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  • カテゴリ:一般
  • 販売開始日: 2013/01/01
  • 出版社: 新潮社
  • ISBN:978-4-10-117415-0

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一般書

電子書籍

影武者徳川家康(上)

著者 隆慶一郎

慶長五年関ヶ原。家康は島左近配下の武田忍びに暗殺された! 家康の死が洩れると士気に影響する。このいくさに敗れては徳川家による天下統一もない。徳川陣営は苦肉の策として、影武...

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影武者徳川家康(上)

税込 869 7pt

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商品説明

慶長五年関ヶ原。家康は島左近配下の武田忍びに暗殺された! 家康の死が洩れると士気に影響する。このいくさに敗れては徳川家による天下統一もない。徳川陣営は苦肉の策として、影武者・世良田二郎三郎を家康に仕立てた。しかし、この影武者、只者ではなかった。かつて一向一揆で信長を射った「いくさ人」であり、十年の影武者生活で家康の兵法や思考法まで身につけていたのだ……。

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みんなのレビュー114件

みんなの評価4.6

評価内訳

紙の本

自分が死ぬことを勘定にいれずに、今、どうすべきか何の躊躇もなく即やりました

2011/02/22 06:22

7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みどりのひかり - この投稿者のレビュー一覧を見る

 隆慶一郎の作品は、命知らずの、死ぬことを屁とも思っていないようなみごとな男の生き様があります。勇敢であり人情に厚く、大きな感動があります

 私は、小学4年生のとき、国語の教科書で、ひとつだけ解らないことがありました。それは、宮澤賢治の最期の様子でした。


 病気で寝ていたときに、ひとりの農夫が肥料のことについて たずねに来ました。賢治の病気がたいへん重くなっていることを知っている うちの人たちはことわろうとしました。しかし賢治はせっかくたずねてこられたのだから、と言って、ねどこから起き上がると、一時間にもわたって、ていねいに教えてあげました。
次の日の昼すぎ、賢治は、安らかに息を引きとりました。


 小学校の担任の先生は、ここは無理して応対せず、ゆっくり休んで病気が良くなってから教えればもっと沢山の人に教えられるのだから断るべきだった、と言ってました。そのときは担任の話に一応納得していたのですが、心に引っかかるものがあり、二十才の頃、ともかく、そういう生き方をした人がいたことを、心に留めておこうと思いました。でも、宮澤賢治の行動の意味はわかりませんでした。

 そして、小学四年生のときから数えて四十数年後、隆慶一郎のメモに、これから書く予定の小説があって、その中に宮澤賢治の名があったのです。

 このとき初めて宮澤賢治の最期の行動の意味がわかりました。賢治は隆慶一郎の描く小説の命知らずの主人公たちと同じでした。自分が死ぬことを勘定にいれずに、今、どうすべきか何の躊躇もなく即やりました。 みごとな生き方でした。

 私、”みどりのひかり”が書きました「般若心経物語」には、好きな小説家として、隆慶一郎と中島敦をあげています。この本は宮澤賢治の「眼にて云ふ」の詩の中の《きれいな青ぞらとすきとほつた風》を中心として、様々な先達の生き方や物語が書かれています。隆慶一郎がシナリオをかいた、映画「にあんちゃん」の原作、小学生の日記「にあんちゃん」のお話も出てきたりして慟哭します。隆慶一郎の書いてきたことと共通する大切な何ものかがあります。

 影武者徳川家康では、本物の家康は、関ヶ原の戦いで甲斐の六郎に殺され、影武者の世良田二郎三郎が家康に成りすまし指揮を執る。そののち、徳川秀忠との長い戦いが始まる。そういう内容ですがいたる所に大きな感動があります。

