紙の本
ネスレ日本人経営者の手腕
2019/05/25 13:14
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投稿者:だい - この投稿者のレビュー一覧を見る
■マーケティングが生み出すのは付加価値である
プロの経営者にはリスクを予め最小限にし、変革を求めるリーダーシップが求められる
経営はギャンブルではない
■1番を取るための努力を怠ってはならない
できることを自ら探し、猛烈に努力するべき
イノベーションとは、思いつきを行動に起こすか起こさないかである
■失敗の定義
失敗から何も学ばないこと
失敗を繰り返しながら成功への道筋を見つけることが重要
ダイバーシティを広げ、その中で意見を戦わせる人材が育って行かない限り、日本は永遠に変わらない
米国人は、徹底して自己主張する
自己主張するだけでなく、やり遂げる姿勢がその前提にあり、実行しない人間は軽蔑の対象でしかない
周囲に合わせ、突出すること嫌う日本人の気質が日本の復活を妨げている
■ブランドを強固にする
多くの人が認知しているブランドは、広告が購買意欲に結び付かない
ブランドにニュースがあれば、消費者は反応する
「トップ オブ マインド」
あるジャンルのブランドを聞かれてすぐに出てくるもの
企業には、過去に大成功した人を否定し、自分が信じるものを常に批判の目を持ちながらロジカルに考えられる人材が必要
ただ批判するだけでなく、思ったことを実行できる人材こそがリーダーに相応しい
前年と同じことをやったのでは、それはもう戦略ではない
■何が本当で、何が嘘か
本質を見抜く能力がなければ、抵抗を押しきってまで仕組みを変えることは難しい
厳しい環境にこそチャンスがある
そこに既存の枠組みにとらわれない発想を持ち込めば、新たなイノベーションを起こすことは不可能ではない
サービスの付加価値を高めるには、間接部門を一つの会社としてとらえ、マーケティングを駆使して企業価値を高める努力を重ねることが基本
これにより、コストセンターであった部門も、プロフィットセンターに変えることができる
今出世しているハイパフォーマーは、過去のモデルをうまくこなしてきたから評価を得ているにすぎない
経営者のやるべきことは、モチベーションを失ったポテンシャル人材をどう活かすかである
■常に人と違うことをやる人材が必要
過去にどんなに素晴らしい実績を上げたからといって、そのモデルは永遠に続くわけではない
さもなければ、企業は持続的に発展しない
うまく行っていない企業は、人事が機能していない
人事がうまく機能すれば、社員の能力はいくらでも開花させられる
■マーケティング発想のブランド戦略
会社名からその会社のブランドが出てこないということは、ブランドがないということ
高い利益率を達成したということは、自分達が提供した付加価値をお客様に高く評価していただいたことに他ならない
高い利益率を上げている企業の経営者と社員は、そのことに誇りを持つべき
■リーダーの定義
リーダーをつくれる人間
次世代のリーダーを育つ土壌を整えることが、プロの経営者としての責務である
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グローバル人材でないにも関わらずネスレ日本の社長となった高岡社長の書籍。日本的経営からの脱却を主張し、上司からの命令を忠実に守るエリートではなく、自らルールを変えることができる人材(上司からの評価は低い)を育てていく必要性を論じる。そのためのイノベーション提案制度などの枠組みを作り、日本法人ならではの改革を行う。本書を読み、柳井さんの「現実を視よ」を読了した時と同様の印象を受けた。日本にとどまっていることに危機を感じ、ルールを変えることができる人材になれるよう日々精進したい。
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日本人で初めてネスレ日本のトップに立った著者の、ブランド、マーケティング、マネジメントの話。ネスレの話は「外資でありながら日本ぽい」とか聞いていたが、実はよく知らなかったこともあり、面白く読めた。著者の入社以来やってきた足跡(自慢話っぽいことも含む)が、そのまま、日本式経営への抵抗であったり、ネスレHQへの挑戦だったりする。
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ネスレ日本㈱の代表取締役社長である高岡浩三氏ご自身による著書。意外な事にネスレが日本に進出してから約100年の歴史の中で、初めての日本人社長らしい。
なぜ100年もの間、生え抜きの日本人が社長になれなかったのか、それはネスレグループの中の「インターナショナルスタッフ制度」が影響している。ちなみにインターナショナルスタッフとはかなりのエリートであり、世界中に点在するネスレグループ企業を渡り歩いて、退職するまで祖国に帰れないそうだ。
しかし高岡氏はインターナショナルスタッフではないのだが、海外への赴任経験や国内事業の立て直しの実績が高く評価されたようだ。ブランド戦略に長けているだけではなく、取引制度や人事評価など企業経営全体にイノベーションを貫く姿勢は、まさに国際企業のトップを務めるにふさわしい方だと思った。
「マーケティングは経営そのものである」「思いついた事の98%は実行する」「失敗の定義とは失敗から学ばない事」「根回しは足かせにしかならない」「最終的なリスクはトップが負う」など、これだけグローバル化が進む日本でも、旧来のニッポン式を否定しながらイノベーションを実践する、高岡氏のような経営者は意外と少ないのではないでしょうか。
