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カラー版 ドリアン 果物の王
著者 塚谷裕一 (著)
クリームのような甘く濃厚な味といい馥郁たる香りといい、ドリアンこそ果物の王である。しかし、「鼻が曲がるほど臭い」「ビールと一緒に食べると死ぬ」等々、これほど誤解されている...
カラー版 ドリアン 果物の王
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ドリアン−果物の王 カラー版 (中公新書)
商品説明
クリームのような甘く濃厚な味といい馥郁たる香りといい、ドリアンこそ果物の王である。しかし、「鼻が曲がるほど臭い」「ビールと一緒に食べると死ぬ」等々、これほど誤解されている果物も珍しい。ドリアンの虜になった植物学者が、その魅力や種類を紹介。さらに、選び方から、羊羹やかき氷などドリアンの様々な食べ方、日本での育て方まで伝授するドリアン三昧の書。ドリアンついでに植物学のイロハも解説する。
著者紹介
塚谷裕一 (著)
- 略歴
- 1964年神奈川県生まれ。東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。博士(理学)。東京大学大学院教授、基礎生物学研究所客員教授。著書に「植物のこころ」「変わる植物学広がる植物学」他。
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紙の本
ドリアンはおいしい
2006/11/05 11:33
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:sheep - この投稿者のレビュー一覧を見る
「ドリアン」という背表紙、思わず書棚に手が伸びた。
カラー画像をきれいに印刷するためだろう用紙は普通のものと異なり価格もやや高い。
この本の読者、つまりドリアン・ファンは沢山いるのだろうか?と余計な事も考えた。
冒頭、著者は「ドリアンは臭くない」と言う。
「熟しすぎると臭くなる」のだと。そうだったのかと今にして思う。
ドリアン好き派としては、さほど気にはならないのだが。
東南アジアに出かける際にたまたまドリアンの出回る時期にでくわして食べたことが何度かあるだけなので、そういうことは知らなかった。
子供の時から「果物の王」と聞かされていたので、うまさに感動しながら食べた。
「人によっては臭いをいやがる」とも聞いていたのだが。さすがに同行仲間で同じように喜んで食べる人物は少なかった。人の好みは様々のようだ。
ドリアン売りが町のあちこちに居るのを見ると、それだけで嬉しくなってしまう。
街路で食べただけではない。スーパーマーケットでビニール袋入りのものを購入し、こっそりホテルに持ち込んだこともある。翌日だったか食べ残しが発酵したのか、都市ガスのようなひどい臭いに辟易した。台北では天ぷら?のドリアンを食べた。
「ドリアンの果物史」では、戦前戦後の日本における熱帯果実の歴史が、小説からの引用などとともに簡潔に語られている。なかなか興味深いものがある。
「ドリアンの果物史」の部分には、日本のバナナのまずさを強調する章もある。驚きながら読んだ。そんなことを全く知らなかったので、東南アジアで、バナナを食べてみたことがなかった。残念無念だ。
戦争中にドリアンを食べた、占領にわだかまりのある世代から、戦争の記憶のない世代へと変わり、日本人の熱帯果物嗜好の復活につながった、という。
「5ドリアンのいろいろな食べ方」にはあのドリアン羊羹の話がある。
この章の冒頭にきちんとと書いてある。
「東南アジアの各所で土産物として売られているので、すでに試したことのある方も多いだろう。外国人の観光客相手に売られているドリアン羊羹の多くは、添加物が多いか、質の低いドリアンを使っているために、あまりおいしいものではない。(中略)怖いもの見たさの人向けの土産としては、それで良いのだろうが、本当のドリアンの味を知ってもらうには、これはあまりに不的確だ。」
現地駐在をしていた友人が、土産に外国人の観光客相手のドリアン羊羹をくれたことがある。袋から取り出しただけで、「ガス臭い!」と周囲は騒然となった。
自宅に持ち帰り、冷蔵庫に収めたが悪臭に耐えられず、食べてみた。
あれは土産になどすべきものではない。「冗談の材料」であっても食品ではない。と、著者に同意するものだ。
その一方、現地で現地用に作っているドリアン羊羹の写真や製法が載っている。これは美味だそうだ。100%ドリアンなのだから。
「食べ合わせ」の項で、「ドリアンを食べた後ではアルコールをとるな」という現地での伝承に触れている。どこでも、かならず同じことを言われたのだが。著者の言う通り、たしかにドリアンの甘い味香りは、さほどアルコールと合うものとも思われない。万一の危険を冒してまで、同時に口にすることはないだろう。
日本でも買えるようになっているというのだが、やはり現地で時期に食べるのが最善だろう。またいつか現地でたらふく食べて「本物のドリアン羊羹」を土産にしたいものだ。