紙の本
人生いきづまったら、その意味を「考える」コトで乗り越える。って、あるようでなかった人生論かも。
2020/11/22 15:41
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投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
無名の男性のちょっとだけ苦労のあった半世紀をつづったといった体裁の本。自分の半生を綴るというのは、単なる方法であって、著者はそれを通して、明確に誰かに向かって言っている。
何を?
「大丈夫だよ」ということだろうか。
著者は、ブログを書き始めて長く、著名なブロガーを意味する「アルファブロガー」のひとり。冒頭に、本書を書こうと思った理由が述べられ、その大きなひとつが、「これからの社会私みたいな人が増えるのではないか」と思ったから。
たしかに描かれているのは、バブル世代にして、今の若者の実情に近似な人生
職が見つからない。良い大学をでて、大学院まで進んだけど、けっきょくなったのは派遣社員。それで、頑張っても、会社でひどい目にあわされたり...。加えて言えば、結婚したくてもなかなかできない。
しかし、その人生を悩みつつも、実質大きく受け入れ、一方で、地道に学び、深く思索する日々であるから、かえって、ゆったり器の大きい生き方にも見えた。
著者は、その後、偶然訪れた大恋愛の末、結婚もし、今や子供は4人。しかし、一方、突然難病にも侵されて…。
本書を読み進めるコトは、どこかで生きている他人の人生を追ってゆくということと同義に思えた。そこになんとなく見えてくるのは、「ふつう」=平均的な生き方などはどこにもなくて、すべての人生は苦悩と面白さに満ちていると言うコト。他者と比べない、振ってきた不幸までも味方につけた、自分の絶対的価値に気が付いたなら、もう向かう未来に怖いものはない。...と静かに教えられたような気がして、希望すら感じた読後感。
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著者の人には申し訳ないけれど、この本はとりあえず、“finalventファンブック”という位置づけから始まってしまう。
日頃から極東ブログ、メールマガジン、cakesなどを読んできた人が真っ先に手に取るだろう。
そして彼ら(僕ら)は衝撃を受ける。「うわ、finalventさんってこんな人なんだ!」と。普段のイメージからすると、意外なんだ。本当に。内容が。
僕はfinalvent氏を、世捨て人の仙人のようなイメージで見ていた。漢詩なんかに出てくる仙人だ。極東ブログにおいて、世界情勢を、英語を訳しながら、自らの考えを含めつつも淡々と解説する。そういうイメージと、現実の暮らしは真逆だった。
著者は自身の人生を「空っぽ」と表現している。しかしその中身といえば驚きの連続で、それが最後まで続く。
「世間的な有名人にはならなかった」という意味か、「一財を築くことはなかった」という意味か、もしくは「何かを成し遂げ損なった」という意味なのか、自らを、「55歳にしてこの先の見込みもなくなった失敗者」であると言う著者。
それでも考えながら生きてきた、なんとかなった時も、ならない時もあったけど、考えて生きることで、納得したり整理をつけながらここまで生きてこれましたよ、考える生き方とはどういうものか、という風に、この「考える生き方」記されている。
正直、これが空っぽな人生だったら自分の人生なんてゴミ屑じゃないか…と思った人も多いはず。
さて、finalventファンよる「考える生き方」紀行1週目は、どうしてもこういう形で終わってしまうんだ。驚きの1週目。
そして2週目。ここからがファンじゃない一般読者と同じ目線で内容が頭に入ってくる。
各章では、著者の人生経験に基づき、各シーンで考えたことやそのプロセスが書かれており、先ほど書いたように1週目ではその内容が面白くて考えるところまで行かない。2週目であれば、いろいろと考える事が出てくる。
例えば、働くこと、市民であるということの意味とか。
