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職 人
著者 永六輔 (著)
「職業に貴賎はないというけれど,生き方には貴賎がありますねェ」モノをつくる職人さんたちならではの知恵に満ちた言葉の数々を軸に,対談・インタビュー,そして講演録などで構成す...
職 人
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職人 (岩波新書 新赤版)
商品説明
「職業に貴賎はないというけれど,生き方には貴賎がありますねェ」モノをつくる職人さんたちならではの知恵に満ちた言葉の数々を軸に,対談・インタビュー,そして講演録などで構成する紙上バラエティ.『大往生』『二度目の大往生』に続く,ご存じ永六輔ワールド第3弾.著者いわく,「僕はこれを一番書きたかった」.
目次
- 目 次
- はじめに――地鎮祭
- I 語る――「生き方には貴賎がありますねェ」
- II 怒る・叱る――「怒ってなきゃダメだよ、年寄りは」
- III つきあう――「必要なものは高くても買うのが買物です」
- IV 訪ねる――「使い込んでこそ美しい」
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紙の本
生き方のモデル
2002/07/03 14:21
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:HRKN - この投稿者のレビュー一覧を見る
とあるテレビ番組に触発されて本書を手に取った。「職人」というものが日本人のある種のモデルになっている、という論旨に興味を持ったからだ。
永氏のキャラクターとルックスには、正直に話せば、私はいい印象を持っていない。突出した高い声質、おまけに早口。いつも纏っている青い衣装、そして刈り揃えられた髪。何を取っても胡散臭く感じてしまう。もっと突っ込んで書けば、嫌いだ。だが、本書における氏の仕事は評価せねばなるまい。ここまで含蓄に満ち、時に非常識でもある職人たちの多くの言葉。氏が自身の足で歩き、職人と打ち解ける過程なくしては、この量を収集するのは到底不可能であったろう。そして氏の言葉「職人とは生き方」、これには脳天を貫かれたような衝撃があった。
だが、本書の全体を覆うこの軽薄さは何だろう。軽すぎて、反感までも持ちそうになる。冒頭におかれた職人語録は面白く読んだのだが、グラデーション的に読む意欲をどんどん失っていく。最後に置かれたのは講演録なのだが、これを読んだ上であとがきを読めば、脱力すること必至である。洒落のつもりなのかも知れないし、氏の照れ隠しかも知れない。もしくは、奇を衒わず自然に生きる職人について、大真面目に語ることができなかったのかも知れない。にしてもだ、最後に裏切られたようで残念であった。
今は気分直しのため、冒頭を読み直しているところである。