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1970年代に実際に起きた、イランからのアメリカ人救出劇の話。
アメリカ人外交官とその家族6名をハリウッドの映画スタッフに偽装するところなど、まさに救出“劇”である。意表を突いた奇襲攻撃のようだが、地道な訓練や周到な準備を重ねたCIAの凄さが伝わってきた。
なんだか読んでいるうちに、もしかしたらウチの町内会にもCIAの諜報部員が住んでいるのでは、と思った。
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1979年に実際にイランの革命で起こったアメリカ大使館占拠事件で密かに脱出した6人の外交官を救出するCIAの作戦。18年間も秘密にされていたこの作戦の立案し指揮をとった元CAI工作員によるノンフィクション。事実は小説より奇なりというけどこの作品はまさにその言葉通り。主題の作戦に至るまで作者が経験した様々な救出作戦も紹介されていてCIAの戦術や偽装工作の方法が興味深い。ただし成功した実際の作戦を描いたノンフィクション小説なのでいわゆるスパイ・インテリジェンス物を期待すると現実の作戦はかなり地味で目立たないものだという当たり前のことに気が付かされる。この話の後に大使館奪還作戦で大失敗してイランからほうほうの体で逃げ帰った「イーグルクロウ作戦」の方が遥かに派手で小説で読むなら面白いかもしれない。
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映画だけ観た人に是非読んでほしい。内容よりも、如何に事実からエンターテイメントが創られるのかが本と映画を比べることでよく分かる。事実は小説より奇なり、その通りです。
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映画は面白いらしいです。見てませんが。本の方は、淡々としてて盛り上がる個所もなく、いまいちでした。これなら「ホメイニ師の賓客」の方が面白そうです。
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ベン・アフレックが監督・主演し、昨年末に日本でも公開された映画「アルゴ」の元になったノンフィクション。
パーレビ国王を追放し、ホメイニ師が実験を握ったイラン革命。
当時のアメリカ大統領カーターはパーレビの入国を許すが、それがイラン国民の反発を誘い、アメリカ大使館が占拠され、外交官やその家族が人質となる。米国は人質開放のための交渉を開始するが、一方で占拠される直前に大使館から密かに脱出した6人の外交官がカナダ大使公邸に匿われていることが判明する。
CIAは「アルゴ」という架空のSF映画製作プロジェクトを立ちあげ、そのロケハン部隊を装って彼らを秘密裏に救い出す作戦を実行に移した…。
映画は見ていませんが、ベン・アフレックは結構いいらしいです。
こちらはそのCIAの偽映画作戦を立案して、実行に移した元CIAのアントニオ・メンデスが、作戦の一部始終を語ったものなのですが・・・実際には作戦そのもの以上に、CIAにおいて変装や偽装の技術がいかに発展してきたか(そこに筆者であるアントニオ・メンデスがどれだけ貢献したか)という部分が多くを占めて、作戦そのものの進行は全体の半分くらいしか無かった気がする。
というわけで、面白いですが、あまりハラハラ・ドキドキはしないです。したければ、映画のほうを見るべきかもしれません。
しかし、これを読む限りでは映画「ミッション・インポッシブル」(もしくはTVドラマの「スパイ大作戦」)で使われているような、変装技術は実際に行われている(=その技術開発にはハリウッドのメイク技術が転用されている)という事になるらしい。
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映画化作品とアメリカのフィクションということで購読。
アメリカの軍事作戦にも影響与えた救出策であるイーグルクロー作戦を失敗した史実は、知っていた前提で読んでいただけに、地味なところで成功した作戦があったのだという意外な史実の知識を得た。
CIA•アメリカの根回しもさることながら、カナダの巧妙な外交術にも意外だった。
ノンフィクションとしての資料価値はあるのは間違いない。しかし、この作品の地味•単調が故に、☆2
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こんな事件が起きてた事を恥ずかしながら知りませんでした。。。
アメリカのイランへの対応に反感を持ったイラン人学生数百人が1979年11月4日に駐在米国大使館を占拠し大使館員や現地スタッフ70名余りを監禁。人質と共に立て篭もり前国王パーレビの引渡しを求めた事件で、最終的に52名の人質が開放されたのは事件後444日経過した1981年1月20日だった。その間イラン政府は全く介在せずその為に長期に亘る監禁事件に繋がった。
本作は占拠された日に混乱に紛れてカナダ大使館員の自宅に匿われて居たアメリカ人6名の救出を実際に実行したCIA偽装工作員が執筆したノンフィクションです。
