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夏の日の思い出は心のゆりかご [絵本は人生に三度]手帖II
著者 柳田邦男 (著)
誰にも「心の故郷」がある。絵本は、その懐かしい感覚を甦らせ、生きるいのちに潤いをもたらす。柳田邦男が薦める51冊の絵本。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍で...
夏の日の思い出は心のゆりかご [絵本は人生に三度]手帖II
夏の日の思い出は心のゆりかご [絵本は人生に三度]手帖II
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夏の日の思い出は心のゆりかご (〈絵本は人生に三度〉手帖)
商品説明
誰にも「心の故郷」がある。絵本は、その懐かしい感覚を甦らせ、生きるいのちに潤いをもたらす。柳田邦男が薦める51冊の絵本。
※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、予めご了承ください。試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。
目次
- 「心の故郷」を呼び覚ます絵本-『よじはんよじはん』『ちょっとだけ』
- 「ママ」という心を包む羊水-『ママほんとうにあったおはなし』『かあさんから生まれたんだよ』
- この子のママは、あなたです!-『みんな、絵本から』『ママ、ぼくのことすき? しろくまポロのしんぱい』『なにがほしいの、おうじさま?』
- ぎゅうっとだっこ、ふんわりだっこ-『しゅくだい』『どうぶつのおかあさん』
- 夏の日の思い出の不思議な力-『かあさんどうして』『うみべのいちにち』『むぎわらぼうし』
- 意表を突かれて、ふと気づくのは-『としょかんライオン』『まあ、なんてこと!』
- むねのなかがあったかくなる時-『テディベアとどうぶつたち』『だいすきがいっぱい』
- 動物と暮らす心豊かな日々-『おじいちゃんのどうぶつえん』『旭山動物園日誌』
- 心のゆりかご、四季の変化-『ちいさな島』『みどりの目』
- 心を豊かにする幻想的な世界-『白い牛をおいかけて』『天使のえんぴつ』〔ほか〕
著者紹介
柳田邦男 (著)
- 略歴
- 1936年栃木県生まれ。著書に「新・がん50人の勇気」「人生やり直し読本」「心の深みへ」など。
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紙の本
「心の故郷」をたずねて
2011/08/11 08:15
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本の「あとがき」は2011年の春に書かれています。となれば、当然東日本大震災のことにふれられています。
私たちはあの震災以前と以後では、きっとなにがしかの表現や思いが変わるはずです。
もし、この本の「あとがき」も震災以前であればちがった表現や論旨になったでしょう。文章とは決して独立したものであるのではなく、時代の潮流でさまようものだといえます。
その「あとがき」で柳田邦男さんは何を書いたかというと、被災地の避難所でトランプゲームに興じる姉弟の自然な笑顔でした。その笑顔から自身の少年時代の思い出とつなげて、「一時的にでも悲しみを忘れて心を解放する術を本能的に持っている」と、子供の持つ力を絶賛しています。
そして、少年時代の自身の振り返りを「何かしらほっとするような気持ち」と書いています。
「そういう懐かしさの感覚で呼び覚まされる思い出」を柳田さんは「心の故郷」、「心のゆりかご」と名付け、大切にされているそうです。
大人たちには大きな悲しみにもめげない素朴な子供の力はなくなっているかもしれません。その反面、年老いたものたちには「心の故郷」、「心のゆりかご」があります。
喪失感をうめるためにもそういった精神的なことはおろそかにしてはいけないのでしょう。
本書は絵本の紹介エッセイ本です。絵本を紹介しつつ、「あとがき」にあるような柳田さんの思いのようなものが綴られています。
一度読んだ絵本、読みそびれた絵本、まったく知らなかった絵本。さまざまな絵本は、「心の故郷」、「心のゆりかご」のあり場所を教えてくれるようでもあります。
喪ったものがあまりにも大きい時、過ぎた時間と光景に戻ることもできない時、絵本を読むことで本当の「心の故郷」、「心のゆりかご」にたどりつけるような気がします。
それは、多分、もっとも人間的なやさしさが残った場所でもあるかもしれません。