市民というのはヨーロッパの概念で、シティズンシップ、市民革命とかの市民にあたる。町を構成する構成員が、その共同体の理念や秩序を維持するために寄与する義務を果たす。とか、そういう意味だったと思う。それは特に、利益よりも正当性、正しさを追求するという場面にて顕著に現れる。正しさというのは、行動規範としての正しさであり、僕はそのあたり調べ切れていないので、なんとも言い難い。今後の課題。
著者が言うには、ざっくり言うと、市民として社会に寄与する事は、お金を稼ぐ事よりも大切ですよ、道義に反してお金持ちになっても、それは市民の義務を果たしているとは言えず、あまり意味のないことですよ、という内容。ざっくり過ぎるか。
他には、書評にもよく挙がっているテーマとして、大学教育について。
外国の大学ではリベラルアーツの教育が行われており、リベラルアーツとはどういうものか、というのが解説されている。
大学教育とは本来どういうものか、どういう形が理想なのか。
大学は本来、技術や知識を教える場ではなく、科学の体系、筋道をたどって物事を把握する訓練、解決する訓練、応用する訓練を行う場である、と。
そして、本来の大学教育を受けた学士であれば、専門分野を問わず、その方法論、リベラアーツを持ってして、どの分野においても道順を持って体系を把握し、解決し、応用する事が出来る。そういう教育こそが大学教育であり、それを体得する事は知識や技術を得る事よりも尊いことである。という内容。
今求められているような即戦力なんてものは、ひとたび状況が変わると何の役にも立たないもので、あれは専門学校で教えるもんである。大学ではリベラアーツを学びましょう、リベラルアーツを習得した人材こそがどんな場面においても解決策をひねり出し、応用が効き、新しい物事にも正当な目線で対峙できる、とかそんな内容だったと思う。
そのリベラアーツを持ってして、著者が人生の局面にて解決してきた例が、この本にも散りばめられている。
本を読んだのは発売当時で、今その本を手元に置きながらも参照せずにこの感想を書いている。記憶違いや間違いがあれば、ごめんなさい。感想というよりは本の紹介になってしまった。
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極東ブログで有名なfinalventさんの本。
この人のBLOG、twitterを読んでると、語学に詳しくかったり、プログラミングやってたり、沖縄で暮らしたことがあったり。。。と、すごく職業が想像しずらくて、どんな人なんだろうって多くの人が気になってたはず。
本書はその種明かし本で「なるほど、それでか」って納得しながら面白く読めた。ただ大学以前のことはまったく書かれてないし、結婚&恋愛のこともすごくあっさりとしか書いてない。
アイドルのヌード写真集買ったら、なんだあんま脱いでねえじゃん、みたいな感じもある。
やっぱり意外だったのは4人の子持ちだったことで、沖縄で避妊せずに暮らしてたら自然とできたとか書いてあって、ビッグダディじゃんと突っ込まずにはいられない。
あとはクリスマスはしょぼーんとしてた、とかハゲに悩んだとか意外と人間味にあふれた人だったんですね。
文章はブログよりだいぶ簡単で読みやすい。
2ちゃんの「~だけど質問ある?」みたいなスレッドに似た感じでサクサク読める。「沖縄住んでたけど質問ある?」「難病になったけど質問ある?」みたいな感じ。
内容としては沖縄の結婚式の話やリベラル・アーツの話などが面白かった。
あとは料理の話をもっと読みたかったなあと。
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読みかけ。
対象年齢層は大学生から若手社会人あたりなのか、やわらかい文体で、
これって同一人物?と疑うほどブログの文体と異なる。最初は違和感があったが、読み進むにつれて気にならなくなる。
普通の人(世間的に成功していない人)が、それでもよく生きるには、というテーマは、数多ある成功者のものした自己啓発本や、ライフハック本とは違った味わい。
山形浩生評(↓)も、ごもっともとは思うのだけど・・・。
「他人の、特に華やかではなくそれなりに挫折やトラブルはあるにしても、まあ普通の人生。どうでもいいや。知らない人の、特に変わったものでもない結婚や子供や仕事の話をきいてもなあ。」
それにしてもこの御仁、料理好きの独身かと思ってたら、まさかのビッグダディ(嘘)だったとは!
