紙の本
シルヴァスタインの欠片
2015/11/20 03:03
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投稿者:タンポポ旦那 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「私を知らないで」からの読者として、後ろめたさはあるが、素直でストレートに心に届く作品と思う。著者のキャラクター設定と構成の妙にも改めて感心させられた。
読み進めるうち、何か馴染みある感覚が離れなかったが、そう、これはシルヴァスタインの「僕を探しに」ではないかと…。
“イルカ”も“セミ”も、自らを律し、束縛することで、失くした【カケラ】を埋めているようで、実際は得られない、或いは得てはいけないと納得させつつ、【カケラ】を求め続けずにはいられない…。
「私を知らないで」では痛々しさが際立っただけに、本作のラストに著された、生きる力強さと、希望の響きが心地よかった。
電子書籍
前半はよかった
2016/04/05 04:45
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投稿者:しん - この投稿者のレビュー一覧を見る
滑り出しは快調。イルカのイメージがすんなりと入ってきて、主人公二人の出会い方も自然。情景描写も的確で、立体化しやすい。でも、最後の方になって、一気にイメージが崩れてしまった。だから一体どういう事だったの?という腑に落ちない気持ちと、独り言的な内省が多すぎて、情景や物語の流れがわからなくなってしまった。
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繊細で傷つきやすい主人公とヒロインの思考が独りよがりにしか見えず、最後まで感情移入できなかった。好き嫌いがばっくりわかれる作品だと思う。
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みらいちゃんが幸せそうで良かった……。
本当に良かった。
ただ……それだけで……。
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メフィスト賞受賞作にして、著者のデビュー作。ちゃんと伏線回収するミステリなので、ファンだけでなく、ミステリ好きは触れていただきたい。当時はミステリエンタメの最前線と呼ばれていたようで、最近だと『冬の朝、そっと担任を突き落とす』というショッキングなタイトルの本や、『ひとすじの光を辿れ』というゲートボール×女子高生というまた一風変わった作品を出している。ミステリを基本としてこれからも様々な作品を出してほしい。
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最近話題の白河三兎デビュー作。
母子家庭、完璧な美少女、希薄な主人公。
ここらへんはなにかしらの一貫性。コンプレックスを感じる。
私を知らないで、もこれの焼き直し感があったり。
どうしたいんだろう。
まだうまく書けるだろう。
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帯の煽り文句が大袈裟すぎて、読後感が物足りない気がする…。繊細げに描かれる主人公に少しイライラ。未来から過去を振り返っているから、なのかもしれないけれど、大人が描いた繊細ぶりたい子供、という感じが鼻についた。
終章も、あまり驚く展開ではなかった。あーきっとこうなんだろうなーと読んで行ったら、やっぱりそうだった。解説によれば単行本から改稿されているらしいのだけど、単行本のままだと早々に展開が読めてしまったのでは?と思ったり。
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冒頭のイルカとセミのやりとりは、正直「なんじゃこりゃ?」と違和感だらけで、読み進めることに不安を感じてしまいました。が、最終的には半日で一気読みしてしまったほど、本作に没頭させられてしまいました
その魅力が何なのかを一概に言い表せないのですが、キャラの特徴や性格などを少しずつ少しずつ積み重ね、知らぬうちに読み手にその存在を理解させるところがその一端なのではないかと思っています。
それを痛感したのは、終盤の「今度こそ○○」というひとこと。たったこれだけで「あ、アイツだ!」と連想できるほど、登場人物の特徴を脳内に植え付けられていたんだと気づきました。
この辺りは同じメフィスト賞作家の辻村深月氏に似ているように思います。作風的にも(以前読んだ「私を知らないで」も)初期辻村作品に近い青春ミステリだったことから、非常に良く似た“匂い”を感じました。
「私を知らないで」は同じ青春ミステリでも甘酸っぱさよりは“苦み”が強い印象でしたが、本作はかなりハッピーな気分で読了出来ました。終章の途中までは少し落ち込みましたが、最後の最後での大逆転で「キターッ」的なハイテンションに。
久々に夢中にさせられた作品でした。
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装丁、装画、タイトルすべてに惚れ購入。そしてその日に了読。
本当すべてすがすがしいほどにつながってた。
思ったのが、言葉の選び方が好き。例え方とかが好き。
でも、もしかしたらこれを現実でされたら、嫌かもしれない。
最初の1文でこれは面白い話だと思った。
きっと、このお話の中だけどその言葉がすいすいと泳いでいるような感じ。
前にもこのお話に出会ったことがありそうななさそうな本で懐かしさがある。
本当に言葉が綺麗。解説にあったようにヒントが散りばめられていて(少しだけだけど)丁寧に拾わないと壊れそうな。でも強かったりする。イルカのような感じ。どこかにセミもいる。
1つなくなると何も繋がらないのね、カチッっと歯車は合わないのね。
1つの間違いも、2つの正しいことも全部がヒント(少しだけだけど)
正直、私の感想よりも、少しだけ読んでみてそのあと解説を半分読んでみて、どこかで自分の歯車とこのプールの底で眠るの歯車がカチッっと合えば
迷うことなくレジへ行ってください(笑)
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白河三兎のデビュー作であり、かつメフィスト賞受賞作である今作は本当に素晴らしいの一言に尽きる。
ただ、好き嫌いが分かれるとは思うが...。
イルカとセミの過去がメインの話であったが、ありとあらゆる伏線が張り巡らされていた。ひとつひとつの伏線が回収される度に全身に鳥肌が立ったのも覚えている。
読み始め、主人公の性格は小説としてはありふれていて、冒頭も不審者&不審者という印象が強く、ハズレ作品では?と決めつけていたがそんなことはなく、サクサク読めた。過去の話は95年だったので多少の時代の違いを感じたがそれもまた味がでていたと思う。
会話などのやり取りがハマっていて、また著者の趣味・嗜好?なのか時々漫画のネタも挟んでいるのも笑えた。
他の作品も気になってしまい、『私を知らないで』も購入してしまった 笑
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セミとイルカとしての過去、そして自分自身の過去にとらわれながら生きてきた主人公。
独特の雰囲気があるが不思議と心が和む一冊。
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メフィスト賞受賞作らしい作品。
達観した高校生の主人公は村上春樹風で、雰囲気はもう少し切ない感じ。
後半はストーリーが間延びしている。前半のような切れに欠けるし、そこまで回収しなくてもという位に伏線を説明する。
悪くはないが、もっとオチに変化が欲しかった。
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13年前の夏休み最終日、僕は“裏山”でロープを首に巻いた少女と出会った。
自殺を思いとどまった少女は名前を名乗ることを嫌い、僕が「セミ」と名付けた。
彼女から僕は「イルカさん」と呼ばれ、1週間の不思議な付き合いが始まった。
2013年10月23日読了。
ミステリーだと思って読み始めたのだけれど、ちょっと違うぞ?と思い始め、それでもスルスルっと最後まで読めました。
ちょっとせつない青春小説、といってもいいのかな?
ただ。主人公の幼なじみである由利のその後が足りない。彼女がその後どうなったのかが、かなり気になります。。。
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ああ白河作品と思いました。辻村作品から自意識過剰を取り除いて前向きさを足した感じで読後感は良いです。
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セミが「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」のもくず(だっけ?)に似ている気がした。
ストーリーとしては一見めちゃくちゃなんだけど、心をぐちゃぐちゃにかき回されて、最後はスッと終わるというのが気分いい。
ミステリーっぽい要素も含んでいると思う。
由利はその後どうなったんだろう。