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投稿者:ブラウニー - この投稿者のレビュー一覧を見る
デモ、学園紛争、フォークなどが盛んだった時代はさかのぼって60年代の終わりの話。
叔母の家に住んでいる響子は大学生の渉、友達で同居人の裕之介、その彼女のエマとであったのは無伴奏という仙台の喫茶店だった。そのうち渉と響子は付き合うようになったが、渉は不思議な雰囲気を持つ、自分の殻から出てこない孤独な男性だった。二人は愛し合うようになっていった。同居人の裕之介と彼女のエマも含み4人は仲良くしていたが、エマが妊娠してしまったことで4人の関係は壊れてしまい、ばらばらになってしまう。その真相が分かる小説の結末はいかにも小池真理子さんらしいなと思った。読んだ後、じーんとする話だと思った。
電子書籍
あの時代の狂騒曲
2020/07/15 10:33
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
1960年代後半から70年代にかけての、学生運動の高まりが懐かしいです。大人の世界に足を踏み入れていくかのように、喫茶店「無伴奏」のドアを開ける響子の姿も心に残ります。
紙の本
仙台の青春
2020/08/02 16:37
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投稿者:H2A - この投稿者のレビュー一覧を見る
語り手が回想する多感な高校時代。彼女は60年代の学生運動が盛んだった仙台高校生活を送った。その時に経験した忘れられない恋を経験して今でもそれを引きづっている。当時の雰囲気が伝わってきて、いかにも思わせぶりな設定と人物たちだが下らないとは思わない。同性愛はもはやタブー視されるテーマでもないだろうが、この扱いはいかにもと思わせる。佳作。
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美しく危険な恋
裏表紙にはそんな事が書かれています。
読み終わった後に、本当に色々な事を考えさせられますが、「美しく危険な恋」とは、また違うような気がしました。
どう違うかはじ自分で確かめてみてください。
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こういう題材を一つの「恋」の形として物語にしてしまうのが、凄いところ。
途中から凄くどきどきと・・・
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レビューはブログにて。
http://tempo.seesaa.net/article/8942770.html
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小池真理子はなんとなく読まなかったけど、これは「ファッションファッショ」でピーコさんが薦めてたから読んでみた。後でピーコさんが薦める意味もわかるのですが。時代背景が自分の親世代で、わかかりし頃の親の写真を思い浮かべながら読むと、なんとなく感情移入はできた。嫌いじゃないけど、好きでもない。けど、自分の彼がそうだったら…なんて考えると気が狂いそうになりますね。
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とても好きで、何度も読んでいるのに、いつも読み始めると呼吸が浅くなってしまう。あのシーンにたどり着くと、胸が締め付けられる。そして渉の手紙で泣いてしまう。
この時代には生まれていないし、知らないのに、とても鮮やかに情景が見えるのは、やっぱり真理子さんの書く文書のが繊細だからだと思う。
ここ数年の作品は好きになれないけれど、「恋」三部作は大好きです。
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新潮社からも文庫版が出てるようなのですが、読んだ本はこちら、集英社文庫。
ある意味懐かしい、70年安保闘争の時代。文庫本のカバーに書いてあるあらすじ(?)に引かれて読みました。
短い序章と終章が今(1990年頃)、本文が20年程前の回想、と言う形になっています。
高校生の主人公響子の初恋の相手は大学生の渉、渉の同居人の裕之介、裕之介の恋人のエマ。4人の間に起こった、忌まわしい出来事が永遠に4人を引き裂きます。
物語は、40歳になった響子が渉の姉の勢津子に(20年ぶりに?)会いに、仙台に出かける所から始まります。
タイトルの「無伴奏」というのは、20年前の話の中心となるクラシック喫茶の名前です。
忌まわしいでき事がなんなのか、常に気にしながら読むことになります。秘密めいた渉の真実が明かされてびっくり(は、あまりしなかったけど・・)。本編の結末は切なくなります。そして20年後。何も知らない勢津子も、すべてを知っていて何も言わない響子も、表向きは普通に生活している・・。
あの時代にいそうな4人を主人公に、ノスタルジックに浸れる小説だと思います
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響子の心から渉やエマや無伴奏で過ごした若かった日々は決して一生消えないだろう。しかし、20年経った後、無伴奏もなくなり町も変わり、祐之助も勢津子も新しい人生を歩み始めている・・・。そんな中、響子は一人十字架を心に背負いつつ生きていくのだろう。衝撃的なお話。「恋」とはまた違う、心を揺さぶられるものがある作品。(08年4月20−21日)
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これを読んだのは高校のとき.
