陽子に辛くあたるようになる。陽子は夏枝に給食費を貰えないため、牛乳配達を始めた陽子。陽子は牛乳店で自分が貰い子であるという噂を耳にする。
そして兄・徹の友人・北原の前で、夏枝は陽子がルリ子を殺害した佐石の娘だと秘密を暴露してしまう。陽子はルリ子を殺害した犯人が自分の父だと知り、陽子はルリ子が死んだ場所で自殺をはかる。
辻口も夏枝も子供を道具としか見れなくなったのでしょうね。彼らはお互いのメンツとプライドのために子供を利用しただけに過ぎない。徹と北原君には気の毒な話ですね。
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投稿者:masa - この投稿者のレビュー一覧を見る
氷点の下巻です。このあとどうなるのかドキドキしながら読み進めました。
三浦綾子氏ならではの、人間の心の奥を描いた作品だと思います。
電子書籍
養女、陽子かわいそう過ぎ
2021/10/09 07:05
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
陽子にしてみれば、実の親が殺人犯だろうがもらわれた先の養母が不倫してる間に、そこの娘が殺されようが、自分ではどうしようもないことなのにー。陽子がかわいそう過ぎて……。
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4月に上巻を読んでからずっと積んでいた。
うーーーん……。
誰しもにさまざまな秘め事があり、どう考えているかは他人にはわからず、だから話し合って行動して思いやって愛をもって暮らしてゆくのだな、という感想はあるのだけれど、タイミングの問題なのかなんとなく消化不良のような……。
陽子があまりにも光の存在であの世界で唯一前を向いてる子だったからラスト間際の氷点のくだりはやめてくれ〜っって感じになってしまった。夏枝!!!!!!やめんか!!!!!
いや時代の流れもあるだろうけど
結局この世界線だと殺人犯の子は色眼鏡で見られるのは変えられないってことね?本来の親が判明したら周囲の態度急変だし、北原くんも陽子は陽子だとか言った直後に殺人犯の親はたわごとだって諌めてるのがな。いやまぁ時代でしょうが……。
あと何?最後なに?北原くん捨て駒?徹とくっつくん?さすがにかわいそすぎるんだが。いや徹は徹でひたすらひたむきに陽子を愛していてこれこそ「汝の敵を〜」の体現だとは思うのだけど。ここが裏テーマだったん?パパがなしえなかった人生テーマを徹がだれに教わることなく一途に想うのが。
本ってタイミングあるから、、今読んだらなんか疑問点出てきてしまってこんな感じになってしまったけど、もしかして、もっと多感な時期あるいは子どもが同じ年頃になった時に読んだらまた違ったのかもしれないなー。
え?続編あるやん
ようよう気になったら続編も読みます……。
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読み終わって、愚かだと断罪するのは簡単。
自己愛の強い夏枝と自分勝手な啓造を罵るのは容易い。
でも、自分が同じ立場になったとき、同じことをしない保証はない。
人は誰でも罪を犯さずには生きていけない。
例え法律で罰せられないとしても、大なり小なり人に迷惑をかけ、罪を犯しながら生きていく。
聖人君子なんていない。
とまぁ、もっともらしい言葉を言ってみたけど、「人間の原罪」について堂々と語れるほど私は人間が出来ちゃいない。
登場人物一人一人について愚かと罵れるほど私はえらくない。
が、夏枝の傲慢さと驕りと自己愛はイラッとくる。
性格の悪い美人が年取るとこうなるって感じ。
息子と同い年の青年を異性としてみるなんて、いっそ哀れに思えてならない。
まぁデブスの僻みだけどね。
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上巻を読んでいた時には父の啓造の夏枝に対する嫉妬心が強く、
陽子に対しては無関心で、母の夏枝は夫に対する猜疑心が強く残っていました。
けれど下巻を読み進めていくうちにこれが徐々に変わっていき、
父は少しずつ陽子に対して心を動かされるようになって
実の娘とはいかなくても海難事故に遭遇した経験から心を
改める様子が伺えたのが少し救いでした。
その反対に母は陽子の本当のことを知ってしまったことと、
北原と陽子の付き合い方を知るごと執拗な嫉妬心が
強まっていく様子が怖かったです。