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紙の本

人間を描く魅力

2011/12/04 23:44

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ががんぼ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 面白い。これまで『吉原御免状』のシリーズ、『一夢庵風流記』、『捨て童子松平忠輝』など読んできたが、間違いなくこれが作者の最高傑作だろうと思う。
 作者は時代小説のかつての大御所の一人。時代小説といえば、どちらかというとニヒルなハードボイルドが主流かという気もするが(最近はまた違う感じだが)、この作家には一種大らかなロマン主義があって、読者によってはそれが魅力だろう。ここでも、他の作品に共通して登場する「道々の者」と呼ばれる自由人たちや、その自由な独立国のモチーフなどにそうした面は現われていて、作者の嗜好がよくわかる。個人的にはハードボイルド趣味なのか、これまでは、それなりに楽しみながらも、やや物足りなくもあった。が、この作品ではそうした好みの問題以上に、プロットのスケールの大きさと厳しさとが際立っていて、それが読ませる。
そのプロットとはいうまでもなく家康が途中から影武者だったという着想である。題からしてすぐわかるわけだが、どういうわけか、この点にはあまり興味を覚えてこなかった。奇想天外すぎて面白さの質まで思いが至らなかったせいか。だが影武者が入れ替わるとすると、そこには困難の大きさと、それを乗り越えていくことのとんでもない冒険性がある。それはたとえばル・カレなどの上質のスパイ小説にも似ているように思うが、国の命運を左右するスケールと、政治的駆け引き、陰謀策謀渦巻く知的なバトル、そして直接の暴力的なアクション、秘密に絡む複雑な人間感情と心理、などが複雑に錯綜してくるわけで、これが面白くないはずはない。
 多少歴史解説めいた中盤がやや刺激を欠くものの、特に最初のほうは面白い。人物の言動とその描写からにじみ出る人間自体をこれほど楽しめる小説を読むのは久しぶりだ。いわば人物の一挙手一投足が、人間というもののの様々な味わいを描き出すためにある感じ。
 なお、家康を影武者とするのは、作者の単なるアイデア上の離れ業ではなく、どうやら史実に照らして本気で信じているらしいのもわかった。この種の歴史秘話としては、宮本武蔵複数説や、チンギスハン=義経説が有名だが、ここではそうした仮説自体が、謎解きや材料としてよりも、そのまま小説の核として具現しているのがすばらしいと思う。

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紙の本

「葵」を見て読もう。各所であのシーンが浮かび上がります。

2001/05/18 07:48

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みんみん - この投稿者のレビュー一覧を見る

 NHKの大河ドラマ「葵」で、関が原の戦いから家光が治めるまでを見た後に読むと、各シーンが思い出されて妙に納得してしまう部分が多くあります。現在明らかになっていて、歴史研究家の100人が100人とも認める史実を、隆慶一郎の視点で繋ぎ合わせ、家康は関が原で死に、影武者の二郎三郎がその後を勤めたというテーマを纏め上げた長大な物語です。

 隆慶一郎独特の語り口は今回も生きていて、「影武者であった!」という一つのテーマを上中下巻に渡って書いているにもかかわらず、最後まで興味を持続させるところはさすがです。
 まぁ長いだけに登場人物のキャラクターが変わってしまうこともありますが、愛嬌でしょう。ブスで誰にも認められなかったはずの女忍者「おふく」がいつの間にか「いい女」に変わったり、弥八郎が前半と後半では別人のようだったりしますが、大勢には影響ないですね。

 誰もが認める史実だけ並べて、まったく面白くも何とも無い歴史小説が多い中で、事件と事件を隆慶一郎の視点で結び付け、掘り下げ、語り聞かせる本書は隆慶一郎の作品の中でもトップクラスに位置すると思います。

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紙の本

家康暗殺

2023/02/26 23:44

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る

家康が暗殺される衝撃的な幕開け。徳川政権を維持するために「ニセ家康」を担ぐという破茶滅茶なお話。ところが、史実に沿って、裏の闘いを見事に書き上げていく隆先生の筆力には脱帽しました。上巻は主要キャストが登場。主人公の世良田二郎三郎をはじめ、本田弥八郎、大奥のお梶、家康暗殺犯の六郎と島左近、協力者の風魔一族、そして敵役に秀忠と柳生一族を配置。想像もつかない展開に一気に読了。秀忠との闘いが本格化するであろう中巻に移ります。

