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電子書籍
桜姫
著者 著者:近藤 史恵
15年前、大物歌舞伎役者の跡取り息子として将来を期待されていた少年・音也が死亡した。それ以降、音也の妹・笙子は、自らの手で兄を絞め殺す悪夢を見るようになる。自分が兄を殺し...
桜姫
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桜姫 (角川文庫)
商品説明
15年前、大物歌舞伎役者の跡取り息子として将来を期待されていた少年・音也が死亡した。それ以降、音也の妹・笙子は、自らの手で兄を絞め殺す悪夢を見るようになる。自分が兄を殺したのではないだろうか? 誰にも言えない疑惑を抱えて成長した笙子の前に、音也の親友だったという若手歌舞伎役者・中村銀京が現れた。2人は音也の死の真相を探ろうと決意するが――。封印された過去の記憶をめぐる、痛切な恋愛ミステリ。
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紙の本
梨園という艶やかで不可思議な世界を描くミステリー
2009/01/03 21:15
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mayumi - この投稿者のレビュー一覧を見る
探偵今泉文吾の梨園ミステリー。
15年前死んだ歌舞伎役者の息子をめぐる物語。ミステリーというより、恋愛ものっぽい感じかな。梨園という世界の特殊性が、まるで万華鏡を見ているようなきらびやかさと、不思議さを投げかけてくる。
死んだ少年の妹が、若手歌舞伎役者に恋をする。
けれど、その恋は胸が熱くなるようなものではなく、むしろ冴え冴えとして自身も相手もやりきれなさに身もだえするようなものだ。
だから「桜姫」なのだ。
その若手の歌舞伎役者が演じる演目として出てくる「桜姫」で、特に引用されるわけでもない。むしろ、読み終わった直後はなぜ「桜姫」なのか首をかしげたぐらいだった。
姫君として生まれながらヤクザな男に恋をして、転落していく「桜姫」
近藤史恵は作中で「そこにあるのは、女という存在のふてぶてしさだ」と書いている。
ふてぶてしさだけだろうか。それは、どんな状況になろうと変わらない、変わることのできない、そんな存在なのではないだろうか。
人は、変わるものだ。
けれど、ここにあるのはそれを否定しようとあがく人の姿のように感じた。