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電子書籍
スタバではグランデを買え! ――価格と生活の経済学
著者 吉本佳生 (著)
スーパーで88円のお茶を、自動販売機で150円で買うのはなぜか? ケータイ料金は、なぜ複雑なのか? 100円ショップの安さの秘密はどこにあるのか? グランデサイズがお得な...
スタバではグランデを買え! ――価格と生活の経済学
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スタバではグランデを買え! 価格と生活の経済学 (ちくま文庫)
商品説明
スーパーで88円のお茶を、自動販売機で150円で買うのはなぜか? ケータイ料金は、なぜ複雑なのか? 100円ショップの安さの秘密はどこにあるのか? グランデサイズがお得な価値設定なのはなぜか? 身近な生活で接する価格をやさしい経済学で読み解く。価格のカラクリを知りたい消費者のための経済学入門。
目次
- 第1章 ペットボトルのお茶はコンビニとスーパーのどちらで買うべきか?―裁定と取引コストが価格差を縮めたり広げたりする/第2章 テレビやデジカメの価格がだんだん安くなるのはなぜ?―規模の経済性が家電製品の価格を下げる/第3章 大ヒット映画のDVD価格がどんどん下がるのはなぜか?―企業は、高くても買う消費者にはできるだけ高く売ろうとする/第4章 携帯電話の料金はなぜ、やたらに複雑なのか?―携帯電話会社はいろいろな方法で消費者を選別する/第5章 スターバックスではどのサイズのコーヒーを買うべきか?―取引コストの節約は、店と消費者の両方に利益をもたらす/第6章 100円ショップの安さの秘密は何か?―ときには、追加コストが価格を決める/第7章 経済格差が、現実にはなかなか是正できないのはなぜか?―所得よりも資産の格差のほうが大きな問題である/第8章 子供の医療費の無料化は、本当に子育て支援になるか?―安易に政府に頼る国民は、結局は大きなツケを負わされる/最終章 身近な話題のケース・スタディ―付加価値に分解して考える
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紙の本
経済学を知らない人にオススメです
2017/01/01 23:18
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:melon - この投稿者のレビュー一覧を見る
大学の学部で習うような経済学について、身近な事例を利用して簡単に説明している本です。大学で経済学を学んだことのある人であれば、懐かしさを覚えるでしょう。またこんなに簡単なことであったのかと思われるかもしれません。逆に大学などで経済学をかじったことのない人にとっては、経済学に興味を持つきっかけになるかもしれません。
図が多用されていてわかりやすいでしょう。ただし、数字はあくまでも説明の便宜のために用意されたものであり、実際のデータに基づいているわけではありません。経済学が机上の空論といわれることもありますが、その理由がわかるのではないでしょうか(もちろん机上の空論と思われないために身近な事例を経済学を用いて説明しようとしているのですが)。
この本で一貫して主張されていることは、取引コストの重要性です。これは“いろいろなモノやサービスを取引するときに、取引されるモノやサービスの価値に対する支払い以外に生じるコスト”のことで、たとえば本書の事例を参考にすると、スーパーで85円で買えるお茶を観光地で150円で買うことについて、その観光地までお茶を運ぶことに対するコストなどを考慮するとその差額は妥当だといえることがこの取引コストという概念によって説明されるわけです。
携帯電話の料金についてはこの本の書かれた2007年頃から問題になっていたのですね(2017年現在においては状況が変わっていますが、相変わらず日本の携帯電話料金体系は問題があるものといえますね)。日本の携帯電話メーカーがダメになるわけですね。
焼肉とステーキについて、両方とも高品質な肉をおいしく食べたいとの欲求があるときに食するものであるが、前者は自前で焼くため料理人のコストがかからないが、うまく焼く自信のある人が得をし、そうでない人が損をするもの。一方の後者が料理人による上手な調理があるため、肉を焼く技術は消費者に求められず、必ず均一化されたおいしい肉を食することができるが、料理人のコストがかかるため高くなる傾向にあると考察されています。面白い視点であり、そのようなことを考えたことはありませんでした。実際同等程度の肉について焼肉とステーキってどっちが高くなるんですかね。イメージとしては確かにステーキの方が高そうですけど、肉質の問題なのではとの気もするんですよね。
子供の医療費無料化について、医者にかかるということは治療費としての金銭的な部分が減ったとしても、本来医者にかかるようなものでないものまで病院にいくことになるから、長時間待つことになる(時間という取引コストが増える)ため、子供を持つ親にとっても本当に良い政策であるとはいえない、むしろ不公平な悪い制度であると筆者は主張します。この考え方はまさしく取引コストというものを的確に表していると思います。日本の財政が悪化している中で医療費を削減する必要があるという方面からのアプローチでなく、基本的に恩恵を受けていると思われる人々にとっても実は損をする政策なのだというこの発想は、コロンブスの卵のように思われました。
紙の本
価格のカラクリを教えてくれる優しい経済学入門書
2019/02/17 10:21
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:文学少年A - この投稿者のレビュー一覧を見る
スーパーなら88円のお茶を買えるのに、店の前の自販機で150円で買う人はいるのはなぜか?特定の地域にコンビニや家電量販店が出店するのはなぜか?100円ショップはなぜ安く売れるのか?携帯電話の料金体系はなぜ複雑か?等、身近な価格の疑問を本書では例えで図やグラフなどで書いて優しく教えてくれる。
なお、著書の吉本佳生は経済学者だが専門は金融である。