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日本人の論語(上)
著者 谷沢永一 (著)
江戸初期の儒学者、伊藤仁斎は、学問とは知識の競い合いではなく、人間性の修練であると唱えた。そして、『論語』『孟子』の精髄を読み抜き、日本人の感性に即した儒学を、師と弟子の...
日本人の論語(上)
日本人の論語 『童子問』を読む 上 (PHP新書)
商品説明
江戸初期の儒学者、伊藤仁斎は、学問とは知識の競い合いではなく、人間性の修練であると唱えた。そして、『論語』『孟子』の精髄を読み抜き、日本人の感性に即した儒学を、師と弟子の問答形式を用いて叙述した。それが『童子問』である。本書は、全百八十九章から成る『童子問』を現代人が読みこなせる言葉に訳し、さらに要諦を解説する。仁斎は儒学を支那から取り寄せ、そのままを暗唱するのではなく、儒学の真髄を把握したいと考えた。儒学の目的は人間の生きるべき道を深く学び、それを実践する強い意志であることを悟り、これこそが、本来の学問であるという信念を持った。仁斎の出現により儒学は輸入学ではなく、日本人が人生の生き方を社会生活の中で、工夫する手立てとなったのである。仁・義・礼・智とは何か。人間関係の心得とは何か。人生における永遠のテーマを、親しみと温かみをこめて、諄々と説く。古典の碩学が、老若男女すべてに贈る、普遍の人間学。
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紙の本
碩学披露で主張曖昧
2012/05/31 20:44
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:GTO - この投稿者のレビュー一覧を見る
残念ながら、これは失敗作である。谷沢は碩学に基づいてものを語る時、鋭いものがある。それゆえ、現代社会批評において、慧眼の持ち主といっていいだろう。
この本では、伊藤仁斎の『童子問』を読み解くかたちで、『論語』『孟子』に言及し、その背景として「四書五経」や「荀子」なども紹介、さらには、作者谷沢の意見も盛り込もうとしている。そのため、何が言いたいのかが、見えてこないのである。いや、言いたいことは読む前からある程度予想はついているのだが、伝わってこない。これは、碩学を基礎に語っているのではなく、碩学そのものを披露してしまっているからだろう。(人のことは言えないが「秘するが花」である。)
「復習」の部分を、もっと膨らまして、彼自身の言葉で語れば良い読み物になったと思う。