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メモリー・ラボへようこそ
著者 梶尾真治 (著)
ロマンチックSF・ファンタジーの名作『おもいでエマノン』『黄泉がえり』の作者が放つ思いっきりスイート&ビターな「愛の記憶」の物語。※この商品は紙の書籍のページを画像にした...
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商品説明
ロマンチックSF・ファンタジーの名作『おもいでエマノン』『黄泉がえり』の作者が放つ思いっきりスイート&ビターな「愛の記憶」の物語。
※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、予めご了承ください。試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。
著者紹介
梶尾真治 (著)
- 略歴
- 1947年熊本生まれ。71年「美亜へ贈る真珠」で作家デビュー。91年「サラマンダー殱滅」で日本SF大賞を受賞。ほかの著書に「黄泉がえり」など。
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紙の本
メモリー・ラボがあったなら
2010/01/27 08:46
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kako - この投稿者のレビュー一覧を見る
思い出って、どこかへ行ってわざわざ作りにいくものではなく、日々の日常生活の積み重ねでできていくものだと私は思っています。
ふとした瞬間に心に浮かんできて、ポッと心を温かくしてくれたりなんとなく切ない気分にしてくれたり。
時間が経つと、とても悲しくて辛かったことも大切な思い出へと変化していたりもします。
若くして死んだ私の従姉についても、時間はかかりましたが今では笑顔で昔話を語れるようになりました。
そんな大事な思い出をもし保存することができたら、他の人に見せることができたら、もし欲しい人がいたなら・・・。
そしてもしもどうしても消せない、心が引き裂かれるような傷を心に負ってしまった場合、その心に残った傷を消す方法があったなら・・・。
「記憶移植技術」
仕事を定年退職しふと自分の人生を振り返った時、自分の心の中に何も残っているものが無いと気づいた桐生和郎は、記憶提供者から自分に好ましい思い出を貰います。
何気ない瞬間に浮かんでくる素敵な女性。
人の記憶と分かっていても、その思い出に空虚だった生活が満たされていきます。
私は読んでいて、実際自分の大切にしている人との思い出が、自分のあずかり知らぬところで赤の他人に共有されてしまうことに不快感を感じました。
愛する人に向けていた笑顔が他の人に見られるなんて、一種の覗き見をされているような感覚がします。
私が女性だからか、主人公の和雄ではなく思い出に出てくる女性の方に感情がいってしまったようです。
そんな気分で読み進めていくうちに、作者の術中に嵌っていましたね。
和雄の物語を読み終える頃には、なんて素敵なお話だろうと思ってしまいました。
ちょっと悔しい(笑)。
もしメモリー・ラボが実際にあったなら。
死んでしまった従姉の子どもたちに、私の中にいる従姉を分けてあげられたらと思います。
母親のことを全く覚えていない彼女たちに、こんな風にあなたたちを見つめていたんだよ、こうやって語りかけていたんだよって。