登場人物が多い上に偽装工作員として携わった事件の経験を挟みながらのストーリー展開で正直興味が薄れて読み続けるのが辛くなりますが、彼らCIA工作員の働きは映画MI・6を凌駕する程の技術と繊細さがふんだんに綴られており、現実世界でもやはりこんな仕事があるんだと本当に関心してしまいます。
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帯文:"CIA史上、最もありえない救出作戦" "作戦チーフが明かす小説より大胆な《真実》"
目次:まえがき、第1章 ようこそ革命へ、第2章 対応策を練る、第3章 外交、第4章 逃げ場なし、第5章 カナダ,救援へ動く、第6章 過去の教訓、第7章 チームの招集、第8章 作り話、第9章 ハリウッド、第10章 スタジオ・シックス、第11章 宇宙炎上、第12章 準備完了、・・・他
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ついに白百合で読める…!CIA史上、最もありえない救出作戦!!
1979年11月、イラン・アメリカ大使館占拠事件勃発。このときイラン側に知られることなく大使館員6人が脱出。カナダ大使らに匿われていた。
危険が迫った彼らを救出する作戦とは、ハリウッドで偽プロダクションを設立し、そのスタッフとして脱出させることだった…!!(院生アルバイトスタッフ)
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イラン・アメリカ大使館占拠事件、脱出した6人の大使館員を救出する為に計画されたCIAの奇抜な作戦を描くノンフィクション。
イランとアメリカの当時の政治的背景やCIAの職務について、作戦の緻密な描写など、細かくしかも変に抑揚をつけず淡々と描いてくれているので非常にわかりやすい。
が、映画のようなハラハラドキドキするような展開は無く、小説ではなくノンフィクション作品なので、救出劇の前準備に時間を割く偽装工作班のリアルな描写は決して面白くはない。
この作戦の内容について、面白い展開を交えて知りたいならば映画の方が良いだろう。
実際に行った作戦について作者本人により世に知らしめるという意義も含め、背景から作戦のその後の余波までじっくり知りたい人は間違いなく本がオススメ。
と言うことで、自分はハラハラドキドキしたかったので、そういう意味では全く面白くなかったが、わかりやすかったのは確かだ。
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1979イランでイスラム革命勃発。パーレビ国王がアメリカに亡命し、ホメイニ師が政権をにぎると、ホメイニ派の学生たちがアメリカ大使館に侵入。60名のアメリカ人を444日にわたって人質にとった。そこからカナダ大使館へと逃げ込んだ6人のアメリカ人を、インチキ映画のスタッフに扮することで脱出させたCIAの手記。映画に比べて、地味でたんたんとしているがその分史実としての迫力に満ちている。登場人物が多すぎて、こんがらがるところもあったけれど。
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映画と違って盛り上がりに乏しいが、これはノンフィクションだからやむを得ない。むしろ、周到な計画と臨機応変お対応によって、何事もなく脱出を達成するところにCIAの仕事の凄みを冠した。さらに18年も公表を控えざるを得ない点も、CIAならでは。
本書を読むと、このところのアメリカ-イランの接近には感慨深いものがある。
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[史上空前の一本]民衆によるアメリカ大使館の占拠から逃れ、イラン・テヘラン市内を転々としながら潜伏を続けた大使館員らを救い出すため、CIAは前代未聞で奇想天外な作戦を考案する。それは、「アルゴ」という架空の映画の製作をでっち上げ、人質らをそのクルーとしてイランから外国へ連れ出そうとするものだった......。ベン・アフレック主演の映画版の原作にもなった作品です。著者は、実際にこの活動に携わったアントニオ・メンデスとライターのマット・バグリオ。訳者は、特にミステリーをはじめとする小説の翻訳でも名高い真崎義博。原題は、『Argo』。
映画版では、これでもかとばかりにクライマックスとハラハラドキドキの応酬だったのですが、実際の救出活動自体は、綿密な計画と準備、そして大胆な実行力をもってして成功に導かれたことが本書からよくわかります。「そこまでやるか」という言葉がしっくりくるでっち上げぶりに、アメリカとCIAの底力を見る思いでした。
今日のアメリカ・イラン関係を考える上で外すことのできない、アメリカ大使館占拠事件に関する生々しい記録として読むことももちろん可能。アレルギーと言っても過言ではないほどの悪感情を何故に両者が持つようになったかの一端が本書から覗かれます。また、救出に際し、カナダの果たした役割の大きさが重要視されていることから、危機的状況における協力ほど国家間の関係が露呈するものはないなと感じました。
〜この計画にはほかの計画ではあり得ないものがあった。楽しみという側面だ。〜
ちなみに映画版も☆5つ
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イラン革命後秘密裏にカナダ大使館から複数のアメリカ人を脱出させる困難な作戦を立案・遂行したスパイの手記.