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おもしろかった。最近こういう本をよく読んでいるのだけれど、社長ってこういう人ばっかりなのかな?おもしろいし、ためになるのだけれど。
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ネスレ日本で初めて日本人トップに就任した社長の書かれた書で、本のタイトルは刺激的ですが、本の中身として語りたいことは日本企業の根底の問題はマ-ケティングに無知な事にあることと思いました。
筆者の勤務されているネスレが非常に広い意味でマ-ケティングを語っているのに対して、典型的な日本企業はマ-ケティングを単なる販促手段としてしか考えていないのが現状のようで、私も本書で語られている、コ-ポレ-トブランドとプロダクトブランドの違いや意味をよく理解していませんでしたので多くの日本人は似たようなものだと思います。
マ-ケティングの考えに対して色々と示唆の富んだ内容の本だけにタイトルが逆に勿体ない気がしました。私がもし本書のタイトルをつけるとした「日本の経営者はの本当のマ-ケティングを知らない」「本当のマ-ケティングをやれば日本企業は変わる」と言った感じにしたいなと思いました。
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■日本企業
A.日本企業が高いレベルのイノベーションを起こせない最大の原因は、似たような人間を集め同じような教育をする教育システムである。ダイバーシティ(多様性)のない環境で育つと、人と異なる発想を持てず、イノベーションを起こせない。
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260126読了。
面白かった。ネスレという世界的な大企業が、なぜ長期間存在し続けることができたかという内容。それは、マーケティング、ダイバーシティ、マネジメントに理由があるようだ。そこが日本の企業との大きな違いである。
個人的には、仕事への取り組み方に参考となった。
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いま、自分が立ち向かっていることに色々な示唆を与えてくれた一冊。
今まで、読書は私にとってリラックスとリフレッシュであり、ビジネス書で共感ができるところがほとんどなかったから、好んで読んこなかったけれど、これは読みやすい。
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著者がこれまで歩んで来られた
軌跡をたどることで、
そこから学ぶものがあった
1番印象深かったのは、実行力
まさに自分で道を切り拓いてきたことが
伝わってきた
もうひとつは、顧客視点で考えること
自分たちが伝えたいコンセプトは、
顧客にとってはどういうことなのか?
ネスレ商品の目標は、最終的に消費者に『ありがとう』と言われるブランドになること。そのために、どんなプロモーションをうつべきか?
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戦後、人口が増え、市場が拡大していく中では、トップの意向に従順なマネージャーが多数いることが、日本の揺るぎない強みとなっていた。が、市場は大きく転換し、過去の成功体験の延長戦上での成長はもはやありえない。戦後大量に生み出された従順=自分で考えられないマネージャーでは、イノベーションは起こせない。これが、多くのニッポン的な会社がイノベーションを起こせず、停滞している理由。根柢にあるのは人の問題ということ。
停滞している会社を変革させるには、現状のルールに縛られることなく、新たな視点で付加価値をどう上乗せするか。すなわち、マーケティング発想を、あらゆる部署の人間が持たなければならない。
が、既にニッポン株式会社に毒されている会社では、過去のしがらみから簡単には脱せられない。ボトムアップではなく強い意志を持ったトップダウンが日梅雨。早く決断し、トライ&エラーを積み重ねること。
トップたるもの、イノベーティブな人材が育つような、仕掛け・仕組みづくりをすることこそが、最大の仕事。結局のところ、企業は全て人に起因する。
「キットカットの返品拒否による廃棄軽減取組」「キットカット受験キャンペーン」「ネスカフェアンバサダーモデルの確立」「イノベーティブな人材獲得のための採用選考方法」「社内提案制度イノベーティブアワード」などなど、ネスレ日本が成長するために行ってきた具体的な事例が満載。どれも非常に勉強になる話ばかりでした
ニッポン株市域会社に対する辛口な警鐘に非常に共感。「うちの会社のこと言っているのか!?」と思う読者も多いんではないでしょうか?このような人がトップになってくれたら・・・、なんてタラレバを言っても仕方が無いので、自分自身がイノベーティブな人材になれるよう、精進してきます。
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尊敬する同業マーケターに勧められ
年初に買ったんだけど、
キャパ小さい僕は積読してました。
面白くて一気に読めました(^^)
僕もニッポン株式会社脱却目指し、
ついていきますネスレ先輩〜(o^^o)
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Think Globally, Act Locally.
