読割 50
電子書籍
老いのかたち
著者 黒井千次 (著)
昭和一桁生まれの作家が、自らの日常を通して現代の老いの姿を探る。同級生の葬儀を同窓会になぞらえ、男女の老い方の違いに思いを馳せ、「オジイチャン」と呼ばれて動揺、平均余命の...
商品説明
昭和一桁生まれの作家が、自らの日常を通して現代の老いの姿を探る。同級生の葬儀を同窓会になぞらえ、男女の老い方の違いに思いを馳せ、「オジイチャン」と呼ばれて動揺、平均余命の数字が気にかかり-。冷静な観察眼と深い内省から紡がれる、珠玉のエッセイ五六篇を収録。
目次
- 1 病気待ちの列(父という時計
- 自然に老いていくには? ほか)
- 2 友を送る-これも同窓会(時間ないのは僕なのに
- 追い抜き、追い抜かれ ほか)
- 3 老い遅れに気をつけて(歳を取れなくなった時代
- 一つ拾い、一つこぼす ほか)
- 4 「普通高齢者」がイチバン(平均余命で数字遊び
- 生命の灯が点るのも病院 ほか)
- 5 冷や水とのつきあい方(二度こぼしても-失敗を恐れずに
- ヒガミとアキラメ ほか)
著者紹介
黒井千次 (著)
- 略歴
- 1932年東京生まれ。東京大学経済学部卒業後、富士重工業に入社。70年より文筆生活に入る。「時間」で芸術選奨新人賞、「群棲」で谷崎潤一郎賞、「カーテンコール」で読売文学賞を受賞。
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
小分け商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この商品の他ラインナップ
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
老いは恐れるべきものなのか
2023/04/18 22:05
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:マーブル - この投稿者のレビュー一覧を見る
老いていく自分は確かに気にはなる。が、あまりに老いを拒絶し、若さにしがみつくのは良しとしない。抗わず生きる。ふとした時に気付く自らの老いにうろたえながらも、あえて逆らうことも嫌。そんなトーンの話題が綴られている。年齢が上と思われる人の軽挙に「ああはなりたくない」と思い、年下に見えるが自分よりも衰えを見せる人に「自分はまだまだ」と胸をなで下ろす。私自身にも見られるごく自然な感情。氏は理想とすべき「老人像」「老人らしさ」の喪失を感じている。かつてないほど寿命が延び、手本のない老人たちはどこを目指せばいいのか。