紙の本
山岳恋愛小説
2004/02/14 14:04
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投稿者:MtVictory - この投稿者のレビュー一覧を見る
山男の蜂屋と木暮は夏の北アルプスで、単独行をする美貌の女性・千穂に出会う。勿論、彼らは神聖な山中では彼女にちょっかいを出すこともなく、それどころか暗黙の内に彼女の警護役になっていた。自然に千穂がリーダーになり、無意識にパーティを組んでいた。信州から針ノ木峠を越えて、立山に出て、富山に至るルートを踏破した後、彼女の住所も聞かずに別れたが、その後、妙なめぐり合わせで3人は東京で再会することになる。蜂屋の同僚である美根子が千穂と同級であった。そして4人は互いを意識し始め、不思議な四角関係になっていく。と言ってもただの恋愛小説に終わらないところが新田次郎である。舞台が東京に移っても物語は山を中心に展開する。
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タイトルに期待して読んだのに、中身は、駄作といっても過言ではない内容だった。これは、執筆過程で締め切りに追われていたなどの、のっぴきならない状況下で無理矢理書き上げたのではないかと推察される。らしくない内容に、逆に希少価値を見ることは出来るのかもしれない。
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あっけない意外な終わり方だった・・。
千穂さんは強情すぎる。
けどブルー系の服を好むところは私とおんなじ。
そして一つの寝袋に男女というのは・・・・・
違反だけど憧れちゃう(クスッ)!!
私が生前11年前の小説ですがよく歩く奥多摩の山々の名前に親近感わきました。
本書とほぼ同一コースで今年の夏は八ヶ岳単独縦走するぞ〜!
単独テント買わねば〜!!!
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新田次郎は富士山測候所で6年間、山岳気象観測に従事した科学者。細部にわたる山の描写に引き込まれました。もう一冊読もうか。
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大好きな新田次郎作品!
男の人は相変わらず無骨で、山は荘厳で。
女の描き方が、うん、無骨じゃなかった。結構真実ついてるような。
山の恋愛小説というカテゴリーで語られることが多いのかもしれませんが、
山だけが変わらずに正しい。
2010-2-12読了
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初新田。何この山岳月9(笑)というのが一番の感想。山の描写は申し分ないが、恋模様の描き方がイマイチ。後日談も欲しかった。
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山登り経験などない自分にとっては、登山描写が珍しく迫真的記述に圧倒されて、なかなか面白かった。
山男2人に、類を見ない山女?の女王、そしてそれに絡み付く悪女?の男女4人の恋のさや当てを基軸に、雪山登山に挑む登山家3人の戦いを描く。
女王様のような千穂に振り回される男2人と、その2人を罠にはめる美根子がこの物語を実行支配しているが、千穂の性格描写がいまひとつすっきりこず、ここだけが少し残念なところだ。だが、そうした情念の物語とパラレルに進む登山描写は、色彩・音・皮膚に強く訴えかけるほど印象的であり、これが現実感を引きだしている。
そう、これは雪山登山そのものが主題なのだ。
ところで、裏表紙のあらすじ説明で概要が要約されているのはいかがなものなんだろうなあ。(笑)
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男女4名のドラマ
山というより男女の物語。
ひとりの美人登山家を山男2名が奪い合う。そこに美人登山家の高校時代の友人が対抗意識だけで絡んでややこしくなる。
これ以上登場人物が増えると大変だが、4名だけなのでわかりやすい。
山男2名とともに縦走を計画した山女は、その頂上でどちらを選ぶか選択を迫られるのだが、結局どちらも選べない。
ラストでは、川を渡る山男たちに対して丸木橋を渡る山女が表現される。
橋が水面にくっついたり離れたり。見守る山男を意識しながら、山女は橋を渡りきる。橋の浮き沈みが山女のこころの揺れを表している。山男のザイルに助けてもらうことを拒否することで山女は両方を男と決別する。印象的なエンディングだ。
巻末の解説では山の本となっているが、実際は山が脇役の意欲作と見る方がいいと思う。先のミステリーに加え、この手の小説も上手なんだなと改めて新田次郎の筆力に驚いた次第。
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山岳トレンディドラマ。
確かに50年前に書かれた本としては、色あせていないのかも知れない。
石黒賢と織田裕二
江角マキコと天海祐希
位の配役でどうでしょう?
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2012/9/29 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
2016/4/14〜4/19
2年ぶりの新田作品。
山を舞台に男2人、女1人の三角関係を描いた作品。でも、やはり素晴らしいのは、山登りシーンの描写。
それほど新田作品を読んでいるわけではないが、ちょっと意外な作品であった。
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図書館より
二人の山男、木暮と蜂谷はある日の登山で川原田千穂という女性アルピニストと出会う。彼女に惹かれた二人の恋愛模様は千穂の友人の美根子の登場でもつれ始める。
読んでいて時代を感じる小説でした。見たことはありませんが、たぶん石田純一さんとかが出ていたトレンディードラマってこんな雰囲気なんだろうな、と思いました(笑)
雰囲気がそれならそれで別にいいのですが、女性陣に魅力がまったく感じられないのはいただけない…。美根子がイヤな女なのは役回り上仕方ないのでいいのですが、ヒロインの千穂も何がしたいのか、イマイチ分からずなんだかんだでイヤな女だったな、という印象です。で、どちらのイヤな女っぷりもなんだか古臭いんですよね。
だからか、そんな千穂に惹かれる二人の男性陣にもまったく共感できず…。
人間模様はそんな印象でちょっと残念だったのですが、登山の描写や、吹雪に閉じ込められる描写などは山岳小説で有名な新田さんらしく読みごたえがありました。次回新田さんの作品を読むときは、登山を前面に押し出した作品を読もうと思います。
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一本気な二人の山男と美人山女との三角関係を中心に描く山岳小説。峰屋と千穂の二人登山までは楽しめたが、その後の山男対決からぐだぐだ展開に。千穂の魅力は美人なだけで、自意識過剰で意地っ張りの鼻につく女としか感じられず、山男二人がどこに惚れているのか理解できない。千穂の目線で考えても他の山男と違って積極的に誘われなかったくらいの2人であって、湧き上がる恋愛感情はないのに対決を日和見する感覚で興ざめ。故に感情移入出来ず惰性で読み進めるも最後の展開にがっかり。神聖な山登りでは男女の誤りはないというテーマを主題に最後まで進めてほしかった。
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懐かしの新田次郎であり、表現こそ古いが、小説としての面白さは現代でも減じていないと思う。徹底して不器用な男の視点だけれども。
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昭和37年(1962年)に書かれた作品
山登りが趣味の会社員たちを描いた恋愛小説だが
いまや時代劇とそのことば回しがたいしてかわりなく感じる
それでも登場人物の造形と話立ての面白さはさすがの実力
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北アルプス、冬の八ヶ岳で二人の山男は、「女流登山家に美人なし」と言う通念をくつがえす、美貌のアルピニスト“千穂に夢中になる。彼女の旧友でライバルの美根子を交えた四人の間に恋愛感情のもつれが起こるが、命がけの北岳胸壁攻撃の後、千穂は……。きびしい冬山と氷壁を舞台に、“自然対人間"そして“男対女"を通して緊迫したドラマをみごとに描く傑作長編山岳小説。"