電子書籍
青が散る(下)
著者 宮本輝 (著)
退部を賭けたポンクと燎平の試合は、3時間40分の死闘となった。勝ち進む者の誇りと孤独、コートから去って行く者の悲しみ。若さゆえのひたむきで無謀な賭けに運命を翻弄されながら...
青が散る(下)
青が散る 新装版 下 (文春文庫)
商品説明
退部を賭けたポンクと燎平の試合は、3時間40分の死闘となった。勝ち進む者の誇りと孤独、コートから去って行く者の悲しみ。若さゆえのひたむきで無謀な賭けに運命を翻弄されながらも、自らの道を懸命に切り開いていこうとする男女たち。「青春」という一度だけの時間の崇高さと残酷さを描き切った永遠の名作。
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紙の本
スマホも携帯もない時代の大学テニス部を舞台にした人間ドラマ
2021/06/14 07:35
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:YK - この投稿者のレビュー一覧を見る
新設された大学のテニス部を設立し、友人を勧誘して運営してゆく主人公たちの日々を描いた宮本輝氏による小説。
舞台はおそらく1960~1970年代の関西。スマホもない、携帯もない、インターネットもない時代の大学生活。友人と意思疎通するには直接会って話をするか、固定電話で話をするしかない時代。授業の後でクラブの練習に明け暮れて、練習が終わったら行きつけの喫茶店で友人と他愛もない会話を楽しんで、三々五々別れていくというような毎日。50歳の私にとっても大学時代は携帯は無かったし、友人との連絡は固定電話のみでした。そんな大学生活を送った経験を持つ人なら、なんとなく懐かしい気持ちでこの本の世界に入っていけると思います。
テニス部が舞台とは言え、テニスをしている描写はそれほど多くなくて、だからスポーツ小説というわけではなく、主人公の燎平には憧れの女性も登場しますが、恋愛小説というわけでもなく、一人の20歳ぐらいの男の子が周囲の友人たちとの出会いや別れ、彼らの言動やテニスを通じて成長していくような姿を描いています。ストーリーに練られた伏線があったり、ドラマチックな展開があるわけではないのですが、登場人物が話す自然な関西弁、細やかな心理描写などで間延びせずに引き込まれていくのはさすが宮本輝氏という印象です。
大学時代にスマホ、携帯の無かった年代の人であれば、読者を選ばず誰でも感情移入できると思います。でも言いかえると、スマホやらSNSが友人との交流の手段として当たり前の世代にとって、この小説の舞台はどう映るのか、興味が湧いてきます。
電子書籍
選ばなかった道の物語
2020/05/29 19:56
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あおひこももね - この投稿者のレビュー一覧を見る
人は一本道しか歩けないけれど沢山の選ばれなかった道を鮮やかに感じ取ることが出来ました。
ドラマは東京が舞台になっていましたが、大阪版リメイクしてほしいです。
紙の本
H26.2.28読了
2014/03/01 08:15
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:竹匠 - この投稿者のレビュー一覧を見る
宮本輝の青春群像小説。燎平をはじめとする学生時代のモニュメント。もし、発刊、俺が20代に出会っていたら、もっと、感銘が深かったと思う。今の、宮本洋クンの立場に置き換えて読めば、プレゼントされた彼女にとっては、重たいのでは・・・