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紙の本

この作者の最高作

2022/07/02 17:38

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る

話の大きさ 組み立ての旨さ 骨太な語り口 と間違いなくこの作者の最高作である。(この作者の他の作品も読んでみたが、いずれもかなり劣る気がする。)
影武者が最高権力者にとって変わる というアイデアはしばしば見られるが、この作品は単なるアイデアにとどまらず、政策の変化 戦略の変化という視点から捉え、スケールの大きな話に仕立て上げている。

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紙の本

凄い小説

2020/05/04 16:52

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る

これは凄い小説です。まず発想が凄い。徳川家康の影武者説という珍説は明治時代からあったらしいですが、本書はこの珍説を史実であるがごとくに緻密に練り上げ、歴史小説風の伝奇小説に仕上がっています。キャストが凄い。主人公の二郎三郎はさることながら、その脇を風魔小太郎や島左近といった魅力ある人物たちで固めます。分量が凄い。1冊が600ページを超える分量で上中下の3冊。家康の晩年の15年間が物語の舞台。上巻は1600年10月の関ヶ原から1603年4月の征夷大将軍就任まで。中巻から、いよいよ秀忠との闘いが本格化します。

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紙の本

裏日本史の型破りヒーロー誕生

2002/07/26 20:01

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:あつぼん - この投稿者のレビュー一覧を見る

 我々の知っている徳川家康は実は影武者だった!関ヶ原の合戦で家康は暗殺されていたのだ、、、という仮説に基づいて、大胆に史実を読み替えてみせる。
 やはり本当のところはフィクションだろうと頭ではわかっていても、残された史料の解釈の見事さ(しかも歴史ものにありがちな難解な説明はほどほどに抑え、講演のような持論の展開が読み物としての価値を高める)についひきこまれてしまう。
 それにもまして主人公のなんと魅力的なこと。見栄えのする容姿ではまったくない(家康の影武者なのだから当然だ)が、頭の回転は早く、鍛えた体に武器扱いにも長け、度量は大きく性格もさっぱり、とくればまさにスーパーヒーロー。こういう人物が実在したことをひたすら信じたくなる。
 彼はそれだけでなく漂泊の民、つまり一カ所に定住しない人たちや、技術・技芸で身をたてている人たちへの共感が強く、彼らを味方につけることで、影武者成り上がりの危険な立場を乗り切ろうとする。
 彼を取り巻く人々もそれぞれに性格が立っていて血肉が通っているのがまた読む者にとって楽しい。

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紙の本

最高の「たら・れば」話

2002/02/27 21:01

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ピエロ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 「源義経が奥州藤原氏と手を組んで頼朝と戦っていたら?」「織田信長が本能寺で死んでいなかったら?」「日本が太平洋戦争に勝っていれば?」歴史学には「たら・れば」の話はタブーなんだとか。しかし歴史小説なら大丈夫、大歓迎です。『影武者 徳川家康』は、この「たら・れば」話の傑作です。
 徳川家康が関ケ原の合戦で戦死していたら? 歴史や戦国時代に興味のある人は、一度は考えてみたことがあるのではないでしょうか? 石田三成が天下を治めた? また再び群雄割拠の世になった? 本書ではどっちも違っています。ちゃんと史実のとおり、江戸幕府が開かれます。徳川家康の影武者によって。影武者と侮るなかれ、この男なかなかの策士で、関ケ原では敵方だった島左近(こっちは戦死していない)ら協力者と力を合わせ、二代将軍となる秀忠や柳生の手の者と壮絶な戦闘・政争を繰り広げます。
 かなりの分量のある小説なのですが、読み出したら止まらない。もっともっと読ませてほしくなってきます。もったいないので薦めませんが、徹夜で一気に読んで、次の日に眠いのをガマンするだけの価値はありますよ。