そこまでして息子の友達を自分に振り向かせたいという気持ちが
どうして湧き上がってくるのかと思ってしまいます。
ということは上巻の冒頭であったような出来事はやはり
夏枝は嫌いではなかったのだなと確信してしまいました。
薄々自分の出生を知っていた陽子ですが、
それにもめげずに健気で自分がこの世でかけがえのない存在になりたい
と思いながら生きていき、そして最後には全ての事実を知ることとなってしまい
いくら強い心を持っていた陽子であっても流石に心を打ちのめされてしまうなと
思うと無念でなりませんでした。
何も悪いことをしていないのに、何でこんなことをされなければいけないの
だろうと思うばかりでした。
最後には「氷点」というタイトルになってことも分かり納得でした。
解説ではこの作品は「原罪」がテーマとなっていると書かれていました。
啓造の「汝の敵から罪を愛せよ」という言葉を受け入れながら、
それが誤った方向の夏枝への復讐心となり、
これが発端となってから母の夏枝、啓造の友達高木などと
だいの大人が自己中心的な考えで行動していくことになって
純真無垢な陽子を苦しめてしまったという構図がよく分かりました。
ただこんな中でも兄の徹とその友達の北原、
そして叔母さんの辰子は陽子の生きる心の支えとなっていたので、
「続・氷点」では「ゆるす」がテーマとなっているので、引き続き読みたいと思います。
昭和という時代の今とは違った価値観の時代に描かれた
小説ですが、古さを感じることなく今の時代に読んでも
色褪せることに無い作品だと思いました。
むしろ今は物欲な時代となっているので、
この作品を読んで誰もが持っている嫉妬心、欲望、傲慢などを心の底から感じられる作品だと思いました。
ベストセラーというだけあって心を震わせる圧巻の読み応えでした。
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良い子すぎる陽子にデジャブ。ハイジやと気付く。
そういえばハイジも信心深い子である。
1966年版テレビドラマを一気観し、死の淵から戻った陽子のその後が知りたくて原作を手に取ったわけだが、大層気になる終わり方をしとる。
原作も一気読みじゃわい。
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全体的に読みやすくおもしろいけど、時代の差か文章に違和感を覚える箇所がいくつかあった。
いくら医者でドイツ語を勉強しているからといって、「シェーンなフラウ」とか「ハイラーテンする」とか、日常生活で本当に使っていたのかなと疑問に思った。
腑に落ちないところは他にも。
夏枝はたしかに酷いことをしたし、はじめは啓造に共感していたけど、一番は啓造が責められるべきじゃないのかと思う。
夏枝のせいでルリ子が殺されたとか言って復讐した啓造が一番おそろしく感じた。
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展開する物語は、啓造、夏枝、徹、陽子と適宜視点を変えて綴られる。啓造が抱え込んだ重大な秘密、密かにそれを知ってしまった夏枝が互いに牽制し、やがてぶつかる様、仲良しの兄と妹という感情を踏み出したモノを陽子に感じる徹、両親や兄と実は血が繋がっていないということに少しずつ気付きながら成長する陽子と、各々の展開が周辺の人達も関わりながら交錯して物語は展開する。
上巻は事の起こり、陽子の登場とその成長を軸に、啓造や夏枝の複雑な想いが絡まる。「この一家?如何なって行く?」と気になる展開だ。
それを受けた下巻は、高校生になる陽子が明確に中心になる感だ。大学生となった徹の存在感も増し、その友人の北原も重要かもしれない。展開する物語の中、陽子は一家の中での重大な秘密にも直面して行くことになる。
多分「街の名士」というような、地域での社会的地位も在る、経済的にも豊かと見受けられる辻口啓造の一家は、何等の問題も無いように見えることであろう。しかしそういうように単純でもない。“妬心”、“憤怒”というようなモノに起源が在るらしい“攻撃性”の故に「重大な秘密」が生じ、それが家族を何らかの形で苦しめる。そしてそれが、事情を承知しているのでもなく、自力で如何こう出来るのでもない陽子に突き付けられて行く。そういう感じだ。
