読割 50
電子書籍
母は娘の人生を支配する なぜ「母殺し」は難しいのか
著者 斎藤環 (著)
すべての母娘問題に悩む女性たちに贈る待望の1冊! 娘を過剰な期待で縛る母、彼氏や進路の選択に介入する母…娘は母を恨みつつ、なぜその呪縛から逃れられないのか?本書では、臨床...
母は娘の人生を支配する なぜ「母殺し」は難しいのか
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母は娘の人生を支配する なぜ「母殺し」は難しいのか (NHKブックス)
商品説明
すべての母娘問題に悩む女性たちに贈る待望の1冊!
娘を過剰な期待で縛る母、彼氏や進路の選択に介入する母…娘は母を恨みつつ、なぜその呪縛から逃れられないのか?本書では、臨床ケース・事件報道・少女まんがなどを素材に、ひきこもり・摂食障害患者らの性差の分析を通して、女性特有の身体感覚や母性の強迫を精神分析的に考察し、母という存在が娘の身体に深く浸透しているがゆえに「母殺し」が困難であることを検証する。「自覚なき支配」への気づきと「自立」の重要性を説き、開かれた関係性に解決への希望を見出す、待望の母娘論。
著者紹介
斎藤環 (著)
- 略歴
- 1961年岩手県生まれ。筑波大学医学研究科博士課程修了(医学博士)。爽風会佐々木病院精神科診療部長。精神科医。専門は思春期・青年期の精神病理、病跡学。
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紙の本
「どんな母娘でも、戸棚の中に骸骨を秘めている」
2010/04/27 11:50
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:きゃべつちょうちょ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「身体性」と「言葉」の問題から
母娘関係にアプローチした研究はほかに見当たらず、
新しい切り口を提供したかなという自負はあります。
・・・・・・すくなくとも本書は
母娘関係に関する良質のブックガイドたろうと
したつもりです。
以上はあとがきからの引用だが、この本のねらいが
特にこの文章に要約されていると感じた。
「イグアナの娘」や「ダイエット」、「愛すべき娘たち」など
親しみ深いコミックも多数挙げられている。
気になる点としては、フェミニストの人や
シリアスに悩んでいる人には、やや配慮が欠けている内容と
なっているかもしれないこと。
わたしは、齋藤氏の「身体性」という新しい切り口も
おもしろく読んだし、以前に女性が書いた母娘関係の本よりも
視点が広く、これは男性のいい面が生かされている気がした。
ただ、最後の結論づけはいらなかったかもしれない。
これがあることで、結果的に中途半端な位置づけになることを
否めない。
こういった本は、問題の全体像を軽くつかむことで
じぶんのことをサンプルのひとつであると
客観視させることに、価値があるのではないかと思う。
母娘という深い森のなかへ足を踏み入れるというよりは
ざっと周りを散歩するくらいの余裕を持って臨めば、
思わぬ発見が得られるだろうし、
違った景色が待っているかもしれない。
母娘とは、ほんとうに奥の深い関係であり永遠の謎である。
母にとっても。娘にとっても。
できれば、骸骨は隠されたままにしておきたいと願うだろう。
戸棚の扉に鍵をかけて。
しかし、放置で風化できるとは限らないのだ。
紙の本
これは文学評論としてのみ読むべきである
2008/06/13 17:22
8人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:けんいち - この投稿者のレビュー一覧を見る
斎藤さんの、筆致は、流麗である。それは、単にですます調で書いているからではない。端的に、「要所」を避けて通っていくからだ。避ける方法ならいくらでもある。1つは、「紹介」である。事例の紹介、先行研究の紹介、自身の体験等々。それから、「一般論への解消」、これである。そうだよね、そういうことって、いわれてみればあるよね、という形で、実感を誘っていくのだ。そして最後に、「精神分析」という図式である。先の2つとも重なりながら、現実の固有性に向き合うことなく、すべては図式に解消されていくのです。そうしてできた本書は、読み物として、ざっくり概要を読むにはうってつけなのだが、それ以上の何かを期待することは、ほとんどできない。
ほとんど、といったのは理由のないことではない。文芸評論家らしく、後半少しふれられる現代小説への展開は、いささか読み所ではある。こと、川上未映子の『乳と卵』にふれたくだりなどは、魅力的といってよい。
紙の本
苦しんでいるなら簡単なこと治療に行けばいい。
2008/06/07 13:03
32人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ISH - この投稿者のレビュー一覧を見る
内容については触れるだけ無駄。
タイトル、有名な女性向けコミックが思い浮かびませんかね。
どこにターゲットがいるかなって、外れた読みでいろんな場所へ闖入。文化も社会も世界も汚染。
世の中を不安にする。いろんな人の心を逆撫でする。
それが精神科医のお仕事でしょうか。
これらと同程度の物かなあって、コミックやら、ブームやら、それまでくだらないものだと思い込んでしまうことがたまに。
『ブーム?金が回るように作ってるんでしょ』
『変化?いろんな製品が次々出るので合わせるの大変です』
『何が起きても病理になります。日本は常に天変地異です』
『毒以外はなんでも栄養になる健康番組のお野菜』
『医療行為をやっている人達がこの類を読んでやって来た人達に頭を抱えてしまいますなぜでしょう』
内容については、まともに考えた分だけ心がおかしくなって行くよ、とだけ。