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紙の本

果たして想像力だけで片付けてしまっていいのかな

2002/02/18 22:38

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ばんばん - この投稿者のレビュー一覧を見る

 もしも徳川家康が途中で入れ替わっていたとしたら。
 ありそうもない、奇想天外な話と片付けられないものを感じるストーリーである。隆慶一郎が想像力で補ったにしても、実際の史実をつなぎ合わせて、矛盾点を導き出し、作り上げたストーリーは魅力的である。それに、だまされていたにしても、それでいいと思える夢のある作品だ。歴史上、面白くないと評されることの多い徳川家康を影武者で自由を追い求める夢のある優しい人物へ、その評判の割りにあっけなく死んでしまった島左近を不屈の闘志で豊臣家存続に尽力した人物へと、あるいは親孝行で小心と言われた徳川秀忠を陰謀好きの暗い人物へと、隆慶一郎の角度で描きなおしているのだ。
 この本を読むときの最大の失敗は、上巻だけしか持って歩かないことだ。3冊揃えてなければ、じれったい時間をすごすこと間違いなしだ。

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紙の本

フィクションに勝るノンフィクション無し

2001/06/14 15:03

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:てら - この投稿者のレビュー一覧を見る

 人間、自分の持っている知識や教養で太刀打ち出来なくなる時、どうするか。目の前から排除する。これが学者さん的なやり方でしょう。「こんなことはありえない。虚構だ、虚妄にすぎない」等々…。
 フィクションってなんですか? 空想、作り事、でっち上げ? じゃあ、ノンフィクションは?真実、公の事実、公認されたことがら。実際にあった出来事…。では事実と事実をつなぐ、インターミッションが現実の世界から何らかの事故や圧力で消えてしまったら、どうすればいいのか? それを補う努めを果たすのが、よりリアルなフィクションの役割ではないのか? 作者の主観に過ぎないとはいいつつ、ノンフィクションだって、それを語る人間の視点という意味で充分、主観的であり、そこに頼まれもしないフィクションの要素が入り込むのだから。単なる事実の羅列をノンフィクションとは言うまい。そして、フィクションがノンフィクション以上に説得力を持つか否かは作者の力量による。昨今見られる架空の戦国史のような単なる思い付きで書かれた底の浅いノンフィクションか、はたまた、確たる人間哲学や洞察力に基づく、仮定かでまったく異なってくる。
 どなたか、隆慶一郎氏の歴史観を指して、「吉原は自由人の公界であり、そこに生きる女性は自由で開放されていた」という著者の推察を誤った思想とか妄想と書いている方がいたが、氏が別の物語で吉原が当初の自由世界から、単なる人肉市場に落ちぶれていく様もきちんと描かれていることをご存知無いのだろう。この「影武者徳川家康」も「関が原以降の家康が実は別人だった!」というキワモノ的趣味で書かれただけの底の浅い物語でないことはお読みになられた方なら既にご理解いただけるはずである。哲学と豪筆の腕がなくば、単なる思いつきだけで、こんな大作は凡百の作家には書けはしまい。

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紙の本

柳生忍群と風魔一族のバトルアクション理屈抜きの面白さ

2002/10/11 14:47

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:よっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

