紙の本
ミス・マープルものとしては異色の作品
2022/09/23 06:18
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投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
アガサ・クリスティーが1965年に発表した「ミス・マープルもの」で、ミス・マープルが活躍する長編小説としては終わりから三番目となる。
原題は「At Bertram’s Hotel」で、邦題はそれを踏襲している。
まず驚いたのは、この作品に「ビートルズ」の名前が出てくること。
「例の髪を長くした」という形容詞までついている。
アガサの時代とビートルズの時代が重なりあっていることに驚いたのだが、1965年の発表というと日本でいうなら昭和40年世代もまたアガサと重なりあう。
つまり、アガサ・クリスティーは実に長い間、現役のミステリー作家として活躍していたことの証だろう。
さて、この作品だが、ミス・マープルは確かに登場するが、彼女の推理が犯罪を暴くというより、たまたま犯罪の舞台となったバートラム・ホテルに彼女が投宿していて、事件の証言者となったぐらいで、彼女の活躍を期待する読者にとっては物足りないだろう。
この作品では事件を解決するのは、「おやじさん」と呼ばれるロンドン警視庁のデイビー主任警部だ。
日本の刑事ドラマで伊東四朗さんが演じる役どころと近い。
しかも、今回の事件は古色蒼然としてホテルが舞台で、犯罪も大掛かりな組織によるもので、さすがにミス・マープルが扱うというには大きすぎたといえる。
やはり、彼女にはセント・メアリ・ミード村に起こる小さな事件や人物からの類推で、殺人事件などを解決する、その手法が似合っているし、私は好きだ。
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投稿者:ケロン - この投稿者のレビュー一覧を見る
昔を懐かしむ気持ちは誰しもありますが、そのままでいればいるほど違和感を感じるものなのかもしれませんね。
ミス・マープルも素敵でしたが、デイビー警部もいい感じ。
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投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
話自体はさほど面白いほうでもないのですが、このバートラム・ホテルの食事の描写がとにかく美味しそうで印象に残っています。
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ミス・マープルの事件としては「復讐の女神」に次いで最晩年に当たります。少女の頃に泊まった時と全く変わらない高級ホテル・バートラム。宿泊する人々は超一流、料理もメイドや支配人の応対も抜群。しかし、何かが違う……。物語のかなり後半にならないと事件も起きず、マープルだけが見抜いた犯人に動機以外の決め手はない。現代ミステリに慣れた今読むと、また斬新な気がします。
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アガサクリスティの本は何冊か読んだことがあるけど、ここ20年ほど読んだ記憶がないような(笑)。。カーテンとかスリーピングマーダーなんて記憶があるから、20年というのは大げさですが、それくらい久しぶりでした。
この本を手にしたのは、ロンドンにある「ブラウンホテル」をモデルにしているということからで、決して謎解きに期待したわけではないのです。案の定、謎解きは、ま、こんなものという感じですが、物語の前半のアフタヌーンティーなど魅力など、推理者そっちのけ(笑)
このホテルは松任谷さんの「時のないホテル」のモデルでもあるそうで、一度、優雅な気持ちで泊まってみたいものです。殺人事件がおきたら大変だけど。
2003.7.2
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舞台は、ロンドンにあるエドワード王朝時代そのままの古いホテル。詮索好きで好奇心旺盛なイギリスの典型的なおばあさんミス・マープルが名探偵として活躍する。
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古きよき時代をそのまま残したバートラム・ホテル。
うをおおおお、このホテルに泊まりたい!!
2ヶ月くらい。めっちゃ美味しそうなお茶の時間。
マープルはあまり出てこないけども。
もう少し活躍してもいいのに。
事件や推理なんてそっちのけの部分にこの作品の魅力はある(断言)
偽物でもいいよ!このホテルに泊まってみたい。
あと、クリスティの中にビートルズとかが出てくると
ものすごく違和感を覚えてしまう。
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伝統的なホテルがお気に入りで、安心して過ごすのを楽しむミス・マープル。
だが、意外な事件が…?
老いてなお、推理は確実なマープルさんです。
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階級社会を感じさせる描写。
マープルの活躍も、今回は偶然の産物、といった感じで地味な印象。
アフタヌーン・ティーやお菓子の描写は美味しそうだった(笑)。
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ストーリーはけっこう突拍子もない感じ。でも、英国の古きよき伝統のホテルの雰囲気が味わえるので大好きな一作です。「ほんもののマフィン」とか。
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クラシックホテルの描写がほんとに素敵。
エレガントなティールームでほんもののスコーンとお茶を。
でもそこには裏が…
松任谷由実「時のないホテル」を思い出す。
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私なんぞが、アガサ・クリスティを面白いだの、上手だの、と感想を言うのも、気が引けるのですが…。ミス・マープルのシリーズ、老いを少々苦めに味付けしつつも「人生は一方通行。後戻りはできない」ことを素直に受け入れられるような、うん、やっぱり面白い作品でした。古きよき時代そのままの雰囲気を「売り」とするバートラム・ホテル。落ち着いた調度品やきめ細かなサービス、そこに集う(元)貴族階級の人たちの描写には、最初、ただ感嘆させられていたのですが…。ネタばれです。段々、そのホテルの裏側が見えてきて、そもそも、「古きよき時代そのまま」ということの胡散臭さまで提示されると、やはり、アガサ・クリスティ、上手い!と唸らざるを得ません。ネタばれ終わり嬉しかったのは、ビートルズに関するお話があったこと。ミス・マープルは彼らが活躍していたあの時代の人だったんですね。(ミス・マープルは4人があまりお好きではないようだけど)彼女が一人、ロンドンの街を楽しそうに散策している描写もとても好きでした。年をとるってことは寂しいことがたくさん付いてくるけど、その中でも楽しみを見つけていきたいなぁ、と元気な気持ちになっちゃったしね。
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イギリスの文化と風土を知ることができる ミス マープルもの。
格式のあるホテルとはどのようなサービスをするものか。
ホテルの泊り客と、ホテルの人間をめぐるさまざまな事件。
ミス マープルものは、登場人物にお年寄りが多いので、若い人にはなじみにくいかもしれない。
映像作品を見て、面白くないと思ったら、読まないでおくのも手かもしれません。
私は映像作品を見て、面白いと思ったので、本書を買いました。
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正統派ミステリーであるものの、どこか新テイストを味わう事のできる、ミス・マープルシリーズの中でも異色といえる一作。エドワード王朝時代そのままの佇まいであるバートラム・ホテルに隠された秘密とは・・?ありきたりのミステリーに飽きてきたけど、本格的なミステリーじゃないと許さないという方に大変お勧めの一品。
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憧れのイギリス!いつかは行ってみたい国になった理由の1つはこの本。古きよくエドワード朝時代を残すバートラムホテル。バターたっぷりのマフィンやシードケーキ、燻製にしん、キドニーパイ、ベーコン、グラウスの冷肉、ヨークハム、オックスフォード・マーマレード。どんだけうまそうな料理出てくんねん(笑)田舎の村のどこにでもいるおばあさまにして、鋭い観察眼をもつ名探偵、ミス・マープル。ホテルの滞在客の謎、愛憎渦巻く親子の謎を解き明かしていきます。この本読んだら本当にイギリスに行きたくなるよぉ。