紙の本
えーと、物足りないです
2019/10/12 13:51
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
うーん、ミステリーとしてもサスペンスとしてもかなり微妙。
読んでいてちょっと困るレベル。
やりたい事はわかるけど、底が浅い。
紙の本
私に「さらば、乱歩賞」と言わしめた作品です。以降、わたしはメフィスト賞作品を読むことはあっても、乱歩賞受賞作は手にすることも有りません。こんなにも人間が薄汚いなんて
2005/10/17 20:40
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投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「仙台の骨董市で、レアもののリールを手に入れた広告代理店勤務の日下は、サービスにともらった缶のなかに古いフィルムを見つける」ミステリ。
第48回江戸川乱歩賞受賞作ですが、私には『13階段』に続いての空振りで、これを最後に乱歩賞作品を読まなくなった、記念的作品でもあります、はい。正直、空振りどころかゲッツーものですね。
小説は敗戦の直前の長崎ののどかな日常から始まります。三日前に広島に落とされた新型爆弾のことを知り不安を覚える倉場富三郎は、犬のムスとともに庭師の申松が庭木の剪定をしているのを見ています。そのとき、直前まで小倉への原爆投下を予定していたB29、通称B29ボックス・カーが上空に現れました。
そして現代。仙台東照宮の骨董市を覗いていた広告代理店勤務の日下哲は、青空骨董市には不似合いな値付けをしている店を見つけるのです。といって日下には、その値段が妥当かどうか判断する知識はありません。隅に置かれた柳行李の中にレアもののリールを発見した日下は、価値の分らない女店主から、一万円でリールと柳行李、そして不思議なスチール缶を手に入れることになります。
仕事に戻った日下を待っていたのは、営業の高橋が持ち込んだ政党のイメージCMの企画競合プレゼンの話でしたた。参院選の宣伝事業費は80億といわれます。自公党宮城県連は、いち早くCMを造ろうと動き始めていました。そして日下はスチール缶に入っていた古い16ミリのフィルムを何とか復元し、その企画に使うことを考えます。そして彼のアイデアは採用されるのですが。
彼らの周りで起きる事件、フィルムに写された釣りの風景、古いリールには何の意味が。そして倉で倒れた月森進之助の生命は。
日本の戦後を問いかける小説で、今この小説が書かれた必然性は大きいと思いますが、それが何であるかは読んでもらうしかありません。ただし、それがうまく行っているかとなると、正直疑問です。読んでいて、どうしようもない古さと野暮ったさを感じるのです。
登場人物は、全てが薄汚い印象です。この中で現代的といえるのは、数ページで姿を消す月森冴子とカルト大西くらいでしょう。正直、こんな人間ばかりならば日本なんてどうなっても良いといった思います。
戦争を題材にするのは悪くありません。現代政治の腐敗をつくのもいいです。しかし、なぜこんな人間しか描けないのでしょうか。巻頭に作者の言葉がありますが、もしかすると作者はこのまま現代の日本がまっすぐ戦争へと進むことを望んでいるのではないのかと勘ぐりたくなります。
選評が本に掲載されない乱歩賞本ですが、一体どういった根拠でこの作品が選ばれたのか、知りたくて仕方がありません。選評を公表するのは、乱歩賞選考委員、そして出版社の義務ではないでしょうか。ともかく、作者の意図が読めない、全く記憶に残らない作品でした。
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まさに「こう来たか!」というミステリーでした。
フィルムの中に隠された真実。身内の心の闇―
読み進めると、その苦しみが伝わってくる、そんな気持ちにもさせられました。
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ミステリーミステリーしてるミステリーです。まさに教科書通りという感じでよくできています。でもあまりに教科書通りで物足りなさも感じます。個人的には横溝正史ばりにもうちょっとグロさが欲しかったところです。
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うーん、読み終わってからwebの書評を見ると納得してしまう
amazonのレビューにある”この作品の最大の悲劇は、乱歩賞に選ばれてしまった事。 ”これがすべて
決して駄作という訳ではないのだが、少なくてもミステリとしては下の下
骨董市でリールに出会う出だしは悪くないと思うんだが
中途半端にトリックに引きずられた感じ
戦争とトリックを二つの話に分ければ佳作が二本できたかもしれないんだが…
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第48回江戸川乱歩賞受賞作品。
乱歩賞受賞作なので、ミステリーなんだろうけど、私にとっては、ミステリーと言うより、「戦争が残したもの」がどれほどの人の心に傷をつけているのか?