インターナショナルスタッフとして日本に来ている外国人はお客様ではない。現地に同化する。それがネスレのカルチャーなのだ 248
どれだけ高額な利益を上げて、どれだけ多額の税金を払うか。これが大手と呼ばれる企業に課せられた使命 263
確かにネスレという会社はグローバルリズムの中において絶対的な成功を収めた上に日本という排他的と妄想される中で生き延び長い間の経営を培ってきたことに異論をはさむ余地はない。だがそれもまた一つのゲームルールの上に成り立ち日本のルールを変えたからというわけであろう、ならば日本がそのルールを変える片鱗をつぶそうとする外国企業のやり方にもっと力を注ぐべきことだろう。日本株式会社と言われ卑下されても日本的経営を良しとする企業が一つでも残っていれば日本は日本という祖国を中心とする根強い魂がそのルールというものを根本的にひっくり返し利益誘導主義的グローバルリズムを跳ね返してくれることに期待したい。
書かれていることは今の日本社会から見れば至極まっとうなことばかりであり日本社会の真逆の経営を行っている、中には尊重したいことも多々ある。がその中に自らのご苦労な経験をさも当たり前のように書かれ、すべての人が氏と同じように行動できるように思われるが特別的要素も多く含まれていよう。
総合的活動
日本マーケティング協会
組織の内外に向けて統合・調整されたリサーチ・製品・価格・プロモーション・流通、および顧客・環境関係などに係わる諸活動を言う。
アメリカマーケティング協会
マーケティングとは、顧客、依頼人、パートナー、社会全体にとって価値のある提供物を創造・伝達・配達・交換するための活動であり、一連の制度、そしてプロセスである。
高岡構造的
マーケティングとは経営そのものである
ニッポン株式会社モデルの根本的な問題はマーケティングに無知なことだ。
ネスカフェアンバサダー
囲い込みによるパイの奪い合い、そして一時的な思い込みの利用と日本的親切心の利用。
結果さえ出せば誰も文句は言わない。
キットカットの受験ブランド ネスレの案か?
新興国からの材料購入 フェアトレドという言葉
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グローバル企業である ネスレが
日本に定着し 日本のなかで どのように戦い
どのように 社会貢献するのかを
しっかりと とらえているのが すばらしい。
キットカットの販売戦略
広告ではなく ニュースで ブランドを確立する。
受験生作戦。
日本式ダジャレで プロデュースするのが おもしろい。
コンビに対する 返品制度に対して
断固として 戦ったことは 特筆される。
周期の早い 商品群を どう ブランド化するのか
コーヒーアンバサダーの取り組みはおもしろい。
動く コンビニ という 視点が すばらしい。
ルールを変えること に全力を挙げ
日本式経営について 疑問を持って 取り組もうとしているのも
好感が持てる。
この間 マーケティングを 勉強しながら思ったのだが
マーケティングをするということは
まさに 経営のあり方を考えることだと思った。
また 危機とは 危険であると同時に 『機』とは チャンスがあるということは
確かにそうだ。
東日本大震災のあとの放射能漏れ事件に対する
ネスレの対応は 立派としか言いようがない。
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以前ハーバード・ビジネス・レビューのマーケティング特集(なぜ、ご当地キティちゃんが何でもやらされているかのからくりがわかる 「Harvard Business Review」2014年10月号 ダイヤモンド社)を
読んだときにチェックしておいた本を読みました。
「ゲームのルールを変えろ」とは、自分が仕事を行う上で、
ルールを変えろ、という部分と、
高岡さん自体が、今までのネスレグローバルのルールの
例外的にネスレ日本のトップになる、
つまりネスレにゲームのルールを変えさせるような人だ
という2つの意味を持っているもの。
何をしてきた上で、数字的な成果に現れ、そしてトップへと
選ばれたのか。
山本五十六の「やってみせ」ではないですが、アイデアを出したら
まず動く。自分でやってみる。
下に人がつくとついつい自分がやらずに人に頼んでしまいがちな
ところですが、
「やって見せる」ことがリーダーであると説きます。
やって見せた企画として感動したのが
キットカットを受験生に渡す、という初の試みの企画を受け入れた
新宿京王プラザホテルと新宿ワシントンホテルの2ホテルに
寄せられた受験生からの声。
「ホテルで頂いたチョコは、試験会場で食べました。ホテルのご厚意は、一生忘れることができません」
また、ホテル側からも
「緊張されている受験生のお客さまに、ひとときでも力を抜いて笑顔になっていただけるお手伝いができたと思います。とても感謝しております。」
と感謝の声が寄せられて、これが受験の時にはキットカット、の
大きなうねりを作り出していく。
受験生、ホテルマン、そして企業の三方よしなこの企画。
いい話だなと単純に思ってしまいました。
そして、自分がやってきたマギーブイヨン、キットカットの
受験キャンペーンなどの話をしながらも、
次世代リーダーは前任者がやってきたことにとらわれずに
仕事をすることが重要と繰り返し伝えます。
「企業には、過去に大成功した人を否定し、
自分が信じるものを常に批判の目を持ちながら
ロジカルに考えられる人材が必要である。
また、ただ批評するだけでなく、思ったことを実行できる
人材こそがリーダーとしてふさわしい。」
つまり、高岡さん自身も数々の成功体験がありながらも、
それに縛られずに新たなネスレの未来を創り出さないと
いけないわけです。
今後のネスレの動向が気になると同時に、
自分も
「仮説→実行→検証→リサーチ」
をして、アイデアを実行に移していきたいと思います。