私が小学生のころの戦国時代の英雄といえば豊臣秀吉と真田幸村であった。身近にころがっていた講談本や漫画によって焼きついた記憶だ。信長ですら秀吉を語るための脇役にしか過ぎず、まして家康は秀吉の努力の成果を掠め取った「タヌキオヤジ」であり悪い人であった。真田幸村はすなわち真田十勇士であり、その家康をさんざん苦しめる一騎当千のコンバットチーム、奇想天外なバトルアクションで少年の血をわかせたものだ。
この図式を一転させたのが今から30年も前になるのか、山岡荘八の『徳川家康』だったのだろう。吉川英治の『新書太閤記』は読んだが、これには手が出なかった。戦後の混乱期から日本の再出発は、家康を手本にすべしとばかりに、山岡家康は政治家、大企業の経営者の座右の書としてもてはやされた。当時、ホヤホヤ社会人としてはそういう傾向の書は敬遠し、少なくとも楽しい小説とは思えなかったからである。山岡家康の精神は「元和偃武」にあるのだそうだ。家康の生涯における権謀術数は元和元年大阪夏の陣を最後に太平の世を築くためであったとする歴史観である。
文芸春秋で北上次郎が「平成の時代小説ベスト35」の冒頭に隆慶一郎を紹介していた。読んでみたいと思っていたところである。
『影武者徳川家康』は関が原の戦いで武田忍者の生き残りに暗殺された家康に替わって、影武者であった世良田二郎三郎という「漂泊の自由民」がそのまま、秀忠と15年にわたる暗闘を繰り広げながら、太平の世、民の自由のユートピア実現、結果として「元和偃武」をめざし邁進する破天荒な虚構世界を描いて圧巻である。脇役の魅力的な人物造形に加え、家康の周辺にある数々のエピソードを巧みにちりばめ、大長編ながら飽きることがない。
さらに、これはまちがいなく冒険小説である。秀忠配下の柳生忍群対二郎三郎を信奉する風魔一族との趣向を凝らした壮絶な戦いの場面だけでも充分に読み応えがある。

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紙の本

奇想

2002/04/21 08:15

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:真  - この投稿者のレビュー一覧を見る

天下分け目の関ヶ原。西軍の島左近が放った忍者・六郎が、家康を仕留めた。徳川家康は暗殺されていた……!? いまここで家康の死がバレると東軍に勝ち目はない。そう判断した東軍の代表者たちは、家康の影武者だったはずの世良田二郎三郎を、家康本人に仕立て上げた。見事な采配で家康本人に成りすまし、東軍を勝利に導く世良田二郎三郎だったが、それは以後十数年もつづく暗闘のはじまりにすぎなかった…… 

もちろんこの「徳川家康暗殺」というのは作者の創造。この「奇想」ともいうべきアイディアで、上・中・下巻あわせて1500ページにも及ぶ大長編を仕上げている。

事実と虚構が巧みに入り混じった話となっていて、歴史の知識のない人間(俺のような)にとっては、どこまでがホントなのかわからない。秀忠がモロ悪役になっているのは、作者の創造だってわかるけど、それ以外の部分はうっかり騙されそうなほど巧みにウソをついている。この「ウソ」で本書「影武者徳川家康」の物語は構築されていく。まだ上巻だが、わくわくさせる展開の目白押し。

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紙の本

影武者モノのなかでは秀逸

2001/05/06 23:20

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:谷池真太 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 実は徳川家康は関ヶ原合戦で死んでいた! 家康の影武者と二代将軍秀忠の暗闘!

というのが本の内容。

 もちろん、家康が影武者だったなんてのは著者の勝手な空想なので真に受けないように。この手の伝奇小説はあの手この手を使って読者を自分の世界に引きずり込んで「家康は影武者だったんだー」と納得させようとしているので現実と混同しないように。

 ただ、その読者を引きずり込む技術の善し悪しがこの手の小説の出来を決めるのも事実。その点では本書は十分に合格ラインにあると思う。

 実は○○は影武者だったというのは伝奇小説ではよくあるパターンだが、それらのなかでは秀逸。ただ、「吉原御免状」からつづく「江戸時代の女性は自由で性的にも開放されていた」という著者の誤った思想がどうにも好かない人にはお勧めできない。あくまで著者の妄想ということで読めば十分楽しいのだが。

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2004/11/09 08:52

投稿元:ブクログ

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2004/12/02 09:44

投稿元:ブクログ

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