電子書籍
古事記
2019/07/27 17:01
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投稿者:Otto - この投稿者のレビュー一覧を見る
「ストーリーをふり返って、もう一つの神話を発見してみよう」と書いてあり、ワクワクしながら読んだ。神様の話なので難しかったが、じっくり読むと楽しそうだ。
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投稿者:Otto - この投稿者のレビュー一覧を見る
因幡の白兎など、有名な話が出てくるので、興味深く読める。オオクニヌシは太った優しい感じの人を想像していたが実は違うということがわかり、楽しく読めた。
紙の本
門外漢の人が書いた本は参考にならない好例
2020/09/13 07:56
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投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
積読本消化。万世一系の確立のため、「古事記のストーリーは机上で作られた話」という結論から逆算して、古事記を読み解くという、パズル的な頭の体操に付き合わされる本。実にうぬぼれた考えで、著者の慢心が鼻につきました。自身満々な断定口調の割には裏付け等は一切なく、こじつけが多い印象。所詮歴史家ではない文学者による情緒的な解釈。私は古事記神話には何らかの史実が反映されているという説に賛同していますので、斜め読み。まあ様々な読み方があるという程度の読後感でした。結局、門外漢の人が書いた本は参考にならない好例でした。
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古事記神話の二面性と創話(寓話)について、強硬に語られている。
論理的展開に少し難はあるが、着いていけなくはない展開に思えた。
でも、前提としての知識をかなり求められる展開である。
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神話が当時の為政者にどのように「作られた」かを分析、考察した本。事が神話なだけに正解は分からず、いかようにも言える。それらしいところも胡散臭いところも。強引な論法が個人的にはNG。
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なるほどと思わせてくれる論旨もあった。
ただ、古事記の内容を熟知している人を読者対象として想定しているのか、古事記のあらすじはほとんど省略されているため、古事記の内容を詳しく覚えているわけではない自分としてはかなりわかりにくい。別途古事記のあらすじを調べないと内容についていけなかった。
あと、なぜか比較対象的な扱いとして引用されている文献?が近代以降のもの。文学作品として発表された作品と神話としての古事記の内容比較に意味があるとは思えない。
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古事記はわが国最古の歴史書だ。にもかかわらずその内容はあまり知られていない。古事記を知るということは、とりもなおさず日本を知るということに他ならないのである。
さて、古事記には日本神話が書き記されているが、「日本」の意味について知っている人がどれほどいるだろうか。かつて日本は「倭」と呼ばれていた・大和朝廷時代、この国の君主は大王と呼ばれていた。倭王武とは雄略天皇だと高校の日本史でも習ったことだろう。これが、天武天皇のときに君主=天皇に変わった。 道教における最高神が天皇だったからだ。
中国で、天皇(てんこう)は北極星を意味する。それは東方世界の最高支配者である、東方とは太陽の昇る「日の下」である。そこを治める君主が天皇だった。
天皇が統治するならば、そこは「日の本(もと)」でなければならない。中国で東方海上といっているのは、われわれの国であると天武天皇は解釈した。
当時の強国、新羅を牽制する上でも「日本」という国号の取得は必要だった。国際情勢の中で優位に立つために「日本」でなければならなかったのである。
天武天皇が作った「日本―天皇」というシステムは現在も機能しつづけている。この日本の秩序原理をあらわしたのが古事記の神話なのである。
古事記の神話のストーリーはある必然性のもとに作られたものである。
一段目 ムスヒ 天地初発
二段目 イザナキ・イザナミ 国生み
三段目 アマテラス・スサノオ 世界の分治
四段目 オオクニヌシ 王の誕生
五段目 タケミカズチ 地上世界の平定国譲り
六段目 ホノニニギ 天孫降臨
七段目 ヒコホホデミ 地上の支配
八段目 カムヤマトイワレビコ 初代天皇
権威化のために物語が必要になるというのは洋の東西を問わずみられる現象だろう。本書にはその裏のストーリーがどういうものか検証されていて大変興味深いものになっている。日本という地点を理解するために古事記は必須の教養だ。
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中級者向けかな? 古事記も日本書紀もあまり詳しくなく、難易度の高い神様の名前がツラツラと続いていて中々読むのに時間がかかりましたが、なるほど権威付けに神話は作られて行くのだなあ、と。ただ少し説明が断定的で引用も何もないとこが気になりました。
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私たちが、何気なく日本を考えるときに、古事記の神話に影響を受けていることがわかりました。マンガや音声、鈴木三重吉の物語で、内容について、かなりの知識を持っているつもりでしたが、読み違いや意味の取り違いに気づかされました。古事記が万世一系の正統性を記した書物であり、革命防止の書であると論じています。良書だと思います、
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これを読んだ後に古事記を読むと、人物が生き生きと浮かび上がってきて良い。
全編をつなげると、国家の巧妙な意図が明らかになるのね。
ただ、あくまで一個人の解釈によって謎が解かれただけであって全てが正しいわけではないような…
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イザナギ・イザナミ、アマテラス・スサノオ、オオクニヌシ・スクナビコナなどのよく知った神々の他にもよく知らなかった神々。神話であり矛盾に満ちたところが幼少の頃でも気がついたほどでしたが、そのあたりが色々な伝承、そして作者が万世一系を強調するために付け加えたイザナギ物語などが荒削りなままに残されているということが良く理解できるところです。伝承からはオオクニヌシがスクナビコナを知らないはずはないはずだが、記紀では初対面になっている。浦島太郎と山幸物語が極めて似ている理由など、興味深い話です。
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神話は不合理だ。
意味不明な表現、唐突な展開、理不尽なストーリー。幼い頃はそれで混乱し、衝撃的だったことを覚えている。成長するにつれて「神話とはそういうもんだ」と受け入れるようになっていった。それが大人の対応だと思っていたけど、実のところ思考停止していただけだったのかもしれない。
不合理に見える部分にメスを入れ、その理由を検証することで、「ほんとうは何を言っているのか」が見えてくる。これが本書の趣旨だ。
正直、本書の説明を読んでもよくわからなかった部分は多々ある。
それでも「あ、この部分てやっぱり変なんだ」ということを共有できただけでも収穫はあったと思う。本書がいうには、アマテラスとスサノオの「ウケイ」(弟に邪心がないことの証明としてお互いの持ち物を交換して子を生む)のストーリーは、いろんなものをあいまいにすることこそがねらいだったのだとか。
しかし、もう少し歴史とリンクした考察を期待していたのだが、そうではなかった。
一番わかりやすかったのは天孫降臨について。
日本は、中国の天子受命の思想を取り入れながら、それを起源化することで、革命の思想を排除した。日本の「万世一系」はこうして作られた。
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古事記の表の物語だけでなく、裏に込められた意図を読み解く一冊。
古事記は地方にそもそも伝えられていたストーリーをまとめたものではなく、新しく書き換えられた、『日本を創る神話』なのだと理解しました。
神話を普通の面白い物語としてしか読んでいなかったので、こんなに作り込まれたストーリーなのだと知って驚き。(諸説あるのだとは思いますが)
一つ一つの話が、日本を確固たるものにするため、万世一系を説得力のあるものにするために、繋げられていました。
古事記のストーリーを確認しながら、行きつ戻りつで読みすすめたので、ページ数の割にかなり時間がかかりました。他の説もいろいろと読んでみたいなあ。
2020.02.15