映画化もされたとのことだがそちらはチェックしていない.
変装の技術を,ということで変装の専門家であるハリウッドに多分な助力を仰いでいるというのは興味深かった.作戦自体は人質全員の救出でもなく,たった6人の人間の脱出ということで,正直それだけではあまり華がある作戦という風には見えないが,実際には6人どころか,1人を脱出させるだけでも,周到・綿密な準備と,現場での不測の事態にも即興で対応する判断力とが要求される,難しい仕事であることが窺える.
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カーター大統領が、病気療養との名目でパーレビ元国王をアメリカに
受け入れたから、さぁ大変。イラン革命後のテヘランではホメイニ師を
指導者と仰ぐ過激派学生が、元国王の引き渡しを要求してアメリカ
大使館を占拠した。
カーター大統領の支持率ガタ落ちの原因にもなった、イラン・アメリカ
大使館占拠事件だが、同じ敷地内のアメリカ領事館からは既に6人
のアメリカ人が脱出していた。
反米感情を高めるイラン人に見つかったら、殺されるかもしれない。
身を隠さなければいけない6人に手を貸したのは、アメリカの隣国・
カナダ大使館だった。
そして、CIAに命令が下る。アメリカ人6人を救出する作戦を立て、
実行せよ。
映画「アルゴ」の原作である。なんといっても私の大好きなスパイの
世界である。映画の方は観ようを思っているうちに、劇場公開が終わっ
ていた。
さぁ、どうやって6人を脱出されるか。イランに職を求めに来た英語
教師?それとも穀物調査に訪れた栄養士?いやいや、ここは最も
大胆な作戦にしよう。そうだ。映画のロケハンに来たハリウッド関係
者に仕立ててしまおうじゃないかっ!
手に汗握るスパイ小説…という訳ではなく、カナダ大使の私邸に
匿われた6人をいかにハリウッドの人間に仕立て上げるかの
下準備が丁寧に記されている。
派手なアクションもないし、スパイ同士の対決もない。6人それぞれ
の偽の履歴を作り上げ、必要書類を偽造し、挙句の果てには
ハリウッドに事務所まで作り、制作予定の映画広告を打つ。
すごいなぁ。パスポートを始めとした文書偽造は映画や小説でも
よく出てくるが、その人物の背景まで作り上げるんだもの。
本書は脱出工作の準備に多くが割かれており、これが堪らなく
面白い。脱出劇そのものは最後の方におまけ程度だ。
CIAの実行力も凄いが、この脱出劇で大きな役割を担ったのは
カナダである。「カナダの策謀」と呼ばれているようだが、カナダ
政府の全面協力がなければ実行出来なかったろうな。
だって、CIAが「すいません、出来ればあなたの国のパスポート
を使わせて頂きたいんですが」とお願いしたら、「ええ、もう準備
してますけど?」なんだもの。
アメリカから田舎者扱いされるカナダだが、もっと感謝した方が
いいよ。そもそもカナダ大使が匿ってくれなかったら、どうなって
いたか分からないんだから。