本作は表層的には、恵まれた家庭の夫人による浮気や不倫、継子をいじめてしまうような事柄、出生の秘密を知らずに育つヒロインの物語ということになるのかもしれない。が、もう少し深い層が在りそうだ。それは「秘めてしまっている悪意がもたらす何か」という人生模様というようなことを綴ろうとしているのかもしれない。「秘めてしまっている悪意」が、所謂「原罪」というような概念、「実は“罪”を追ってしまっているかもしれない人間」ということなのかもしれない。
作中では、辻口家の在る神楽や旭川の街の様子が美しく描写され、鮮やかに作中世界を思い浮かべることが出来る。作中の「辻口家」の近くという設定の“見本林”は旭川駅から然程遠くはないのだが、自身は偶々訪ねたことが無い。(余計なことだが、“見本林”に至る道に入り、途中で左折して日帰り入浴施設に行ったということは在った…)それでも作中の活き活きとした描写で様子が思い浮かべられる。「北国の林」という風情が非常に色濃く伝わる本作の描写は、辺りの様子に親しんだ作者ならではの描写であるとも思う。
加えて、全般的に「美しい林を望む典雅な邸宅で繰り広げられるドラマ」という様子で、何処となく「モスクワ辺りで観られる舞台演劇が醸し出すような作中世界」をも思い浮かべてしまった。初登場が1964(昭和39)年と半世紀以上も以前、「もう直ぐ“還暦”」という程度の旧さではある本作だが、作品は全く色褪せてはいないと思う。「今更…」ということでもなく、未読の方におかれては是非手にしてみて頂きたい。自身、頭の隅で「今更、物凄く以前のベストセラーを?」という引っ掛かりも禁じ得なかったが、手にして読んで、そういう引っ掛かりは雲散霧消した。御薦めだ。
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死のうとしても死ねない時があるということが、ぼくには意味深いものに思われてなりません。
結局は、その人もかけがえのない存在になりたかったのだわ。もし、その人をだれかが真剣に愛していてくれたなら、その人は死んだろうか
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先が気になってすいすい読んだ。読み進めるほどに苦しい思いがするのに読んでしまう。自分勝手でひどいひと!と夏枝に思ったりするけど、でも、その気持ちが全くわからない訳ではない。旦那に対しても村井に対してもそう。人の抱える罪と呼ぶべきその感情の渦巻くお話だなと思いました。陽子の愚かしいほど真っ直ぐで潔癖な少女らしさも痛々しく思たり、登場人物が生々しくてすごかった。「生きていけなさ」の感情の頂点を氷点というのもとてもすき。
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下巻では、恨み嫉妬から罪の意識へとテーマが移った印象。
それに加えて、信じる・ゆるすとは何なのか考えさせられた。
ただ一つ、嫌いと言うよりかは思想自体は好きなのだけれども、キリスト教の斡旋小説のように思えてしまうのが違和感。
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小川洋子さんのラジオ
今日は北海道から、この本ということで
読み直してみました
なんかきちんと読んでいなかったのか
ドラマを見たのか
曖昧だったのがストンとしました
「原罪」とか 重いです
「続」はどうしようかなあ
小川洋子さんの切り口が楽しみです
≪ 凍えきる 心傷つき 氷点に ≫
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犯人の子でなかったとしても罪の意識は拭えない、と陽子が言うように、本物の母娘であったとしてもこの確執は避けられないやつなんだよな 母が女である限り、、
同様に、啓造と徹の欲も陽子が本当の娘でも起こり得るものかもしれなくて、陽子がもらい子だからとか犯人の子だからとかいう言い訳に全員が甘えることでそれらの罪のしわ寄せが陽子にいったのだろうか
「陽子も大人になったのね。ノーコメントよ、おかあさん」はしびれるな~
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読んでいる間中、陽子が不憫でならなかった。周囲の人間たちの行動にいちいち腹が立った。
自分だったらどうするだろうかと考える余裕もない。ただ物語りの行方に集中させられた。
それほどまでに引き込まれたのは、なぜなのか。自分も同じようなことをしでかす可能性のある人間だからか。
単純に読んで楽しかった、ためになったという本とは違う凄さがある。