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「私の人生は失敗だったんだけどね」という本。
人生の意味を考えながら生きましょう。
著者の博学には頭が上がらない
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ブロガーとして有名なfinalventさんが、ブログを書いて10年の区切りで書いた自伝のような書です。ブログでは語っていない自身の半生を振り返っての思いが、いい大人がこんなに素直に文を書くことなんかないんじゃないかというくらいに、丁寧に丁寧に記されています。
「自分の人生はからっぽだった」なんて言いながら淡々と語るのですが、自分の人生の意味を実感できずに元気が出ない人たちを勇気づける言葉と思いました。
普通に暮らしているうちにいつの間にか年を取って行く日々の中で感じる思いに共感するところが多く、また、そのうち自分もこのように考えるようになるのかもしれないななどと気づかされるところもあり、期待以上の読後感でした。
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極東ブログはかなり前から知っていて、一時期は更新される度にきちんと読もうとした時期もあったが、いつの間にか読まなくなっていた。とにかく内容が濃いというか、長い。それでもfinalventさんはtwitterてフォローしているし、何となくチラチラ横目で見ているような状態。そんな中で、この本を読み始めたが、正直、ブログよりはるかに読みやすいと言うか、ぶっちゃけている。finallentさんは私より5歳上なので、ほぼ同年代。書かれている事もほとんど共感できるし、よく分かる。もっとも、私は難病にかかっている訳でもないので、よく分かるというのは、極めておこがましいのだが。読みながら、なぜこの本のタイトルが考える生き方なのか理解できなかったが、最後まで読んで、今、自分が生きている意味を考えなさい、というのがfinalventさんのメッセージなのだろう。確かに自分も50年生きてきて、何にもできてないなと思いつつ、でも、50年だよな、とも思う。死というものがかなりリアルに感じられる状況で、自分自身のために何を行い、周囲に対して何を為すべきなのか、これから考えながら生きていきたい。
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◎finalvent氏の『考える生き方』は、真似できるのだろうか。より参考自分の生活を実験のように考える、常に自省することを実践している人の生活を見たかった。”
目次
○社会に出て考えたこと
○家族を持って考えたこと
○沖縄で考えたこと
○病気になって考えたこと
○勉強して考えたこと
○年を取って考えたこと
どこが参考になったのか
・人生におけるいろいろな場面で考えたことを書いてくれている。確かにもともとこの日と自身が非凡であったと思うので、この人の人生が「からっぽ」だったかというと創ではないと思うけど、人生の場面場面で参考になることは多い。
批判すべきところはどこか
・上述のようにこの日と自身の経歴が割りと非凡であるために、自分を陥れて書きすぎているかもしれないこと。
どんなときに読み返したいか
・人生の場面場面で躓いたとき。むかし乙武さんの「五体不満足」をバイブル的にもっていたように社会に出てから新しい局面になるたびに読めると思う。
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きちんと自分の頭で「人生」を考えている人が、きちんとその「人生」を言語化した本。
最近子供が産まれたのだが、その祝いにアニキがくれたいい本。このタイミングで読んだからこそ心に言葉が沈殿した。もう一回読んでもいいかなと思える久しぶりの本。
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有名ブロガーのfinalvent氏による,まあ人生論だろうな。半世紀の半生記でもある。遠回りをしてきたようだが,その分いろんなことを考える。仕事のこと,偶然もった家族のこと,四人の子育てのこと,八年住んだ沖縄のこと,難病にかかったこと,老いて考える死のこと。いろいろ考えて,緩やかな理性が大事だ,と気づく。こういう中庸というのが真理なのだと思う。変に勘違いしてる成功者の文章よりもずっと良いことを言ってる。大多数の平凡な人間の共感を得るのはこういう人生論だと思うのだが。おすすめです。
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どういう本かというのは難しいけど良い本
説明しにくいので読んだほうが良いと思う 特にリベラルアーツについてなど
他にも人生への向き合い方など 賢く穏やかな歳の重ね方
その他にも具体的なノウハウについてあまり普段接することのないところから得ていてただただ感心
インテリという言葉が馴染む
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世間的に社会的に、自分の人生の意味はないとしても、自分の内面から見れば、それなりにある種の手応えのようなものがあれば、それを支えに生きていける。
著者の半生を振り返りながら、成功とは無縁のつまづきだらけの人生を考える1冊。
読書経験が未熟な僕には、どう分類してよいかわからなかったが、本屋のどのコーナーにあってもよいと思った。物語として、哲学として、実用として。
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ブログ界では有名な、でも一般の人にはほとんど知られていない方のエッセイなんだけど、これが面白い。
はじめに「負け」「負け」言っているからどんなやらかした人生かと思ったら、どっこいちゃんと素敵に生きているじゃないか。
自分の言葉でちゃんと語れる人生っていいなと思った。
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冒頭で「失敗した人生」であるということが書いてあったので、偏見ではあるがいわゆる底辺社会を這いずり回り55歳まで生きてきた人の本だと思った。
読み終わってみて「普通の人」だと思った。
「普通の人」であるかがいかに難しいか、を考えるならばこの人は決して「失敗した人」ではない。
失敗の定義がかみ合っていない可能性があるので、なんとも言えないが
とにかく「失敗した人でない」と思った理由は、この人が「常に前向きで自然体」だからだと思う。
何があっても最終的には「甘受している」点、これが大きい
難病然り、子ども然り。
社会的意義が在るとも思った。
昔ならこういう本は出なかっただろう。
エッセイという形でごく一部の作家が巧みな文体と観察眼を用いて執筆されたごく一部だったろう。
別にこの人は文章が上手いわけでもない、観察眼は鋭いが、とにかくブログという新しいメディアがきっかけとなっていることに大きな意義があると思う
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自分が負け組であることを受け入れていくために必要なこと - 狐の王国 http://d.hatena.ne.jp/KoshianX/20130417/1366227951