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企業ドメインの戦略論 構想の大きな会社とは
著者 榊原清則 (著)
これまで一貫して高成長を持続してきた日本企業をとりまく経営環境は、いま大きく変わりつつある。まず、どのような領域を自社の存在領域として構想するか、という戦略決定が改めて問...
企業ドメインの戦略論 構想の大きな会社とは
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企業ドメインの戦略論 構想の大きな会社とは (中公新書)
商品説明
これまで一貫して高成長を持続してきた日本企業をとりまく経営環境は、いま大きく変わりつつある。まず、どのような領域を自社の存在領域として構想するか、という戦略決定が改めて問われており、成長の方向性について主体的展望をもち、意識的に全社的な事業構成の定義と組み替えとを行なうことが不可欠となってきた。本書は「ドメイン」というキー・コンセプトによって、それが如何になされるかを、具体例を通して考察する。
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紙の本
企業ドメインを考える際の良書
2008/01/08 13:39
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:新井宏征 - この投稿者のレビュー一覧を見る
アメリカの鉄道会社が衰退してしまったのは、自らの事業領域を「輸送事業」ではなく「鉄道事業」ととらえてしまったことが原因だ。こういう話が戦略やマーケティング関連の本によく載っています。(これはレビットの論文で初めて言われたことのようです。『T.レビット マーケティング論』にはそのことが載っているみたい)
この話をしなくても、日頃から感覚的に「あの会社はスケールが大きい経営をしている」というようなことを思ったりしています。
この「事業領域」や「経営のスケール」に相当するのが、本書で取り上げられている「ドメイン」になります。
本書では、企業のドメインを「空間の広がり」「時間の広がり」「意味の広がり」の3つの次元からとらえています。さらに、ドメインは静的なものではなく、時間と共に変化していく動的なものとしてとらえ、様々な視点を提供しています。
様々な視点のうち、特にドメインの意味に焦点を当てた議論はとても参考になりました。例えば、ドメインを経営者が定義すれば済むのではなく、その後、環境側(組織の構成員や外部環境)とのコンセンサスが成立しなければ効果がないという「ドメイン・コンセンサス」の議論や、製品が持っている「意味領域」は、企業側が一方的に決められるものではなく、ユーザとの相互作用を通して形成されていく「相互的意味創造」の議論や、それを引き起こすための「意味の余剰」や「引き込み」の議論は勉強になりました。
本書では、そのような議論を数多くの事例(成功したものも、失敗したものも、現在進行形のものも)を取り上げて解説されています。中でも日本企業の事例は、コア・コンピタンス経営をドメインの視点から解説したようなものになっていて参考になります。