そんなことを考えてしまいました。
ストーリーは、ある骨董市で偶然手に入れたフィルムの映像に隠された謎を解き明かすと言うもの。
その間にいくつかの殺人はあるものの、60何年前の戦時中の日本では、当り前のように殺人が行われ、それが罪に問われない時代があったことに怖さを感じた。
ミステリーとしては、オススメってほどじゃないけど、そういう歴史の上に、今の私たちの生きている世があることは、きちんと自覚して生きていかなければいけないと、考えさせられた作品だった。
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サスペンスの方に分類。とはいえサスペンスにしては全体的に緊迫感に欠ける。ミステリとしては意外性が薄く物足りないし、犯人や悪玉キャラの動機とか、造型もうすく、クライマックスはチープだった。小説の書き方はすごく手馴れた感じがするし読んでいる間はそこそこ面白いけど、それゆえに、全体的に作り物の感が否めない。「TENGU」ぐらいの筆力があるともっとよかったんだけどな……。
でも私はこの作品は好きだ。戦争と歴史についての考え方は胸をつかれるところがあると思う。小説の「つくり」を読むべきか「なかみ」を読むべきか、それは読む人の自由だけど、この作品を書いた作者の、誠実な姿勢が見えるような気がして、(まるで論文でも書いたかのような参考文献の多さからもそれはうかがえると思うんだけど)そういう作品は、基本的に全部好きです。
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久々の推理小説だったわけですが、面白かったです!
やっぱり推理小説っていいなと思えた一冊。
ストーリーの展開の速さとかもちょうど良かった。
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日本人が忘れてはいけない先の大戦について
取り上げられており、読み終えたときに
妙な余韻が残りました。
著者の作品は初めて読みましたが読みやすくて
よかったです。内容も江戸川乱歩賞を取っただけの
事はあると思いました。
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第48回江戸川乱歩賞受賞作。
CM制作者・日下が骨董市で偶然手に入れた、古いフライフィッシング用のリールとスチール缶。その中から発見した古い16ミリフィルムの映像を使い政党の広告を制作しようとする日下だが、そのことから歴史の中で蓋をされてきた事件に巻き込まれていきます。
トーマス・グラバー、長崎の原発、特高警察、在日外国人二世
戦争と言う狂気が生んだ事件。でも、それで済まされることなのか?戦争の歴史が忘れられ、市民が考えることをしなくなった時、狂気の歴史をまた繰り返すのではないのか?真実から目を背けようとする怠惰な生き方を戒める一冊です。
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第48回江戸川乱歩賞。
主人公である広告代理店勤務の男が、骨董市で偶然手に入れた16mmフィルム。しかしそれを取り返そうと何者かが陰で動いている。
フィルムは、ある政治家にとって知られてはいけないものが写っていた。戦時中の“鬼畜狩り”だ。戦時中日本にいた外国人、混血児らは、敵国スパイとみなされ、日本産業に貢献していようが、日本国籍を持っていようが、厳しく監視され、または殺された。
グラバー邸でおなじみグラバーの子・倉場富三郎(トーマス・グラバー)、鯛生金山を経営した範多範三郎(ハンス・ハンター)などもその影響で生活が制限されていた。
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読書途中で図書館に返却してしまう大失態。
が、集中切れずに読了。
忘れてはいけない、本当にあったかもしれない話。
ノスタルジックな釣りのシーンは、頭の中に鮮やかに描き出された。
それだけにラストがせつない。
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人も国家も滅ぶ時は、
時間をかけて熟成し、
突然何もなかったかのように、
消滅する。
そして、それは歴史となる。
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すこぶるよくできた作品。
読後、解説を見て江戸川乱歩賞受賞作品と知る。受賞は伊達じゃないと納得。ミステリの面白さはもちろん、戦争の悲惨さを伝える社会性も備えており、一気に読み終えてしまった。
骨董市で売られた古い釣り道具が、戦時中の封印された犯罪を暴き出す。過去と現在を結ぶ展開は見事だった。戦争が生み出した狂気を、ミステリという小説の形にして読む者の心に打ち込もうという意欲を感じた。
ラスト。過去の残酷な真実が明らかとなり、しばし茫然。このラストで、過去の罪の真相について多くを語らせなかったところは特に好感が持てた。いろいろと考えさせられるところとなったからだ。
著者の誠実さが滲み出た、傑作ミステリだと思う。
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今の日本は戦争へとひた走っていた戦争直前の日本に似ている。
戦前に日本の社会に貢献した外国人、その子供(混血)が、開戦した途端に、スパイ扱いされて特高警察の厳しい監視の元におかれる。その中で起きた事件を偶然撮影したフィルムをめぐる話。(たまにはマジメに書いてみた…)
読みやすい文章、読みやすい話。はっきり言えば可もなく不可もなく。
こういう本が一番印象に残らんねやろうな~って感じ…。