よくわからず,作家の名前だけでこの本を買い,一気に読み上げました.
読んだ後気付いたらぼろぼろ泣いていたのを覚えています.
わたしにとってはかなりの衝撃だった本.
1960年代の仙台.学園戦争やデモが盛んだった中,バロック音楽の流れる喫茶店でひっそりと出会った17歳の響子と21歳の渉. 彼らの恋を見守る渉の友人祐之介とエマ.
彼らの関係は,20年後の人間関係にも影響を与える.
恋愛とは?人を好きになるとは? 異色の恋愛小説です.
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小池真理子さんの作品を読むのは、「愛するということ」「望みは何と訊かれたら」「恋」に続いて4作目。
ああ、これも面白い。
またもアノ時代なのです(というかこれは「恋」の前に書かれた作品で、「恋」につながっていく作品ということなのですね)。
60年代後半。デモ、学生運動、ストーンズ、バッハ、ビージーズ、煙草、コーヒー、喫茶店。音楽は他にも色々。ラフマニノフとかも。
チャイコフスキーも出てきます。チャイコフスキーは男色で「悲愴」はその悲しみを込めて作られたのだとか。
「無伴奏」という喫茶店は本当に仙台にあったクラシック喫茶だそう。
阿佐ヶ谷の「ヴィオロン」を思い出してしまった。筆談するところとか。
小川洋子さんは「メロディアスライブラリー」で、「カノン」と書いた文字が滲んだところが、この先の展開を暗示させるとおっしゃっていました。
舞台は仙台。主人公の野間響子は、小池さん自身あとがきで書いているように、小池さん自身がモデルです。
渉と響子、裕之介とエマ。
渉を愛し始めた響子。しかし渉には大きな秘密があった……
「恋」で兄と妹という禁断の関係が描かれていましたが、この作品では男同士の愛が描かれています(といってもそれほど詳細に愛し合う様子が描かれるわけではない)。
この先に何かが起こるぞ、何かあるぞ、と思わせる部分が、もっとも読み応えのある小説。滲んだ文字といい、不吉な予兆?が随所にちりばめられているのですね。
いざ、隠されていた事実が明らかになってからは、ああやっぱり…と思わされます。読めました。この関係は。
こんなに壮絶な経験を経ながら、普通に結婚して日常を営んでいる主人公……というのは「望みは何と…」もそうだし、「恋」もそうだなあ。
小池文学はホント読み始めると止まらない。
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学生運動が盛んだったころのお話。
なんでだろう、いつも少しこのけだるい感じに憧れるのは。
私なんかよりよっぽど大人びている、いやそういうふりをしていたのかもしれない。
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今はこの表紙なのかな?
思い出すだけで熱いものが込み上げてきます…
歩さんの言葉の一言一言が、幼稚な私には上手い表現方法が見つけられませんが、とにかく温かく、ウツクシイ
言葉が心に、悪い意味ではなく、突き刺さり、痛くて、辛くて…辛くて…
あぁ、上手い言葉が見つけられない自分に対するもどかしさ…
そう、時に言葉は意味を無くし、思いのみがすべてを語る
適当な言葉が見つけられない自分へのカッコツケな言い訳…
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高校生の響子の話。高校生でこんなに大人びていて感受性のゆたかな子がいるのかと思うとちょっと自己嫌悪というか、ガクっときてブルーになる。
うらやましい体験とは言えないが、経験としてはうらやましい。
みんながすごく自分の感情にまっすぐで痛々しいけどうらやましかった。
これに比べると、私は自分の感情をごまかしてばかり。と思ってしまう。